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ヒンドゥー教寺院 [Singapore]

 シンガポールは人種や宗教のるつぼであると言っても過言ではありませんが、狭い国土の中で様々なルーツを持つ人々が共存共栄している点が素晴らしいと感じます。キリスト教会、仏教寺院、イスラム教モスクと並んでヒンドゥー教寺院も数多く見られます。ヒンドゥー教寺院の特徴は細かい彫刻を施した塔門(ゴープラム)を備えていることでしょう。ヒンドゥー教は一般に多神教であるため、塔門には様々な神様やそれらにまつわる宗教的物語が彫られています。チャイナタウンにあるシンガポールで一番古いヒンドゥー教寺院スリ・マリアマン寺院の横の通りはパゴダ・ストリートと言いますが、この名前は寺院の塔門に由来していると思われます。(パゴダは仏塔を指すので厳密には違いますが。)無数の彫刻を見ていると飽きることがありません。怖そうな物あり、優しそうな物あり、人物あり、動物あり。ヒンドゥー教の神様や神話について予備知識があればもっと楽しめるのになあと思います。

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 ヒンドゥー教では牛は神聖な動物とされています。神様の乗り物であり、輪廻転生の階級において人間の一つ手前の姿であるからと言われています。寺院の彫刻にも可愛い牛の姿をたくさん見ることができます。


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池のほとりの動植物 [Singapore]

 赤道直下に位置するシンガポールの池のほとりには、南国特有の珍しい動植物もあれば、日本で見られるものと類似の動植物もあり、被写体には事欠きません。

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南国を代表する花 プルメリア

 いかにも南国らしい花の代表格がプルメリアでしょう。カリブ海辺りが原産で、太平洋の温暖な島々にも広く分布しています。肉厚な花弁と淡い色のグラデーションが美しく、ハワイではレイを作る際に良く用いられます。

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子供が乗っても沈まないオオオニバスの葉

 水面にはオオオニバスが見られます。アマゾン川流域が原産のこの植物は、大きなものでは直径3メートルにも達する円形の葉の縁が10cmほど立ち上がってお盆のようになっているのが特徴です。子供が乗っても沈まないくらいの浮力を発生することができるそうです。花は大きな葉とは不釣り合いなくらい小さく、普通のハスと似たような花を咲かせます。

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シオカラトンボに似たトンボ


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アキアカネに似たトンボ


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 日本で普通に見られるスイレンと似たような品種も多く見られます。そこに集まって来るトンボもシオカラトンボやアキアカネに良く似ています。遠く離れた日本との共通点も多く、ファインダを覗いていると異国にいることを忘れてしまいそうでした。

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Marina Bay Sands [Singapore]

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 シンガポールのベイエリアの景観を一変させたのは、今やシンガポールのランドマークとなったMarina Bay Sandsと言っても過言ではないでしょう。Marina Bay Sandsは会議・展示場施設、ホテル、アートサイエンス・ミュージアム、カジノ、劇場、エンターテイメント施設、ショッピング・モールなどからなる複合リゾート施設です。ラスベガスのカジノ・リゾート運営会社であるLas Vegas Sandsによって開発されました。地上200メートル、55階建ての3つのホテル棟の屋上部分を、幅38メートル、長さ340メートルの空中庭園(スカイパーク)で連結した特徴的な建物が目を引きます。スカイパークには長さ150メートルのスイミング・プールがあり、世界一高い所にあるプールとして有名です。ホテル棟は横から見ると「人」の字のように湾曲しており、それもまた印象的な外観を与えています。設計したのはイスラエル出身でカナダで活躍する建築家モシェ・サフディ氏(Moshe Safdie)です。モシェ・サフディ氏は1967年にモントリオール万国博覧会の一環として建てられた集合住宅「Habitat 67」という作品で自身のキャリアをスタートさせました。Habitat 67は非常に独創的なアパートで、各ユニットが一見無秩序に集まり、それが巨大な人間の巣を形成したように見えます。一度見たら忘れることがない程にオリジナリティに富んだ建物です。好きか嫌いかは別としても、Marina Bay Sandsの独特なデザインはHabitat 67を生み出したモシェ・サフディ氏の独創性から来ているのは間違いないようです。


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Local Foods [Singapore]

 今回はシンガポールの食べ物を紹介しましょう。シンガポールのソウルフードと言えば肉骨茶(Bak Kut Teh:バクテー)でしょう。肉骨茶は豚のスペアリブを胡椒やニンニクの他、桂皮、丁子、八角などの薬膳スパイスで煮込んだスープ料理です。お店によって微妙な味の差があるのですが、私が一番好きなのは以前紹介した黄亜細肉骨茶餐室(Ng Ah Sio Pork Ribs Soup Eating House, 208 Rangoon Road)です。お店の場所が車でないと行きにくい所にあり、今回は食べられないかもしれないと諦めていたのですが、偶然にも高島屋ショッピングセンターの地下のフードコートに出店しているのを発見しました。胡椒とニンニクの味が強いシンガポールスタイルで、ご飯と揚げパンと漬物が付いてきます。値段は物価が上がったのか、街中価格なのか、以前よりだいぶ高くなったように感じました。

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亜細肉骨茶餐室の肉骨茶


 どこのフードコートでもホーカーセンターでも容易に見つけることができるのがフィッシュボールヌードル(魚圓面)です。フィッシュボールとは、魚のすり身をボール状にした物で、蒲鉾のような食材です。注文するとスープかドライかと訊かれますので、好みのスタイルを答えます。スープと答えると日本のラーメンのようにどんぶりにスープと麺とフィッシュボールが一緒に入った形で供されます。ドライと答えるとお皿にタレがかかった麺が盛られ、どんぶりにスープとフィッシュボールが入れられて別々に出てきます。

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スープスタイルのフィッシュボールヌードル


 雲吞麺(ワンタンミー)は日本で言うところのワンタン麺です。これもスープスタイルとドライスタイルがあり、何も言わないとドライスタイルの物が出てくる確率が高いです。ドライスタイルは麺と野菜と叉焼がお皿に盛られ、スープと雲吞が別の器に盛られます。以前に良く行っていた雲吞麺のお店に行ってみたところ、お店のおばさんも覚えていてくれて、感動の再会となりました。

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シンガポールの雲吞麺(ワンタンミー)。左がスープ、右がドライ。


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十数年前と全然変わらない雲吞麺屋さんのおばさん


 日本人駐在員御用達の餃子屋さんにも行ってみました。中華街のはずれにある京華小吃(Jing Hua Restaurant, 23 Neil Road)は小籠包が有名なお店ですが、茹餃子や焼餃子も美味しいです。繁盛しているようで、店舗面積が2倍に拡張されていました。

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京華小吃(チンホア)の茹餃子


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京華小吃の焼餃子は筒状になっている


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京華小吃の酸辣湯スープ


 咖椰吐司(Kaya Toast)もシンガポール発祥の食べ物でしょう。以前紹介したように、1944年にLoi Ah Koon(ロイ・ヤークン)と言う人が、屋台村の一角に小さなコーヒーショップを開いたことからカヤトーストの歴史が始まります。元祖Ya Kunのカヤトーストは炭火で焼いた薄切りのパンで上品に仕上げてあります。このカヤトーストも高島屋ショッピングセンターの地下で食べられるようになっていました。

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Ya Kunのカヤトーストも高島屋の地下で食べられるようになっていた


 フードコートやホーカーセンターには必ずドリンクスタンドがあります。そこで良く見かけるのはSugarcane Juiceです。サトウキビを絞っただけの自然な甘みのジュースで、「Sugarcane Juice with lemon」と言って注文するとレモンスライスを入れてくれます。その他にも色々とトロピカルフルーツがあって、2~3種類のフルーツを指定して好みのブレンドを作ってくれるお店も多いです。

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ホーカーセンターにあるドリンクスタンド。好みのブレンドをオーダーするのも楽しい。

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Sugarcane Juice with lemon


 シンガポールはまさにB級グルメ天国。安くて美味しいものがたくさんあります。まだまだ紹介したい物がたくさんありますが、今日はこの辺で。

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リトルインディアのホーカーで食べたマトンとライスとカレーと玉子の料理。名前は失念した。

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Singapore Botanic Garden [Singapore]

 シンガポールで今も昔も変わらない場所と言ったらSingapore Botanic Garden(シンガポール植物園)でしょう。街の中心部からほど近い場所に東京ドーム13個分とも言われる広大な敷地を確保し続けているこの施設は1859年に開園した歴史ある植物園です。園内にあるラン園(ナショナル・オーキッド・ガーデン)以外は入場無料で、朝早くから太極拳、ジョギング、犬の散歩などを楽しむ人々で賑わっています。以前と変わった点を一つ挙げるとすると、2015年にシンガポールで初めて世界遺産リストに登録されたことでしょう。その影響か、かつては見逃してしまうほど質素だったいくつかの出入り口にタクシー乗り場が整備され、観光客にも訪問しやすくなっていました。

 1800年代に園長を務めたヘンリー・ニコラス・リドリーはこの植物園でゴムの木の栽培法や樹液の採取方法を研究し、当時コーヒー栽培が主流だったマレー半島のプランテーション経営者にゴムの木の栽培を勧めました。この試みは折りしも自動車産業の興隆に後押しされ、後の東南アジアにおけるゴム産業の発展につながりました。1900年代に入ると当時の園長エリック・ホルタムによりランの品種改良事業が推進され、多くの品種が開発されました。この取り組みの結果、今でもランの輸出はシンガポールの大きな産業となっています。園内のナショナル・オーキッド・ガーデンはエアコンが効いた「冷室」になっており、入場料S$5.00を払うと様々な品種のランを見ることができます。

 シンガポール植物園の楽しみ方の一つは日本では見ることができない珍しい熱帯植物の鑑賞でしょう。色鮮やかなものや、プリミティブでグロテスクなもの、巨大なものなど、見るもの見るものがとても新鮮です。当地に住んでいた頃は毎週のように愛犬と散歩をして見慣れていた植物も、久しぶりに訪れると再び新鮮な驚きを与えてくれます。人工的なGardens by the Bayも良いですが、植物園と言えばやはり今も昔もSingapore Botanic Gardenでしょう。

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ボタニックガーデンは街中に残されたジャングルそのもの


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パーム・バレー越しにシンフォニー湖を望む


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高さ40メートルを超える巨木があちこちに


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早朝から太極拳をする人などで賑わう


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オウムバナとも呼ばれるヘリコニアは当地を代表する植物


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色々なヘリコニアが見られる


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オウムの横顔に見えるところからオウムバナと呼ばれる


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キャノンボールツリーは日本では見られない珍しい植物だ


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とてもプリミティブな植物に見える


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砲弾のような大きな実をつけることからキャノンボールツリーと名付けられた


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このようなショウガ目の植物が多く植えられているジンジャーガーデン


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シンフォニー湖では色々なスイレンが見られる


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こんな生き物も自由に闊歩している


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シンガポールでは民家の近くでも普通に見られるオオトカゲ。2メートルを超えるものもいる。

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Gardens by the Bay [Singapore]

 シンガポールにおいて、ここ数年で一番変わったのはマリーナ地区でしょう。マーライオン像から見てマリーナ・ベイを挟んだ対岸に位置するマリーナ・サウス地区は、かつて何もない広大な埋め立て地でした。しかし今やシンガポールを象徴する建物となったMarina Bay Sandsや、今回紹介する植物園Gardens by the Bayが建設されて風景が一変しました。
 Gardens by the Bayはいくつもの庭園や、2つの巨大なガラスドーム、高さ25~50メートルの12本の人工樹木「スーパーツリー」などからなる2012年にオープンした植物園です。地下鉄(MRT:Mass Rapid Transit System)のCircle LineまたはDowntown LineのBayfront駅から地上に出るとそこがGardens by the Bayのゲートになっています。一番の見どころは何といっても2つのガラスドーム「フラワー・ドーム」と「クラウド・フォレスト」でしょう。

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クラウド・フォレストのガラスドーム


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巨大な人工樹木「スーパーツリー」


 フラワー・ドームは涼しく乾燥した砂漠地帯の春を再現した温室(と言うよりも冷室)で、ガラスドームの中をエアコンで強烈に冷やして乾燥させ、地中海、南アフリカ、カリフォルニアなど乾燥地帯の植物を集めて栽培しています。オリーブ、サボテン、グレープフルーツなど、それぞれの地方の特徴的な植物が植えられていました。

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フラワー・ドームの内部


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 クラウド・フォレストは標高1000~2000メートルの熱帯の高山を再現した「冷室」で、こちらも気温は低く下げられていますが、雲や霧を模したミストが漂っていて湿度は高く保たれています。中央に高さ35メートルの人工の山が作られ、頂上からは滝が流れ落ちています。エレベータで山の頂上に上がるとそこは標高2000メートルという設定で、そこから空中散策路「クラウド・ウォーク」を通って標高1000メートルの設定である1階まで下りて来るようになっています。クラウド・ウォークは空中に突き出た螺旋状のボードウォークで、中央部は鉄板が敷いてありますが、両脇は金網敷きなので、高い所が苦手な方は少々怖いかも知れません。

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クラウド・フォレスト内にある高さ35メートルの人工の山と滝


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クラウド・ウォークから下を見る


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 どちらのドームも寒いくらいにエアコンが効いており、フラワー・ドームは乾燥、クラウド・フォレストはミストで濡れるので、風邪をひかないように注意しなければなりません。長袖の羽織るものを持って行くことは必須でしょう。それにしてもガラス張りで、本来エアコンなしでは大変な温度に上がってしまうであろう巨大な空間を、寒いくらいに冷やすためにどれだけの電力を使っているのだろうかと老婆心ながら心配になってしまいました。ドームの外にも広大な庭園が広がっていますが、そちらは逆に日中は暑くて見て回ろうという気にはなれませんでした。夜はライトアップされるようですので、屋外は日が沈んでから見た方が良いかも知れません。

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久々のシンガポール [Singapore]

 かつて6年間ほど住んでいたシンガポールへ久しぶりに訪れました。この国の面白さは文化の多様性と、変化し続けるバイタリティにあると思います。古い物を大切にしながら新しい物を取り入れて行く貪欲さを兼ね備えていて、今回の訪問でも変わらない部分と変わった部分の両方を見ることができました。

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この国は新旧の融合が面白い


 シンガポールには中華系、マレー系、インド系の人々が住んでいて、それぞれが固有の文化を大切にしながら生活しています。また、中国から渡って来た華僑の人々と、元々マレー半島に住んでいた人々の文化が融合して出来上がったPeranakan(ペラナカンまたはプラナカン)文化はこの地域を特徴付ける独特の文化となっています。ペラナカン様式の建物は、道路に面した部分は回廊になっていて、1階は店舗として利用されることが多く、2階以上の部分は住居として使用されることから、「ショップハウス」と呼ばれることもあります。


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ペラナカン様式の建物

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カラフルな窓枠が特徴

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この国1番の繁華街に出店するアイスクリームの屋台


この後、数回に分けてシンガポールの変わらぬ部分や新しい部分などを紹介して行こうと思います。

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カオス [Singapore]

シンガポールというバイタリティのある小さな島国を形容する言葉を探すとすれば、カオス(Chaos)という単語が適当ではないでしょうか。新旧、美醜、異文化などが渾然一体となり、独特のエネルギーを放出しているように見えるからです。東京都と比べても人口は半分以下、面積は3分の1にも満たない小さな国にもかかわらず、建国以来経済は発展を続け、2008年には一人当たりのGDP(国内総生産)が日本を抜きアジアでトップに躍り出ました。カオスとは、元々ギリシア神話で宇宙ができるときに真っ先に生じた巨大な空隙のことを指し、単なる混沌や無秩序とは違う「すべての物を生成するエネルギーを秘めた無」というような意味だそうなので、ますます最適な言葉だと思えてきます。現在の元気のない日本に欠けている物は、このカオスではないかと思わずにはいられません。何でもあまりにきちんとシステマティックで均質な社会からは新しい何かは生まれて来ないような気がします。多様性を認め、時にはいい加減で、失敗を恐れず、根拠のない自信を持つ。シンガポールの人々が持っているそんなマインドを今こそ見習っても良いのではないかと思うのです。

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さる1号さんが「魔界の入り口」と呼んだ風景。偶然にも2009年に同じ風景を撮影していた。
人を惹き付ける魔力がある証拠なのか?

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表と裏、新と旧、美と醜が渾然一体となって独特のエネルギーを放つ


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Sungei Buloh [Singapore]

シンガポールの北西部にSungei Buloh Wetland Reserve(スンガイ・ブロウ湿地保護区)という自然公園があります。マングローブが広がる広大な湿地が丸ごと公園として保護、公開されています。実に様々な種類の動植物が生息していて見る者を飽きさせません。訪れるたびに新しい発見がある場所です。要所要所に野鳥の観察サイトが設けられ、サギやカワセミの類や熱帯特有の珍しい鳥が見られます。水面で魚が跳ねたり、浅瀬ではハゼが顔を出したり、茂みからは2メートルもありそうな巨大なトカゲが這って来たり、色々なサプライズがあります。Sungeiはマレー語の川、Bulohは同じくマレー語の竹に由来しています。おそらくマングローブのことを言い表したのでしょう。ここは湿度が非常に高く陽を遮る物もないので、行かれる方は比較的涼しい早朝に訪れることをお薦めします。充分な給水もお忘れなく。

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2メートルもあろうかという巨大なトカゲが闊歩する

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対岸に見えるのはマレーシア第2の都市、ジョホール・バル

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COLBAR [Singapore]

  COLBARはシンガポールのWhitchurch Roadにある、とてもカジュアルなカフェ・レストランです。小さな小屋とオープンスペースから成る質素な佇まいは、古き熱帯の様式を良く残しています。天井でシーリング・ファンが回っていますが、店内にエアコンはありません。しかし南国の暖かい風はとても心地良く感じられます。週末には地元の人のみならず、欧米の人たちもどこからともなく集まって来ます。私の好きなメニューはChicken Curryです。ココナツ風味が効いたシンガポールスタイルは、南国の風に良くマッチします。
  このCOLBARには素敵なエピソードがあります。英国の植民地統治時代、この辺りに広大な英国軍基地がありました。COLBARはその食堂として1953年にLimさんという方が今の場所から数百メートル離れたJalan Hang Jebatという通りに開業しました。店名は彼の友達の英国人が付けた名前で、Colonial Barに由来しているそうです。かつてはレバー料理や羊料理がここの名物で、英国の軍人や兵士たちの間でとても人気があったと言うことです。ところが開業から50年経った2003年に、この近くを通る高速道路Ayer Rajah Expresway(AYE)に新しくPortsdownインターチェンジが建設されることになりました。その影響で、建設用地内にあるCOLBARは取り壊されることになったのです。しかし歴史的価値があるこの店を残そうと人々が立ち上がり、デベロッパや政府を巻き込んで存続の方策を模索することになりました。その結果、今の場所に移転させる案に落ち着きました。築50年の古い建物は丁寧に解体され、壁材やスイングドアや瓦の一枚に至るまで再利用され、移築が行われました。こうして2004年に今の場所で昔のままの姿で営業を再開することができたのです。
  現在シンガポールでは、あちこちで再開発が進められており、貴重なペラナカン建築やコロニアル様式の建物が年々少なくなってきています。しかし一度失われた古いものは二度と取り戻せません。COLBARの例のように、一つでも多くの歴史的財産が残されるよう願わずにはいられません。

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咖椰吐司(Kaya Toast) [Singapore]

  シンガポールのローカルフードに咖椰吐司(Kaya Toast)というものがあります。朝食やおやつに適したカフェメニューといった感じで、トーストにカヤジャムとバターをはさんだサンドイッチのようなものです。カヤジャムとは、ココナツミルク、卵、砂糖から作られたペーストにパンダンというハーブで香り付けしたジャムです。パンダンは東南アジアで広く用いられているハーブで、ココナツにも似た甘い香りがします。お菓子の香り付けの他、お米を炊くときに一緒に入れたり、お茶として使われることもあります。和名はニオイタコノキと言うそうです。
  カヤトーストが一般に広まったのは1944年にLoi Ah Koon(ロイ・ヤークン)と言う海南島出身の人物が、屋台村の一角に小さなコーヒーショップを開いたことに始まります。彼の妻が作るカヤジャムと彼がローストしたコーヒーは、じわじわと支持者を獲得し、やがてシンガポールで人気のメニューとなりました。ビジネスは大きな成功を収めます。シンガポール全土に「Ya Kun Kaya Toast」の支店網が広がり、さらに今ではインドネシア、韓国、台湾、そして東京の豊洲ららぽーとにも支店ができています。
  下の写真は残念ながらYa Kun Kaya Toastのものではありませんが、Ya Kunのカヤトーストは耳を落とした薄切りの食パンを炭火でカリカリに焼いてあり、とても上品な外観と食感に仕上がっています。それも人気の秘訣なのかも知れません。一般的にカヤトーストは、練乳入りのコーヒー(コピ)と、温泉たまご(中華醤油と胡椒をかけて食べる)がセットになっています。軽めの朝食にはちょうど良いボリュームです。

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海南鶏飯(Hainanese Chicken Rice) [Singapore]

 シンガポールには中国南部の福建省や海南島あたりから移り住んだ人々の子孫が多く、福建麺(Hokkien Mee)や海南鶏飯(Hainanese Chicken Rice)と言った地名の付いた代表的ローカルフードがいくつか存在します。今回は海南鶏飯をご紹介しましょう。
 海南鶏飯(チキンライス)は茹でた鶏肉と、鶏がらスープで炊いたご飯がセットになったメニューです。鶏肉は茹でたままの物と、皮をローストした物の2種類があり、注文時に選択します。お好みにより、中国醤油やチリソースに生姜やにんにくを入れたタレを付けて食べます。大抵、きゅうりや香菜(シャンツァイ:パクチーまたはコリアンダーとも言う)が付け合せに、汁物として鶏がらスープが付いてきます。文東記(Boon Tong Kee, 425 River Valley Road)や五星海南鶏飯(Five Star Hainanese Chicken Rice, 419 River Valley Road)などが有名で支店も多いですが、私は威南記鶏飯餐室(Wee Nam Kee Chicken Rice Restaurant, 275 Thomson Road)というお店の鶏肉が肉厚で好みです。

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上の写真は五星海南鶏飯の加東(Katong)店のチキンライス

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ローカルフードはこのような雰囲気のショップハウス、ホーカーセンター、フードコートなどと呼ばれるお店でお気軽、お手軽にゆる~く食べます


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肉骨茶(Bak Kut Teh) [Singapore]

 外食産業が盛んなシンガポールのローカルフードは安くておいしいことで有名です。代表的なものに肉骨茶(Bak Kut Teh)、海南鶏飯(Hainanese Chicken Rice)、咖椰吐司(Kaya Toast)などがあります。今回は肉骨茶をご紹介しましょう。
 肉骨茶(バクテー)は豚のスペアリブを胡椒やにんにくの他、桂皮、丁子、八角などの薬膳スパイスで煮込んだスープ料理です。20世紀初頭に福建省あたりから来た港湾労働をする人々(苦力:クーリーと呼ばれた)の安くて栄養価の高い食事としてマレーシアやシンガポールに広まりました。私の知る限りでは、大きく分けてシンガポール・スタイルとマレーシア・スタイルの2通りの肉骨茶があります。シンガポール・スタイルは胡椒が強い辛目の味付けで、マレーシア・スタイルは薬膳スパイスが強く、多少甘目の味付けになっています。使用するスパイスはお店によって微妙に違い、それが各店の特徴となってそれぞれのファンを引き付けます。私がお気に入りのお店はシンガポール・スタイルの黄亜細肉骨茶餐室(Ng Ah Sio Pork Ribs Soup Eating House, 208 Rangoon Road)と発起人肉骨茶餐室(Founder Bak Kut Teh Restaurant, 347 Balestier Road)です。
 料理ではありませんが、果物の王様と言われるドリアンもシンガポールの人々の大好物です。色々なグレードがあって、D-××とコードネームで呼ばれます。シーズンになると出店の前では皆さん真剣に品定めして買っています。ちなみに私はD-24が好みです。

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春節(Chinese New Year)その2 [Singapore]

中華系の旧正月で良く使われる日本の「謹賀新年」に相当する言葉は「恭喜發財」(Gong Xi Fa Cai:お金に恵まれますように)や「吉祥如意」(Ji Xiang Ru Yi:願いが叶いますように)でしょうか。その他で良く見かけるものに、壁などに貼られた逆さまの「福」の字があります。最初見たときには、天地を間違えて貼ったのかと思いました。ところがそれは「福がひっくり返った」という意味の「福倒了」(Fu dao Le)と「福が来た」という意味の「福到了」の発音が同じことから、「福は内」のような意味合いになるのだそうです。

春節が近づくとチャイナタウンは大規模なイルミネーションで彩られ、無数の出店が出て賑わいます。福の字も正しく逆さまに飾られていました。しかし春節に入った途端にチャイナタウンの出店は忽然と消え、商店は全部閉まり、街に静けさが戻ってきます。そのギャップには物寂しさを感じるほどです。

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春節(Chinese New Year)その1 [Singapore]

2月3日から春節または旧正月と呼ばれる中国のお正月が始まりました。シンガポールでも人口の4分の3以上が中華系の人々なので、正月と言ったら春節を指し、期間中は国中が正月ムード一色になります。春節間近になるとチャイナタウンには日本のアメ横のように正月に必要な物を売る出店が出て、大勢の人で賑わいます。春節に入ると親戚や友人の家を訪問し合い、食事をしたり麻雀をして過ごします。訪問時のお土産には必ずミカンを2つ持って行くのが習わしになっています。これは、ミカンを意味する柑と橘がそれぞれ「金」と「吉」の発音に似ているため縁起が良いとされるからだそうです。帰りにはお返しにまたミカンを2つもらうので、シンガポールでは春節にミカンがグルグル循環することになります。まるでミカンがお金のように見えてきます。また、日本と同じくお年玉も存在します。日本と違うのは、子供だけではなく独身の人は皆お年玉をもらえるという点です。お年玉は日本のお年玉袋よりも少し大判な「紅包」(Hong Bao)という赤い袋に入れて渡します。

シンガポールの春節に欠かせない食べ物は魚生(Yu Sheng)と呼ばれる生の魚と野菜を使った海鮮サラダです。サーモンなどの刺身と、千切りにした人参、大根、きゅうり、生姜、レタスなどの野菜と、ピーナツや胡麻やクラッカー、甘酸っぱいプラムソース、胡麻油などを大皿の上で混ぜ合わせて食べます。面白いのは、皆で立ち上がって「起(Lo Hei)」(すくい上げるの意)と言いながらサラダを箸ですくい上げることです。このとき、大声で願い事を叫ぶと叶うとか、高くすくい上げるほど福が来るとか言われています。みんな必死ですくい上げるので、食べ始める前からテーブルの上はこぼれた野菜で悲惨な状況になったりします。この魚生は1960年代にシンガポールで生まれた正月料理だと言うことです。春節の時期には、どこの中華レストランでも大抵この魚生をオーダーすることができます。今日も街のあちこちから「Lo Hei」と叫ぶ声が聞こえていることでしょう。

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Thaipusam(タイプーサム) [Singapore]

  ヒンドゥー教の祭典の一つThaipusam(タイプーサム)は、毎年1月の下旬に行われます。Thai(タイ)は幸運とされるヒンドゥー暦の10月を意味し、Pusam(プーサム)はカニ座で最も明るく輝く星を指します。プーサムが天頂に達するタイ月の満月の日に行われるため、祭りの日は年ごとに多少前後します。2011年は1月20日に行われました。
  この祭りは創造と破壊の神「シヴァ神」の次男「ムルガ神」、つまり「ガネーシャ神」(こちらを参照)の弟を崇めるもので、少々過激な内容から「奇祭」と言われることもあります。カバディと呼ばれる飾りみこしを持った行者は、頬や額、腕や腹など、体中に鉄串を突き刺してトランス状態で街を練り歩くのです。
  ヒンドゥー教徒が多く住むシンガポールではリトル・インディアのSerangoon Road沿いにあるSri Srinivasa Perumal Temple(スリ・スリニバサ・ぺルマル寺院)から、River Valley Road近くのSri Thendayuthapani Temple(スリ・テンダユタパニ寺院)までの3~4kmを行進します。下の写真は2009年に撮影したものですが、レンズを通してヒンドゥー教徒の方々の深い信仰心をひしひしと感じました。

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Deepavali(光の祭典) [Singapore]

  ディーパバリ(Deepavali)はヒンドゥ暦6月(10月下旬から11月上旬)に催されるヒンドゥ教で最も重要な祭典の一つです。Deepavaliとは光の列を意味し、ヒンドゥ教徒が多く住むシンガポールのリトル・インディア地区ではこの時期に街中を華やかな電飾で飾ります。
  この祭典には闇に勝利した光という意味が込められています。暴君ナラカスラとの戦いに勝利した主教クリシュナが凱旋した新月の夜に、街中の市民がランプを灯して祝福した、という伝説に基づいているからです。
  数え切れないくらいの電飾が夜の街を照らし、リトル・インディア全体が夜中でも昼間のように明るくなります。人々もお祭り気分で街に繰り出し、バイクにまで花飾りをつけて祝う人もいます。日本人にとってのお正月のように、Deepavaliはヒンドゥ教徒の人々にとって新しく何かが始まる一年の区切りとなる日のようです。

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マレー鉄道 [Singapore]

マレー鉄道はマレーシア政府系鉄道会社の鉄道網を指し、北はタイとの国境から、南はシンガポールまで、南北に長いマレーシア国内を縦断しています。植民地時代の1885年に、マレー半島で産出されるスズを港に運ぶ目的で操業を開始したということです。南行きの列車はジョホール海峡を渡って、1965年までは同じ国であったシンガポール国内に入り、終点シンガプーラ(タンジョンパガー)駅に至ります。シンガポール国内の線路や駅もマレーシアの鉄道会社が所有しているので、軌道敷はシンガポールにあってシンガポールにあらず、という不思議な空間になっています。その証拠に、シンガプーラ駅で列車に乗る時にはシンガポールの出国手続きを済まさなければなりません。駅舎もシンガポールの建物らしからぬ朽ち方をしています。ちなみに、豪華な食事やサービスで有名なイースタン・オリエント・エクスプレスもこの路線を借用してシンガポール/タイ間を結んでいます。しかし普段の列車はエアコンも効かない固い座席の、お世辞にも快適とは言えない車両だそうです。

粋なことに、マレー鉄道を走る機関車1台1台には愛称が付いています。シンガポール国内で撮った下の写真の機関車について調べてみると、Hang Nadimという人名が付いていました。これはマレーの伝説でシンガポールをメカジキの大群の襲撃から守った少年の名前だそうです。

熱帯雨林の中へと続く鉄路の向こうには何が待っているのかと想いを馳せるとワクワクしてきます。機会があれば是非乗ってみたい鉄道です。

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休日のリトル・インディア [Singapore]

休日のリトル・インディアは何となくゆるい感じです。

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あちこちでテーブル広げて昼間から酒盛り

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路地裏に座り込んで、ひっそり飲んでる人も

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日が傾いて涼しくなると、どこからともなく人が集まってきます。しかも男だけ。


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夜のリトル・インディア [Singapore]

今日は夜のリトル・インディアを散策してみましょう。

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タイムスリップしたような雑貨屋さん

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お花屋さんも遅くまで開いています

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白人の観光客が花飾りをじっくりと品定め

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八百屋さんも遅くまでお疲れさまです

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意味不明な物もたくさん売っています


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リトル・インディア [Singapore]

シンガポールには様々な民族をルーツに持つ人々が暮らしているため、独特の文化を色濃く残す街が多数存在します。アラブ・ストリートチャイナタウンは以前ご紹介しましたが、最も濃い街と言ったらリトル・インディアに間違いないでしょう。この街に来ると、他文化に迎合しないインド系の人々の誇りを感じます。それではリトル・インディアを散策してみましょう。

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一歩足を踏み入れるとそこはもうインド。聞こえてくる音楽も街の匂いもインド。

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ほとんどの女性はサリーを着ています。

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野菜は美しく並べて売られています。物に対するリスペクトを感じます。

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ガネーシャをいたるところで目にします。ガネーシャはヒンドゥー教の神の一つで、人の体と象の頭を持っています。創造と破壊の神シヴァ神の子供とされ、富と学問を司ると言われています。そして片方の象牙は折れているのが特徴です。牙が折れた理由は、父シヴァ神が投げた斧を片方の牙で受けたからとか。かなり暴力的な父であったようです。

 


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ペラナカン文化 [Singapore]

シンガポールやマレーシアにはペラナカン(Peranakan)文化という特徴的カルチャーが存在します。anakとはマレー語で「~の子供」という意味だそうで、そこから「混血の人々」を意味するPeranakanという言葉が生まれたということです。マレー半島には中国やインドからの移民が多く住んでいました。また、ヨーロッパの国々による統治が長く続きました。そのような歴史的背景から、古くからのマレー文化に、中国、インド、オランダ、ポルトガル、イギリスなどの海外文化が融合して生まれたのがペラナカン文化と言われています。ペラナカン様式は南アジアの建築、料理、服飾、インテリア、葬祭などの多岐に渡る文化に影響を与えました。現在のシンガポールでは特に中華系ペラナカン(主に中国からやってきた商人とマレー女性との混血をルーツに持つ人々)の文化が色濃く残っています。ペラナカンの女性たちは料理が得意だったそうで、今でもニョニャ料理と呼ばれるペラナカン料理がマレー半島で継承されています。ちなみにNyonyaとは「ペラナカンの女性」という意味です。

シンガポールのKatong地区のはずれにあるKoon Seng Road沿いにはペラナカン様式の住居が数多く残っています。パステルカラーと細かい彫刻に彩られた可愛らしい建物が南国の強い日差しを和らげてくれるようです。住民の方々も古い建物と街並みを大切に守りながら暮らしているのでしょう。どのお宅もきれいに手入れされています。昨今では強い経済成長が後押しして、住宅の高層化や再開発が急速に進んでいます。しかし素晴らしい文化や街並みは末永く後世に残して欲しいと思わずにはいられません。

使用したレンズは35GとSTFの2本です。

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シンガポールの建物 [Singapore]

シンガポールに好きな建物が2つあります。1つはUOB Plaza、もう1つはFurama Hotelです。

UOB Plaza(1995年完成)はUnited Overseas Bankという大手銀行が所有するビルディングで、シンガポールで最も高い3つの建物のうちの1つです(280m)。このビルは高さを生かしたスリムなデザインになっており、上部は角柱を45度ずつずらしたような特徴的な形状をしています。同じ形状の低層棟とツインタワーを形成しています。設計者は今は亡き巨匠、丹下健三氏です。晩年の丹下さんはこのテイストがお好みだったのか、同じく丹下さんの手による東京都庁舎(1990)の造形や質感に良く似ています。ちなみに同じ高さを持つ他の2つのビルとは、OUB Centre(1986)とRepublic Plaza(1995)です。隣接するOUB (Overseas Union Bank) Centreとは高さや名前が酷似しているだけでなく、銀行という点でも、設計者が丹下健三氏であるという点でも共通点があります。また、UOB Plazaと同じ年に完成したRepublic Plazaは、丹下さんの教え子でもあり、後のライバルでもある黒川紀章氏が設計したものです。シンガポールの超高層建築と日本の建築家、特に丹下健三氏との間に深い関係があったとは面白いですね。シンガポールには丹下さんの足跡が多く残っていて、他にNTU(南洋理工大学)の校舎、コンドミニアム、個人の邸宅などがあります。

もう1つの好きな建物はチャイナタウンにあるFurama Hotelです。高さの違う薄いユニットを貼り合わせたような独創的造形が魅力です。各ユニットのトップの曲線、それを高さ違いに並べて作り出す山型のシルエット、そしてユニットの巧みな配置により側壁にも奥行き方向の傾斜を出現させているところがオリジナリティに富んでいます。何とも有機的で優しい印象を与える建物です。設計者を調べてみましたが、残念ながら情報を得られませんでした。ご存知の方は是非教えていただけると嬉しいです。

building6.JPGUOB Plaza(ツインタワー)とOUB Centre(左)

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building3.JPGFurama Hotel

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チャイナタウン [Singapore]

シンガポールのチャイナタウンは、リトルインディア、アラブストリートなどと並んで独特の文化や風習を色濃く残す興味深い街です。国民の8割近い人々が華人なので、もちろんシンガポール全体で中華色は強いのですが、それでもやはりこの街の濃さが一番でしょう。シンガポールのチャイナタウンの魅力は一言で言うと「混沌」ではないでしょうか。新しいものと古いもの、中華文化と異国文化。色々なもののミクスチャが「何でもアリ」のこの街の魅力を形成していると思います。

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マーライオン [Singapore]

マーライオンはシンガポールの守り神として祭られた想像上の生物です。上半身はライオン、下半身は魚の姿をしています。マレーシアの王族が初めてシンガポールに上陸した際にライオンが現れて、国を統治するように告げた、というのが事の発端のようです。しかしアジアにライオンがいたとは考え難いですから、おそらくそのとき現れたとすれば虎だったのでしょう。

このシンガポールを象徴するマーライオン像はSingapore Riverの河口に建っています。高さは8メートル程で、身長約2メートルの子マーライオンとは30メートル程離れて背中合わせで水を吐いています。もっと大きいものを想像して来る人が多いからか、「世界三大がっかり」の一つに数えられているそうです。ちなみに他の「がっかり」はコペンハーゲンの人魚姫とブリュッセルの小便小僧らしいですが、勝手にそんなレッテルを貼られるのは迷惑なことですね。

マーライオンは東を向いて建っているため、日の出の時間帯がシャッターチャンスです。対岸のホテル群や背後の金融街をバックにした夜景もきれいです。一番下の写真は2009年2月28日の夜に撮影したものですが、この日の午後に落雷で右耳を失っているので、その他の写真とは若干シルエットが異なっています。もちろんその後すぐに復旧されていますから、今となってはこの「耳なしマーライオン」は貴重な写真です。

Singapore Riverの河口にEsplanade Bridgeが架かったため、マーライオンは2002年に少しだけ沖合いに移設されました。それまではやや寂しい場所にあったのですが、移設後は周辺が公園として再整備され、素敵なレストランが立ち並ぶファッショナブルな場所になりました。マーライオンに隣接するOne Fullerton内にある中華レストランは雰囲気も味もとてもNice!です。南国の潮風が心地良い海沿いの屋外席がお薦めです。おいしい料理を楽しみながらシンガポールの象徴を眺めれば、それは決して「がっかり」ではないと思います。

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朝日と夕日(2) [Singapore]

更に朝日と夕日が続きます。クイズ第2弾。一枚だけ日本で撮影された写真があります。さてどれでしょう?

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朝日と夕日(1) [Singapore]

朝日と夕日は空の表情を劇的に変えてくれる自然界の贈り物。ついついレンズを向けたくなります。今までに撮影した朝日と夕日の写真の一部をご紹介します。ここでクイズです。どれが朝日でどれが夕日かわかりますか?わかった方は下のコメント欄にご記入ください。

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アラブ・ストリート [Singapore]

シンガポールにアラブ・ストリートと呼ばれる地域があり、サルタン・モスクと言う名のイスラム寺院の周りにアラブ諸国から来た人々が多く住んでいます。シンガポールには他にも中華系の人々が集まるチャイナ・タウン、インド系の人々が多く住むリトル・インディアなど、特有の文化を色濃く残す街が点在しており、一つの国で何ヶ国も旅した気分になれます。それでは今日はアラブに旅してみましょうか。

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