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ケンとメリーのスカイライン [その他]

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 先月、銀座にある日産のショールーム「NISSAN CROSSING」に立ち寄った際に懐かしいクルマが展示されているのを見つけました。4代目スカイラインの通称ケンメリです。子供の頃に憧れていたクルマで、当時は部屋にポスターを貼って毎日眺めていたものです。ルーフからリアエンドまで緩やかに傾斜したファストバックスタイル、極太のCピラー、サーフィンラインと呼ばれるボディサイドのプレスライン、丸型4灯のテールランプ。改めて見ても格好良いデザインなので、しばらく色々な角度から鑑賞してしまいました。

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この角度から見るのが一番好き

 このC110型スカイラインは1972年に発売され、約5年間で67万台も販売された歴代スカイラインの中でも最も多く売れたモデルになります。「ケンとメリーのスカイライン」のキャッチフレーズが付けられ、若い美男美女がスカイラインに乗って日本各地を旅するイメージCMが大量に投入されていました。タイアップソングとしてCMにはフォークデュオ「BUZZ」の「愛と風のように」が使用されており、「愛と風のように~♪」の部分が「愛のスカイライン~♪」と歌われていました。当時ケンメリはちょっとしたブームとなっていて、「Ken & Mary」と書かれたTシャツが流行ったり、「Ken & Mary」の相合傘が描かれたステッカーを貼ったクルマが増殖したりしていました。CMに登場した北海道美瑛町にある1本の大きなポプラの木は今も「ケンとメリーの木」として観光名所になっています。3代目のC10型スカイラインGT-R(通称ハコスカ)が国内ツーリングカーレースで49連勝を飾ってスポーツカーのイメージを強烈に植え付けましたが、その直後に出たこのC110型は、のちに設計主査の桜井眞一郎氏が「ちょっと方向性をずらした」と証言しているように、ファッショナブルな方向にイメージチェンジを図って大成功を収めました。折りしも日本は高度成長期。モータリゼーションが急速に進み、ベビーブーム世代が結婚適齢期に差し掛かることとも重なり、スポーティでファッショナブルなデートカーが求められていたのでしょう。1973年に最高出力160 psの2000 cc直列6気筒24バルブDOHCエンジン(S20型)を搭載したケンメリGT-R(KPGC110)が発売されますが、排ガス規制によりわずか3ヶ月で生産中止となり、総生産台数197台の幻のクルマとなりました。このこともケンメリ神話に花を添えるエピソードになっています。

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昔のクルマは小さかった。全幅は1625 mmしかない。

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