さようなら BMW 325i Touring [BMW 325i Touring]
中学生の頃に、1台のクルマが走り去るのを見て一目惚れをしました。その流麗でゴージャスなクーペスタイルのクルマが当時発表されたばかりのBMW635CSiだと知り、それ以来いつかはBMWに乗りたいと思うようになりました。そんな出来事から何十年かの年月を経て夢を叶えてくれたのがこの325i Touringでした。スタイルこそクーペではなくステーションワゴンですが、期待を裏切らない素晴らしいクルマで、コーナーを曲がるたびに「なんて気持ちの良いクルマだろう」と思います。
特にこのクルマの気に入っている点はシルキーシックスと呼ばれる滑らかで官能的な直列6気筒自然吸気エンジンと、ダイレクトで気持ちの良いステアリングフィールです。2500㏄のエンジンはスロットルペダルの踏み込み量に応じてどこまでもリニアに回ってくれます。ステアリングは近年のクルマと比べると、本当にパワーステアリングが付いているのかと疑うくらい重い操作感ですが、かえってそれが安定感を感じられてとても好きなフィーリングでした。切ったら切っただけ自分の意図したように曲がれる爽快感は「駆けぬける歓び」を体現していました。また、路面からの感触をダイレクトに伝えてくれるところが秀逸で、最初に首都高を運転した時に、コーナリング中に高架の金属の継ぎ目でアウト側に1~2cmほど横滑りしたのを感じ取れた時には感動さえ覚えました。
一方で国産車と明らかに違う点は信頼性の低さでした。特に電装系が弱く、思い出せるだけでもイグニッションコイル、舵角センサ、エアバッグ制御用マイコン、ウォーターポンプ、可変バルブ機構VANOS用ソレノイドなどの故障や、度重なるブローバイガスヒータのリコールが挙げられます。また、樹脂材料やシール材の信頼性も低く、ヘッドガスケットやオイルフィルタハウジングからのオイル漏れが起きたり、パワステフルードが漏れたり、室内のプロテイン塗装がベタベタしてきたり、カップホルダーや灰皿やAUXジャックやドアストライカーカバーの樹脂部品が脆くなって破損したりと、それはそれは色々ありました。以前12年間乗った日産シルビア(S13)ではそのようなトラブルは一切経験しなかったので、日本車の信頼性の高さは際立っていると実感します。とは言え、手が掛かる子ほど可愛いと言うように、ネガティブな面をひっくるめてもなお「好き」が勝る良いクルマでした。最後に感謝を込めて内外装共に大掃除をしてピカピカな状態で送り出しました。BMW 325i Touringよ、素晴らしいカーライフをありがとう。
ドライブレコーダーの取り付け [BMW 325i Touring]
左から平型ヒューズ、ミニ平型ヒューズ、低背ヒューズ。うちのクルマにはミニ平型ヒューズが使われていた。
グローブボックスの一番奥にあるつまみを縦にするとパネルが外せてヒューズボックスにアクセスできる
パネルの裏にお手紙が。ここにヒューズの説明が書いてあった。
残念ながら15AのヒューズはACC電源ではなかった
大活躍の内装剥がしツール
分岐コードを自作してシガーライターの電源を分岐させる
配線は黄色の矢印のようにセンターコンソール内を通してグローブボックスまで引き出す
増設したシガーソケットと余ったコードはグローブボックス内に収納した
Aピラーの内装材の裏に電源ラインを配線する
ガイド用の針金を使ってゴム通しの要領でグローブボックスから電源コードを引き出す
フロント・室内カメラに電源ラインが配線できた
リアのガラス窓だけを開けた状態
リアゲート全体を開けた状態
リアフェンダー後ろの空間に余った配線を隠す
ドア・ストライカー・カバーの修理 [BMW 325i Touring]
荷室のドアをロックするストライカー(U字の切欠きから見える金具)とそれを隠すカバー。ドアが開いている時にフラップ状のカバーでストライカーを隠す仕組みになっている。
フラップを支持している枠の部分が割れてしまった
カバー全体を外して裏返したところ
粘着テープで仮止めする
グルーガン(3M Scotch-Weld Hot Melt)で割れた部分を接合することにした
ホットメルト接着剤を厚盛りして補強する
泣く泣く新たな割れ目も同じようにグルーガンで補修しました。車体にはめ込む時の衝撃で再び割れてしまわないように、今度は粘着テープで部品全体を養生し、腫れ物に触るように丁寧に取り付けました。元々の割れ目よりも新たに出来てしまった割れ目の方が目立ってしまいとても残念な気持ちですが、とりあえず補修は完了しました。
車体にはめ込む衝撃で割れてしまわないように粘着テープで養生して慎重に組み込んだ
修理完了。枠の左側の新たな亀裂が悲しい。
POTENZA S001 RFT [BMW 325i Touring]
タイヤを交換して走り出してみると、最初に気付いたのはロードノイズの低さです。タイヤと路面の間で生じる「ザー」という音が小さくなり、かなり静かになりました。恐る恐る路面が荒れたところを走ってみると、嫌な突き上げがなくなり、角が取れた乗り心地になっているのが感じられました。さらに高速道路で路面の継ぎ目を通過する際も、バタバタする感じがなくなり、「タン」と一瞬で収束してくれるようになりました。あまりの乗り心地の改善に嬉しくなり、わざわざ路面に凹凸があるところを選んで走りたくなるほどでした。静粛性と乗り心地が改善され、満足度の高いタイヤ交換でした。
内側は溝を3本入れてウエット性能重視、外側は大型ブロックでしっかり感を出したドライ性能重視の非対称パターン
サイドウォールに放射状に配置したフィンで冷却するらしい
交換はいつものショップで。丁寧な対応と作業には好感が持てる。
故障続き [BMW 325i Touring]
運ばれる我が愛車を見送るのは非常に切ない
ウオーターポンプとサーモスタット交換で予定外の大きな出費が(涙)
1週間前にイカリングを修理したばかりだと言うのに(泣)
ワイパーブレード交換 [BMW 325i Touring]
助手席側(写真上)、運転席側(写真下)の2本セット
ブレードのエッジがピンと立っていて良く拭き取れそう
こちらは古いブレード。エッジがカールして硬化していた。
運転席側のブレードを助手席側から見た図。白丸部分の爪を指で上方に押し広げながら黄丸部分の爪を支点にしてカバーを外す。
外したカバーの裏側。ワイパーアームには2か所の爪で固定されている。白丸の爪を外側に押し広げながら外す。
カバーの下は埃だらけ。この機会に掃除しておく。
ブレードを上向きに回転させてピンから引き抜く
ピンに錆が出ていたので錆取りして薄くグリスを塗ってから新しいブレードを取り付けた
ガレージドアの塗装 [BMW 325i Touring]
塗装前に梯子をかけて細部まで状態をチェック
色ムラやひび割れが生じている
木工用接着剤を注入して補修する
表面をステンレス製のフレキシブルなへらで均す
塗料はいつものキシラデコール
塗装が終わる頃には夕日が射していた
クルマの室内修繕 [BMW 325i Touring]
ドリンクホルダーは格納式になっており、ワンプッシュするとニュルっと出て来るようになっています。これが格納されたまま出て来なくなるのが定番の故障です。下の写真は修繕後の正常な状態ですが、円弧状に出て来るこの運転席側が決まって壊れることになっています。何はともあれドリンクホルダーユニットを外して中を見てみましょう。
修繕後の正常な状態。円弧状に出て来るこの運転席側のドリンクホルダーが決まって壊れることになっている。
2本のねじを外せばドリンクホルダーユニットを取り出すことができる
取り出したドリンクホルダーユニット
ドリンクホルダーのトレーをワンプッシュすると自動的にニュルっと出て来る仕組みは次のようになっています。まずトレーを格納するときに手で押す力でゼンマイを伸ばしておいてロックします。トレーをワンプッシュするとロックが解除され、ゼンマイが縮んで丸まろうとする力でトレーを引き出すようになっています。下の写真が動力源のゼンマイです。このリールがトレーの一番奥に取り付けられていて、ゼンマイの先端は上カバーの一番手前に固定されているのが正常な状態です。ところが分解してみると、ゼンマイの先端を固定していた部分(プラスチック製の上カバーの一部)が折れてゼンマイが外れていました。運転席側のトレーは円弧状に出て来るためゼンマイが伸ばされる距離が長く、助手席側のゼンマイよりも強い力がかかります。それにもかかわらず助手席側と同じゼンマイを使い、同じ固定方法を採っていることが運転席側のみが壊れる原因だと考えられます。つまり、固定部強度の設計ミスです。
トレーを自動的に引き出す動力源のゼンマイ。この先端の受け側が破損していた。
プロテイン塗料が剥げてボロボロになった後席用アッシュトレー
塗装の補修に使用したのはエタノールとメラミンスポンジ
再塗装したように滑らかな表面が復活した
BMW 325i Touringのリコール [BMW 325i Touring]
ブローバイガスというのはピストンリングとシリンダ壁の隙間から吹き抜けてしまう未燃焼ガスで、これがクランクケースに溜まると圧力が増加するとともに、オイルやガスケットを劣化させる原因となってしまいます。そこでクランクケースからブローバイガスを取り出す経路を作り、途中でオイルミストと未燃焼ガスを分離して、未燃焼ガスだけをインテークマニホールドに戻して再燃焼させています。ところが、圧力の低いインテークマニホールドに戻されたガスは急激に膨張して温度が低下します。すると条件によっては未燃焼ガスに含まれていた水分が凍結して氷の粒が発生し、エンジンにダメージを与えかねません。これを防ぐために設けられたのがブローバイガスヒーターなのです。
ブローバイガスヒーター
車両火災になっては困るので、早速近くのディーラーに連絡して修理をしてもらうことにしました。予約が1週間先まで一杯でしたが、予約日に車両を持ち込むと3時間半程度で修理が完了しました。減っていたエンジンオイルをサービスで1リットルほど入れてくれました。補充しなきゃと思っていたところだったのでちょっと得した気分でした。さて、次はどこが壊れるか不安のような、楽しみのような......。
バッテリー交換 [BMW 325i Touring]
購入したBOSCHのSLX-7C。色は違えどBMW純正品と細部まで同じデザインになっている。
サイドトリムを留めている2本のファスナーは90度回すと抜ける
サイドトリムを取り外すと更にプラスチックのカバーがある
プラスチック製の蝶ねじ状の物を手で90度回すと外せる
バッテリーを固定している留め金を外す
ウォッシャー液注入口の奥にある赤いキャップを外すとバッテリー充電用端子が出て来る。この端子とドナー車両のバッテリーのプラス極をつなぎ、続いてドナー車両のマイナス極とこのクルマの金属部をつないでバックアップ電源とする。
9年使った古いバッテリーの検査窓はまだ緑色(正常)を示していた
新品バッテリーのプラス極カバーの角を千切ってベントプラグとして使う
方向指示器のカバー磨き [BMW 325i Touring]
固着している場合はシリコーンオイルをスプレーすると外すのが容易になる
シリコーンオイルならばガスケットを傷める心配がない
ボディー後方にスライドさせながら前方を手前に浮かせるとサイドマーカーが外れる
ボディー後方側(写真右側)に板バネ、前方側(写真左側)にプラスチックの引っ掛かり(爪)がある
爪をボディー鋼板の裏側に引っ掛けて板バネで前方に押し付けて固定する仕組み
親指の所を押しながらコネクタのラッチを解除して配線から切り離す
外したコネクタをボディーの内側に落とさないように注意
配線から完全に切り離したサイドマーカー。紫外線によりカバーの黄ばみが進んでいる。
周囲のガスケットの一部が切れてしまった
ガスケットの補修開始。外側に粘着テープの壁を作り、切れた所の形を整える。
ダイソーのグルーガンで補修する
このグルーは冷えても弾力性があるのでガスケットの補修に最適
熱いうちにテープの上から押さえて形を整える
グルーの土手が完成
電動工具でバフ研磨を行う。あっという間にきれいになる。
研磨剤には金属磨きのピカールをふんだんに使用
上が研磨前。下が研磨後。透明感が戻って来た。
透明になって気持ち良い♫
ヘッドライトのレンズ磨き [BMW 325i Touring]
ヘッドライトの傷と黄ばみ(右側のライトを上から見たところ)
ヘッドライトの傷と黄ばみ(左側のライトを上から見たところ)
何はともあれボディーに傷を付けないようにヘッドライト周りをマスキングします。次に濡れ雑巾で表面のホコリや汚れを取り除き、青いスポンジブロックにクロスを巻いて研磨剤で研磨します。研磨剤は溶剤に砥粒を分散させた物のようで、ほのかに酢酸エチルのような匂いがしました。プラスチック表面のコーティング被膜を溶かしながら削るように出来ているのかも知れません。研磨剤で擦っていると、クロスが黄色く汚れてきました。黄変部が削り落とされたのでしょう。満遍なく擦ったら研磨剤を拭き取り研磨終了です。
ライト周りをマスキングする
下地が整ったら次にコーティング剤を塗ります。赤いスポンジブロックにクロスを巻いて、コーティング剤を染み込ませてヘッドライトの表面に塗ります。この時、コーティング剤が乾く前に手際よく1回でムラなく塗るのが綺麗に仕上げるコツです。塗った途端に乾いて来てしまうので、1度塗ったところに重ね塗りすると、筋状のムラが出来てしまいます。最初はこのコツがわからなかったのでムラを作ってしまい、もう一度研磨からやり直す羽目になりました。
ガレージドアを塗装 [BMW 325i Touring]
エンブレムが剥がれる [BMW 325i Touring]
洗車をしてワックスの拭き取りをしていたときのことです。リアのエンブレムに触れたらカタカタと動きます。どうやら接着剤が劣化して剥がれ落ちそうになっているようです。走行中に剥がれたら紛失してしまうので、今のうちに剥がしてしまいましょう。隙間に指をかけて引っ張ると簡単に剥がれました。案の定、接着剤が充分に機能していませんでした。
エンブレムはいわばメーカの顔でもある訳ですから、もう少し耐久性のある接着剤を使えば良いのに、と溜息が出てきます。いっそのこと、スマイルマークのシールでも貼ってやろうかと思いましたが、それも恥ずかしいので元通りに接着することにしました。百円ショップの2液性エポキシ接着剤をたっぷり付けて貼り戻しました。もしかしたら、こっちの方が長もちするかも知れません。
実はエンブレムの品質については以前から気になっていました。このリアのプレートも、ステアリングホイールの真ん中のプレートも、表面のクリア層の下で金属が腐食していて、銀色の部分にプツプツと小さな穴がいくつかあいていたのです。次々に壊れるドイツ製の電装部品の品質にも疑問を持っていましたが、エンブレムのようなローテク部品にも疑問符がついてしまいました。ドイツの車と日本の車では考え方や価値観が全く違うような気がします。ドイツの車は車としての基本性能、つまり運転して楽しいとか、しっかり止まるとか、事故が起きたときの安全性などを重視すると共に、少々の故障は直しながら長く使って行くという考えの基に作られているように思います。一方、日本の車は決して壊れることのないように品質管理を徹底して、全ての点で平均点以上を取ることを目指しているように思えます。どちらを選ぶかは乗り手の価値観次第。私はもう少しこの車と付き合って行こうと思います。手がかかる子ほど可愛いとも言いますから。
テールランプ電球交換 [BMW 325i Touring]
いつものようにエンジンを始動したら電球印のワーニングが出てしまいました。このクルマは始動時に灯火類に微弱なパルス電流を流して電球切れをチェックしています。
ライトを点灯させて車両の周りを一周すると、左のテールランプが点いていません。
リヤゲートを開けてテールランプAss'yにアクセスします。
内装パネルを開けて吸音材をめくり、テールランプAss'yの爪を押しながら引っ張り出すと電球が出てきました。
真ん中の電球が真っ黒です。テスターを当ててみましたが、導通がありませんのでやはり切れています。
電球はテールランプやウインカー用に最も一般的なタイプ(BS15s)の12V/21Wでした。
新品に交換して元に戻します。
点灯することをチェックして一件落着。ワーニングも出なくなりました。
窓枠モール磨き [BMW 325i Touring]
うちのクルマの窓周りには金属光沢のあるモールが付いているのですが、時間の経過とともにこれが白濁してきて、とても気になっていました。どうやらこのモールは一般的なクロームめっきではなくアルミの無垢材を使用していて、経年変化により白い鱗状の水酸化アルミニウムを析出してしまうようです。この白濁を落とすにはポリッシュする以外に有効な方法がないということで、世の中には窓枠ポリッシュビジネスも存在しています。窓枠全部をポリッシュしてもらうと3~5万円くらいかかるそうです。それならば、自分でやってみようと思い立ち、モール磨きに挑戦してみることにしました。
アルミの鏡面研磨方法を調べてみると、青棒と呼ばれる研磨剤を使ってバフ研磨すると良いことがわかりました。青棒は酸化クロムを主成分とする研磨剤をワックスで固めたものの総称で、酸化クロムが緑色をしていることからそのように呼ばれています。ちなみに、アルミナの研磨剤を使ったものは白いので白棒と呼ばれています。今回は仕上げ研磨用のK-1というグレードの青棒を使用しました。バフはフェルト製のものを使いました。どちらもホームセンターで入手できます。
研磨に入る前にボディーや窓ガラスをマスキングします。特にゴムの部品に研磨剤が付着すると緑に染まってしまって掃除が大変ですので、マスキングはできるだけ慎重に行います。マスキングが終了したら、フェルトのバフを電動ドリルに取り付けて回転させ、青棒を押し当てながらバフの外周に研磨剤を擦り込みます。あとはひたすらバフでモールを磨くのみです。ところが、この白濁はかなり強固で、なかなか取れません。アルミニウムは元来非常に反応性の高い金属で、それゆえに空気中では表面に透明な酸化皮膜を作ります。その強い酸化皮膜のおかげでアルミ材は耐食性の高さを発揮しています。アルミサッシが錆びにくいのはこの理由によります。析出した水酸化アルミニウム(白濁)を取り除くには、表面の酸化皮膜を一度全部落とす必要があるようです。案の定、根気強く研磨して行くと、突然光沢が出てくる瞬間があります。その状態になるまではただただ青棒をバフに擦り込んで磨く、の繰り返しになります。半日の作業で全体の10分の1くらいを磨き上げることができました。大変な作業ですが、ピカピカになって行くのを見るのは楽しみでもあります。何回かに分けて気長に続きを仕上げて行こうと思います。しかし、この労力を考えると、プロに磨いてもらえて3~5万円という価格は案外安いかも知れませんね。
これが窓枠モールの憎き白濁。まだらに白く曇っている状態
マスキングは丁寧に行う
特にゴムのシールに研磨剤が付かないようにマスキングテープでしっかり覆う
これが研磨剤の青棒。石鹸の4分の1くらいの体積で価格は数百円程度
フェルトのバフを電動ドリルに取り付け、外周に研磨剤を良く擦り込む
研磨前(左)と研磨後(右)。やはりピカピカなのは気持ちが良い
ところで、青棒の研磨剤成分である酸化クロムですが、ネット上では六価クロムと混同して危険だとか、毒物だとか言う記述が目立ちます。しかし酸化クロムには黒色のCrO[酸化クロム(II)]、緑色のCr2O3[酸化クロム(III)]、黒色のCrO2[酸化クロム(IV)]、赤色のCrO3[酸化クロム(VI)]があり、確かにクロムめっきで使われる赤色の酸化クロム(VI)は六価クロム化合物の一種なのできわめて毒性が強いですが、青棒に使われている緑色の酸化クロム(III)は非常に安定な物質で毒性はありません。ちなみに黒色の酸化クロム(IV)は高音質用のカセットテープに使われていた磁性体です。カセットデッキにクロム(CrO2)ポジションというのがあったのを覚えている方も多いと思います。
【追記】
電動ドリル(540 rpm)ではあまりに作業時間がかかりすぎるので、ディスクグラインダ(11,000 rpm)を投入してみました。回転数の比からの単純計算では20倍の効率アップになるはずです。バフはダイソーで売っているフェルトディスク(¥200)が使えます。工具を両手でホールドでき、作業時間も大幅短縮することができるので、研磨作業が非常に楽になりました。ただし、バフを間違った所に当てるとあっという間に削れてしまうので、マスキングは広めに慎重に行って下さい。ガラス窓にちょっとディスクが当たっただけで曇りガラスになってしまいます。
ワックスがけ [BMW 325i Touring]
洗車をしてワックスがけをすると、クルマがピカピカになり生き返ったように見えます。2~3時間かけて丁寧に磨き上げたクルマには頬擦りしたくなるほど愛着が湧いてくるものです。ワックスの種類によって艶の深みや撥水耐久性が違ってきますので、ワックス選びは重要です。ここ数年愛用しているカー・ワックスはウィルソンのプロックス・プレミアムという製品で、メーカーの宣伝文句によると「最高級の植物性天然カルナバロウ“プライムイエローカルナバ”を贅沢に使用」しているということです。確かに艶や耐久性はかなり優秀な部類だと思います。また、他のワックスのような石油系溶剤の臭いがなく、オレンジに似たフルーティな香りがするところも気に入っています。今までに色々な種類のワックスを使用して来ましたが、カルナバ・ワックスという天然の蝋は艶に深みがあって良好に仕上るような気がします。また、撥水耐久性に関しては、蝋成分の含有率が高いことがポイントではないかと思います。ワックスを選ぶ時にはこれらの2点を重視しています。
ボディーに深い艶を与えてくれるカルナバ・ワックス(カルナウバ蝋とも言う)ですが、この素材はブラジルロウヤシ(またはカルナウバ椰子)というシュロに似た植物から採取される天然素材だそうです。上質なワックスはブラジル北部に生息するブラジルロウヤシからしか採れないということです。しかもワックスを採るヤシの木は植林したものではなく、100%自生しているものだそうです。ブラジルロウヤシは乾燥から身を守るため、葉の表面に粉を吹いたように蝋を分泌します。これを集めて精製したものがカルナバ・ワックスとなるのです。木の上部の先端付近にある柔らかい若葉からの分泌物が上等なワックスとなるため、高値で取引されます。これは全体の20%ほどの量しか採れないということです。この時代においてもなお化学合成した材料よりも天然のカルナバ・ワックスの方が優れているというのですから、自然の恵みの偉大さを感じます。
エンジンフードに映る空
ルーフもピカピカ♪
POTENZA RE050 RFT [BMW 325i Touring]
20,000kmほど走ったところでスリップサインが見えてきましたので、車のタイヤを4本とも交換することにしました。今まで履いていたのはブリヂストンのPOTENZA RE050 RFT (225/50 R16 92W)というBMW承認タイヤでした。品名からもわかるように、このタイヤはランフラットタイヤで、たとえ高速道路でパンクしたとしても80km/hの速度で80kmくらいの距離は走れるという物でした。欧米やアジア各国ではパンク修理ができるガソリンスタンドやショップが近くにない場合も多いのと、スペアタイヤに交換している間に盗賊に襲われるケースもあるため、ランフラットタイヤは重宝されているようです。また、ほとんど使うことのないスペアタイヤをいつも積んで走ることによる燃料消費や、スペアタイヤを製造するのに必要な資源やエネルギを節約できるというメリットもあります。ところで、なぜパンクしても走れるのかと言うと、タイヤのサイドウォールが固く補強されていて、タイヤ内の空気圧が大気圧と同じになってもタイヤがつぶれずに形を保ってくれるからなのです。過去にこのタイヤで2回パンクしましたが、パンクしたことに気付かないくらい普通に走れて驚きました。しかしこのタイヤ、サイドウォールが固いためなのか、補強したことによって重量が増えたためなのか、バネ下で重いものがバタバタしているような感じがして乗り心地が良くないのです。次に装着するタイヤは乗り心地が良い物にしたいと思っていたので、早速候補を探してみます。しかし日本では通常のタイヤよりも2倍以上高価なランフラットタイヤは敬遠されているらしく、各社ラインアップは豊富ではありません。適合するサイズを考えるとあまり選択肢はなく、ブリヂストンのPOTENZA S001、ミシュランのPrimacy HP、コンチネンタルのConti Sport Contact、そして今までと同じブリヂストンのPOTENZA RE050の中から選ぶしかなさそうです。色々な角度から検討した結果、POTENZAのS001かRE050のどちらかにすることにしました。S001はサイドウォールを柔らかくすることにより、乗り心地を改善したモデルだそうです。しかし、サイドウォールを柔らかくすると空気圧が落ちたときに変形が大きくなり、そのまま走り続けると過剰な熱が発生してバーストに至ります。そこで、S001ではサイドウォールに小さなフィンをつけて乱流を発生させ、空冷することで過剰な熱が蓄積することを防いでいます。乗り心地の改善は望ましい方向なのですが、パンクしたときの変形が大きくなるのでは、せっかくのランフラットタイヤのメリットを殺してしまっているように思えます。また、タイヤ専門店の話では、S001の方が磨耗が早いらしいです。したがって、結局は消去法で今までと同じPOTENZA RE050を装着することにしました。悩んだ割にはつまらない結末ですが、次の交換時期までに技術が進歩して、ランフラットタイヤのメリットと乗り心地を両立させたモデルが発売されていることを願うことにします。
以前と同じ銘柄だが、足元がきれいだと引き締まって見える
交換作業中。亀の子状態で何だか哀れ。
洗車終了 [BMW 325i Touring]
先日、久しぶりに洗車をしました。エクステリアに3時間、インテリアに2時間で合計5時間もかかってしまいました。冬は水が冷たいので、ついつい洗うのを先延ばしにしてしまいます。しかし、ワックスがけした後のピカピカのボディは気持ち良いですね。頬擦りしたくなります。特にホイールとタイヤがきれいだと全体が引き締まります。
私の四つタイヤがある方の愛車は2006年製のBMW 325i Touring(コードネームE91)というモデルです。運転が楽しい後輪駆動のステーションワゴンという限定の下では選択の余地はほとんどなくこの車になりました。BMWだったら直列6気筒エンジンに乗りたいと思っていたので325iを選びました。シルキーシックスの名に偽りはなく、実にスムーズで良く回るエンジンです。このエンジンと、曲がることが楽しくなるステアリングフィールが特にお気に入りです。その他にも好きな点はたくさんありますが、総じて言うとストレスを感じない、気持ちの良い車という感じがします。「駆けぬける歓び」というコピーを見事に具現化していると思います。
数少ない難点を挙げれば、6速ATのトランスミッションしか選べなかった点でしょうか。このATにはステップトロニックという(メーカーが言うところの)マニュアル感覚でシーケンシャルにシフトできるモードは備わっているのですが、それはマニュアルシフトとは似て非なるものです。シフトダウン時にブリッピングをしてくれないのでスポーツ走行時には全然スムーズに走ることができません。エンジンの回転数と車速とギア比を最適に選んで滑らかに走らせるという運転の楽しみの重要な要素を放棄しなければならないのは非常に残念です。あと一点はランフラットタイヤの影響か、ばね下が多少バタ付くように感じることです。それから、ブレーキダストが大量に発生して、すぐにホイールが汚れてしまうのが困ります。これはBMWのブレーキがディスクローターを積極的に磨耗させて制動力を得るようになっているからのようです。案の定、ディスクローターには見る見るうちに深い溝が形成されて行きます。一番下の写真は汚れたホイールです。ボディと同色のホイールという訳ではありません。汚れです。しかし安全に止まるためにはこれは我慢しなければなりませんね。