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金太郎の里を巡るツーリング [ZZ-R1100]

 足柄山地がある神奈川県南足柄市や静岡県小山町には古くから金太郎伝説が伝えられています。金太郎の里と呼ばれるこの地域の峠道を巡るツーリングに行って来ました。最初は南足柄市の市街地から神奈川県道78号線(御殿場大井線)を西に向かって足柄峠(標高759メートル)を目指します。始めのうちは緩やかに登る坂道が延々と続きます。正面にはおにぎりのような矢倉岳(870メートル)が見えて来ます。更に進んだところの脇道を左に入ると金太郎が産湯に使ったと言われる「夕日の滝」が見られます。県道に戻って更に登って行くと、峠に近づくに従って道幅が狭くなり、カーブがタイトになって来ます。登り切ったところが足柄峠になります。峠を越えてしばらく下ると御殿場市街や富士山が一望できる「誓いの丘」に出るのでここで小休止しました。数年前に来た時には鐘があるだけの広場だったのですが、いつの間にか立派なトイレと休憩スペースが出来ていました。しかし残念なことにそのキノコのような真新しい建造物に遮られて富士山をバックにバイクの写真を撮ることが出来なくなってしまいました。しかもトイレは使用料100円でした。

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おにぎりのような矢倉岳を正面に見ながら延々と登る

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金太郎が産湯に使ったと言い伝えられる「夕日の滝」

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更に登ると段々とコーナーがタイトになる

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「誓いの丘」に巨大なキノコが出現して富士山が見えなくなってしまった。これって必要?

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仕方がないので御殿場市街をバックに

 そのまま御殿場まで下りて国道138号線を箱根方面に向かいます。箱根外輪山に差し掛かったところで静岡県道401号線(御殿場箱根線)方面に右折し、長尾峠を通って再び国道138号線まで下りて来ました。このルートは交通量も少なく、適度なコーナーがリズミカルに続くので好きなツーリングコースの一つです。その後、乙女トンネルをくぐって「富士八景の湯」に行き、温泉に浸かりました。雲がなければ露天風呂から富士山の全容が見えるはずなのですが、タイミング悪く雲が出てきてしまったので、この日は富士山の裾野しか見えませんでした。

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条件が良ければ絶景の露天風呂「富士八景の湯」

 午前中から温泉でのんびりし、昼食を済ませたら再び国道138号線で箱根方面へ向かいます。この時期、ススキ目当てのクルマで仙石原あたりは渋滞が見込まれるので、箱根地域に入る手前で神奈川県道731号線(はこね金太郎ライン)に入り、朝来た南足柄方面に戻ることにしました。731号線は林道を再整備して2021年に開通した新しい道路ですが、道幅が狭く勾配が急な上にブラインドコーナーの連続なので、あまり走って楽しい道ではありません。しかし渋滞時の抜け道としてはとても重宝します。金太郎が熊と相撲の稽古をしたとされる金時山(1212メートル)の頂上付近を通るので、神奈川県道としては最も標高が高いところを通る道路ではないかと思われます。無事に渋滞を避けて帰路に就くことができました。

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金時隧道を抜けると最高地点の金時見晴パーキング

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金時見晴パーキングから丹沢山地方面を望む

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プチ・カスタム [ZZ-R1100]

 満29歳になった愛車ZZ-R1100のプチ・カスタムを行いました。点検、修理の際にカウルやフロントスクリーンを外すことが度々ありますが、固定ボルト周辺の塗装が脱着のストレスに耐え切れず、何か所も剥がれてきてしまいました。剥がれた所は白い下地が見えてしまうのでとても気になっていました。大きめの樹脂製ワッシャーで隠そうと思い、適当な物がないか探していたところ、ちょっとお高いですがモノタロウで良い物を見つけました。デイトナやライコランドのグループ会社でオートバイ部品などを扱う株式会社ダートフリークから出ているアルミスペーサという製品です。厚手のワッシャー状の部材に切削加工で凹凸の飾りを付け、着色アルマイト処理で赤色に染めた物だと思われます。届いた実物を見てみると、加工精度が良く着色のムラもないので装飾性は良好です。早速取り付けたところ、良い具合に塗装の剥がれが隠せて目的は充分に達成できました。良く見ないと気付かないくらい些細な、カスタムとも言えないような完全に自己満足の世界です。

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カウルの固定ボルト周辺の塗装の剥がれが気になって仕方がない

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良く見るとこんな風に塗料が剥がれている

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フロントスクリーンの取付ボルト周辺にも剥がれが目立つ

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適切な部品を探していたところ良さそうな物を発見

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とても品質は良い

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Before

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After(完全に自己満足の世界)

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Before

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After

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 バイクいじりのついでに、もう一つ気になっていた所を直しました。それはリアブレーキパッドです。しばらくデイトナの赤パッドを使用していましたが、停止する直前のコントロール性が悪くて困っていました。そっとペダルを踏むと意図した場所よりも前まで行ってしまいますし、それよりも少しだけ強くすると途端にカックンブレーキになってしまうのです。純正パッドのフィーリングの方が自分に合っているので、純正パッドを注文することにしました。カワサキのオンラインショップで部品検索をすると、在庫が非常に少なくなっているようでした。今回は1セットしか注文しませんでしたが、ディスコンになってしまったら困るのでまとめ買いをしておいた方が良かったかも知れません。ブレーキパッドはキャリパーを外さなくても交換できるので交換作業はとても楽です(リアの詳細はこちらフロントの詳細はこちら)。交換後にテストのため少し走らせてみました。まだ完全にアタリが出ていないとは思いますが、それでも停止する直前のコントロール性はだいぶ良くなりました。超低速域での踏力に対する制動力のリニアリティが向上した感じです。赤パッドよりも値が張りますが(以前よりさらに値上げされている!)、やはり純正に戻して正解のようです。

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カワサキ純正指定のトキコのパッド。メタル感が強い。

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初期厚さは約4mm。使用限界は残り1mmまで。

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目視しにくい場所なので、正しく装着できたかどうかはスマホで写真を撮って確認した


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本栖みち [ZZ-R1100]

 30年以上にわたり時々一緒にツーリングをしている友人と山梨県の「本栖みち」を走って来ました。富士山麓の北側を富士吉田市から身延町まで結ぶ国道300号線のうち、本栖湖より西側の身延町内を走る延長26kmの区間が本栖みちと呼ばれています。大小様々なカーブから構成され、山深い雰囲気を味わいながら楽しく走れるルートです。途中タイトなヘアピンコーナーが約8km続く「甲州いろは坂」と呼ばれる区間は特に走りごたえがあります。
 ワインディングを楽しんだ後は、西側の終点に近い下部温泉で温泉に浸かって休憩しました。下部温泉は武田信玄の隠し湯と言われており、信玄公をはじめとする傷を負った兵士たちが湯治をしたと伝えられています。泉質は単純鉱泉で、多少の硫黄臭を伴った無色透明のサラサラとしたお湯でした。
 身延町は、アニメやドラマにもなった「あfろ」さんの漫画「ゆるキャン△」の舞台になっているため、いたるところで「ゆるキャン△」の痕跡を見つけることができました。本栖湖畔では主人公の志摩リンと各務原なでしこが出会う公衆トイレや浩庵キャンプ場、下部の集落付近ではリンちゃんが住む家のモデルとなったお宅、道の駅しもべでは漫画のキャラクターたちが勢ぞろいしていました。

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南アルプスを望む展望台

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両車とも約30年前のバイク

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朽ちた建物が隠れ湯の風情を醸し出す

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リンちゃんとなでしこが出会う公衆トイレ

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その先には浩庵キャンプ場

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リンちゃん号と漫画のキャラクターたち

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ちくわのテントも!

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ZZ-R1100のオイル交換 [ZZ-R1100]

 来月のユーザー車検に備えてZZ-R1100のオイル交換を行いました。交換するオイルはいつも使っているカワサキ純正のSJ級オイル「R4」です。バイク部品の「はとや」さんでこのオイルをネット注文したところ、おまけで軍手と紙製のじょうごが付いて来ました。自前のラテックス手袋とオイルジョッキを使ったのでこれらは使用しませんでしたが、はとやさんはいつもさりげない気配りが嬉しいショップです。

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オイルを買ったらおまけに紙のじょうごと軍手が付いて来た。嬉しい心配りだ。

 作業を始める前にエンジンを暖機運転します。オイルが少し暖まったらエンジンを止め、オイルフィラーキャップを開けます。ドレインボルトを開けた後でオイルフィラーキャップが固着して開かない事態になったら自走できなくなるので、液体系を交換する場合には必ず出口よりも先に入口を開けるようにしています。オイルフィラーキャップを開けたらエンジンの下部にあるメインドレインボルトを17mmのソケットレンチで緩めてエンジンオイルを抜きます。オイル受けにはビニール袋に新聞紙を詰めたものを靴の空き箱に入れて使用しました。今回はオイルフィルタを交換しないので、一番低いところにあるメインドレイン1箇所のみからオイルを抜きました。この1箇所だけならばロワ・フェアリングを外さなくても作業ができます。オイルが抜けるのを待つ間にドレインボルトの錆をワイヤーブラシで軽く落としてパーツクリーナーで洗浄しておきました。オイルが抜け切ったら新品のドレインガスケットをドレインボルトに装着してトルクレンチを使ってサービスマニュアル指定の29 N・mで締め付けました。今回、ドレインガスケットはカワサキの純正品ではなく汎用品を使用しました。純正品よりも外径が少し小さく、厚さも少し薄かったのですが、古い物を再利用するよりは新しい物の方が良いだろうという判断で手持ちの汎用品を使うことにしました。オイルの出口を閉じたらオイル注入口からオイルジョッキを使って少しずつエンジンオイルを入れて行きます。このエンジンのオイル容量は3.5Lですが、オイルフィルタを交換しなかったので2.7Lくらいしか入りませんでした。オイルフィラーキャップを閉めたらエンジンを少し回して止め、しばらく静置してオイル量が適正か、ドレインからの漏れがないかを確認します。新しいオイルを入れた後は心なしかエンジンが軽やかに回っているように感じるから不思議です。

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3箇所あるボルトのうち一番低い位置にある真ん中のボルトがメインドレインボルト

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今回はキタコの汎用ドレインガスケット(内径12mm×外径20mm×厚さ1.5mm)を使用した

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新しい飴色のエンジンオイルが気持ち良い

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ブレーキフルード交換 [ZZ-R1100]

 ツーリングのベストシーズンがやって来ましたので、本格的に走り出す前にリアブレーキのフルードを交換しておくことにしました。フルード交換はいつもエア抜きの必要がないシリンジを使った方法で行っています。ブレーキキャリパーのブリーダーにチューブを接続し、チューブの他端をシリンジで吸い上げてフルードを抜く方法です。

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まずはシートの下にあるリザーバータンクの周りをウエスで養生します。ブレーキフルードは塗装面を腐食させる性質があるため、万が一溢れても周りの部品に付着して塗装を傷めることがないようにしておきます。養生が済んだらセンタースタンドなどで車体を垂直にしてキャップを開けます。

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劣化のためか若干色が濃くなっていました。次にブレーキキャリパーのブリーダーに内径4mmのシリコーンチューブを接続します。そしてチューブの他端にはシリンジを接続し、プランジャを少し引いてチューブ内を負圧にしておきます。これはブリーダースクリューを緩めた時にブリーダーからキャリパー内に空気が流入しないようにするためです。

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2つあるうちの1つのブリーダーはここ

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ブリーダーに内径4mmのチューブを接続し10mmのレンチをかけておく

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チューブの他端にはシリンジを接続し、若干プランジャを引いてチューブ内を減圧しておく

準備ができたらゆっくりとブリーダースクリューを緩めてフルードが出て来るのを確認します。フルードが出始めたらシリンジからプランジャを引いてブレーキ内部のフルードを吸い出します。この時、リザーバータンクが空になると空気が入り込んで、後でエア抜きが必要になってしまいますので、空にならないように新しいフルードをリザーバータンクから注ぎ足して行きます。シリンジが一杯になったら一旦ブリーダースクリューを閉めて、シリンジをチューブから外してフルードを捨てます。空になったシリンジを再びチューブに接続し、プランジャを引いてチューブ内を減圧したらブリーダースクリューを緩めてシリンジによるフルードの抜き取りを続けます。この作業を2~3回繰り返してブレーキ内が充分に新しいフルードと交換できたらブリーダースクリューを締めておきます。


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ブリーダースクリューを緩めたらプランジャを引いてフルードを抜き取る

ただしZZ-R1100のブレーキは対向ピストンなので、ブレーキディスクの反対側にもう一つブリーダーがあります。こちら側にも古いフルードが残っていますので、同じ要領で反対側のブリーダーからもフルードを抜いておきます。キャリパーの両側から古いフルードが抜けたら確実にブリーダースクリューが締まっていることを確認します。そしてリザーバータンクのフルード量を適正範囲に調整します。更にブレーキ周辺をパーツクリーナーで洗浄してフルードが残っていないようにしたら作業完了です。ブレーキ操作をしてタッチがスポンジーでないことを確認して、最後にブリーダーにゴムキャップをして水や塵が入り込まないようにしておきましょう。

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対向ピストンブレーキの場合ディスクの反対側にもう一つブリーダーがある場合がある。こちらも忘れずに。

 エア抜き作業を不要にするためにわざわざシリンジを使ってフルードを抜いたのですが、実は今回シリンジのプランジャを大きく引いた際に、勢い余ってリザーバータンクを空にさせてしまいました。ブレーキラインにエアを噛んでしまった場合は、何回もブレーキ操作をしてブリーダーからフルードを排出させて、泡が出なくなったらブレーキをかけたままブリーダースクリューを締める、というエア抜き作業をしなければなりません。これがフロントの左側キャリパーの場合だとブレーキ操作とブリーダースクリューの開け閉めを一人ではできないため、誰か他の人にブレーキを操作してもらうか、ブレーキをかけた状態でバンドなどを使ってブレーキレバーを固定しなければならず、とても面倒なのです。しかし幸いリアブレーキだったので、ブレーキペダルとブリーダースクリューが近い距離にあり、右手でブレーキ操作、左手でブリーダースクリューの開け閉めを行うことができ、事なきを得ました。

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ブリーダースクリューの拡大写真

 ところでブリーダースクリューの構造は上の写真のようになっています。左の先端がテーパー状になっており、その近くに横穴が開いています。この横穴はスクリュー軸の中心にあるフルードの排出穴につながっています。一方でブレーキキャリパーのネジ穴の一番奥はすり鉢状になっています。ブリーダースクリューを一杯に締め込むとこのテーパーとすり鉢がぴったりと摺り合わされてブリーダーを閉じることができます。スクリューを緩めるとテーパーとすり鉢の間に隙間ができてフルードが漏れ出し、横穴を通って排出穴からフルードが排出されます。このような構造ですから、あまり強くブリーダースクリューを締め過ぎるとキャリパーのすり鉢状の所を変形させてしまいます。そうなったら大変です。フルードの漏れが止まらなくなり、キャリパーをオーバーホールしなければなりません。なのでブリーダースクリューの締め付けはほどほどにしておく必要があります。

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バッテリー交換 [ZZ-R1100]

 ゴールデンウイークにZZ-R1100を走らせようと、早起きしてプロテクターを着け、ライディングウエアを着て、ブーツ・手袋・ヘルメットを着けていざ発進!とスターターボタンを押したら何とも力のないクランキング。冬の間に全く乗っていなかったためにバッテリーを上げてしまいました。普段の冬ならば2~3回は乗っていたし、冬眠中には補充電も行っていたのでバッテリーが上がることはなかったのですが、この冬は乗る機会が全くなく、つい補充電することも忘れていました。その日はツーリングを諦めて一晩充電しておいて、次の日に走りに行くことにしました。
 次の朝、満を持してスターターを回すと、1~2回は回るのですが、3回目には力尽きてしまいました。5年半使用したバッテリーはもう交換時期だったようです。急いで同じ型のバッテリーを注文すると、ゴールデンウイーク中ということで配送は連休明けになるということでした。連休中に1~2回走れると思っていたのですが、はかない夢は砕け散ってしまいました。
 すっかりやる気を失くして届いたバッテリーもしばらく放置していたのですが、重い腰を上げて交換することにしました。購入したバッテリーは前回と同じ台湾ユアサ製のYTX-14BSです。一応、取り付ける前に数時間追充電をしておきました。ZZ-R1100は何をするにもまずはガソリンタンクを下ろさなければなりません。フロント側とシート側にそれぞれ2本のボルトがありますのでそれらを外します。

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2本のボルトを8㎜のボックスレンチで外す

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続いてシート側のボルトも12mmのボックスレンチで外す

次にガソリンタンクから出ている燃料計の配線を外します。シート下のジャンクションボックスの左側にあるカプラーの所で外すことができます。更に燃料コックをOFFにして2本見えている燃料ホースの下側の方を外します。

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燃料計の配線はジャンクションボックス横のカプラーで外せる

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燃料コックをOFFにしてキャブレターにつながっている下側の燃料ホースを燃料コックから外す

ここまでできたらガソリンタンクがフリーになりますので、注意深く取り外して安全な所に避難させます。容量24リットルのガソリンタンクは燃料が満タンに入っているとかなり重いので、腰を痛めないように注意しましょう。ガソリンタンクが外れるとバッテリーと対面できますので、ゴムバンドとプラスチック・カバーを外してバッテリーからハーネスを取り外して行きます。古いバッテリーを取り除き、新しいバッテリーを置いたらハーネスを元通りにねじ止めして、逆の手順でガソリンタンクを取り付けて完了です。

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タンクを外すとバッテリーとご対面できる。ゴムバンドとプラスチック・カバーで固定されている。

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新しいバッテリーを入れてハーネスを元通りに接続する

 ガソリンタンクを付けて燃料パイプと燃料計のカプラを接続したらスターターを回してみます。さすがに上がりかけたバッテリーとは勢いが違います。チョークレバーを一杯に引いて2~3回スターターを回すとZZ-R1100が長い冬眠から目覚めました。次の冬はバッテリーを上げてしまわないように補充電を忘れないようにしようと思います。

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2021 走り納め [ZZ-R1100]

 2021年も残すところあとわずかとなりましたので、年を越さないうちにZZ-R1100を走らせておくことにしました。朝晩は冷え込みが厳しいため、出発は陽が充分に昇ってからにして、日没前には帰って来るようにしたいものです。すると今は冬至を過ぎたばかりですから活動時間は非常に限られます。雪が降る前に走っておきたい峠道を厳選してコースを組み立てたところ、いつもの走り慣れたツーリングコースとなりました。
 気温が上がり始めた10:30頃、エンジンを始動します。何回かクランキングするとエンジンは回り始めましたが、まだ目覚めないシリンダがあって吹け上りが鈍い状態です。しばらく暖機運転をしてやっと4本のシリンダ全てに火が入りました。最初は富士スピードウェイから三国峠を越えて山中湖に下りる県道山中湖小山線を楽しみます。峠道の入り口には凍結注意の表示が出ており、路面には盛大に塩化カルシウムが撒かれています。嫌な予感を感じながら注意深く進むと案の定、北向きの斜面では早朝には凍っていたであろうと想像できる凍結の痕跡が所々に見られました。三国峠でバイクを停めて定点観測をすると、富士山は中腹より下まで雪に覆われていました。去年のこの時期にはほとんど冠雪がありませんでしたので、今年は例年並みかそれ以上の積雪量だと思われます。

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富士山と山中湖。水蒸気が多いため遠くは霞み、麓には霧がかかっているようだ。

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タイヤは塩化カルシウムで真っ白

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 山中湖まで下りたら昼食をとり、次の目的地に向かいます。国道138号線の籠坂峠を越えて御殿場経由で箱根を目指します。籠坂峠でも凍結の痕跡と塩化カルシウムの散布が見られ、ペースを落として走らざるを得ませんでした。箱根外輪山の入り口、乙女峠展望台で再び定点観測をします。やはり富士山の積雪は去年より大幅に多いようです。まだ15:00だと言うのに陽が傾いて寒々としてきました。急いで長尾峠を走って帰路に就きます。途中、宮ノ下から箱根湯本まではひどい渋滞でした。この辺りはコロナ全盛期にはクルマはそれほど多くなく、渋滞することも少なかったのですが、もうすっかり平常の通行量に戻っていました。おかげで陽が高いうちに帰る予定が叶わず、帰宅する頃には日が暮れて寒くなってしまいました。洗車して塩化カルシウムを落としたかったのですが、心が折れて後日にすることにしました。

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乙女峠展望台からの富士山

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すっかり陽が傾き寒々として来た

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風は秋色 [ZZ-R1100]

 夏の間は天気の悪い週末が多かったのですが、このところ天気が安定してきて晴れの日が多くなってきました。気温もだいぶ落ち着いて来てオートバイのベストシーズン到来です。飛び石連休の合間に休暇を取り、半日ほどZZ-R1100を走らせて来ました。
 まだ涼しいうちに市街地を抜けたいため、朝7:30に出発しました。ところが丁度出勤ラッシュと重なってしまい、市街地を抜けるのにかなりの時間がかかってしまいました。お日さまが高くなって来たので、早く標高の高い所へ逃げ込みたい気分です。まずは静岡県の小山町から三国峠を越えて山梨県の山中湖町に至る山中湖小山線を目指しました。ここは今回の東京オリンピックで自転車ロードレースのコースにもなった所です。市街地を抜けると渋滞に巻き込まれることもなく順調に三国峠まで走れました。標高1100メートルのこの峠付近はもう秋の気配で、風は涼しく辺りはススキに覆われていました。山中湖で小休止した後、国道138号線の籠坂峠を越えて御殿場に向かいます。更に箱根を目指して進みますが、途中、乙女峠から迂回して長尾峠も走ることにしました。長尾峠は交通量が少なく、タイトなワインディングが続く楽しい峠道です。標高900メートルのこの一帯もすっかり秋景色となり、涼しく快適に走れました。峠を下りた所にあるススキの名所である仙石原はこれから観光客で賑わうことでしょう。

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ニセモノを探せ!

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ブレーキパッド交換 [ZZ-R1100]

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 ゴールデンウイークに入りツーリングにでも出掛けたいところですが、外出も憚られるこのご時世ですので車両のメンテナンスをして遊びましょう。リアブレーキ・パッドの厚さをチェックして、摩耗していれば交換することにしました。ZZ-R1100のリアブレーキ・キャリパは低い位置に下向きに付いているため、キャリパを外してからパッドを点検、交換するのが一般的です。しかしキャリパの内部が見えれば外さずにパッドを交換することも可能なので、今回は横着してガレージに寝転んで作業することにしました。
 まずキャリパの下側に付いている「OPPOSED PISTON」と刻印された黒いプラスチックカバーを外します(誇らしげに「対向ピストン」だと主張しているところに時代を感じます)。するとブレーキパッドなどの構成部品が見えて来ます(下の写真)。水とブレーキダストと熱の影響を受けやすい所なのでかなり錆が出ていました。キャリパの一番外側(手前)に見えている2つの輪がパッドピンクリップ(通称βピン)という部品で、パッドを貫通している2本の丸棒(パッドピン)の抜け止めになっています。この2つのβピンを下に引っ張って抜くとパッドピンを水平にスライドさせて抜くことができます。パッドピンを抜くと針金を曲げたようなパッドスプリングが勢い良く飛んで来ますので注意が必要です。

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取り外した部品一式

取り外した金属部品はパーツクリーナで汚れを取り、ワイヤーブラシで錆を落として金属磨き(ピカール)で磨いておきました。特にパッドピンの錆が落ちにくかったので、パッドピンを電動ドリルに取り付けて回転させながらワイヤーブラシを当てました。磨き終わったら防錆のために薄くグリースを塗っておきます。

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交換用に購入したのはデイトナの赤パッド

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新旧比較

取り外したブレーキパッドの厚さを測定すると約2mmになっていました。サービスマニュアルによると使用限界は1mmとのことですが、この際、新しいものに交換しておくことにしました。因みに新品の赤パッドの厚さは5mmでした。新しいパッドの方が厚いので、当然ながら古いパッドが入っていたスペースに新しいパッドは入りません。そのため、古いパッドをブレーキピストンに当てがって、ウオーターポンプ・プライヤなどを使ってピストンを押し戻しておきます。対向ピストンですから外側と内側の両方のピストンを押し戻して新しいパッドが入るスペースを確保しておく必要があります。

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ピストンを押し戻して新しいパッドを入れるスペースを確保する

新しいパッドをブレーキディスクの両面に挿入し、パッドピンを1本だけ通します。取り付けたパッドピンにパッドスプリングの一端を引っ掛けてもう1本のパッドピンも挿入します。βピンをパッドピンの穴に挿入して抜け止めを施します。各部品が元通りに取り付けられているかどうかを念入りにチェックして、ブレーキペダルを数回踏んで当たりを確認します。当たりを出しておかないとピストンが戻っている状態ですので、すぐにはブレーキが効きません。当たりが確認できるまでは絶対に走り出さないで下さい(これ重要)。最後にプラスチックカバーを取り付けて作業は完了です。プラスチックカバーはシリコーンオイルをスプレーして汚れを落としておきました。

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スマホを使って真下から撮影すればパッド残量も確認できる

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定点観測 [ZZ-R1100]

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 お気に入りの富士山ビューポイントの一つである三国峠からの一枚です。2月の末に撮影したものですが、例年に比べて冠雪は少なめでした。2月にこの峠を積雪の心配なしにオートバイで走れること自体が今年の冬の暖かさを物語っています。この日も冬の装備では汗ばむほどの気温でした。

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 ここ三国峠は駿河国、相模国、甲斐国の3国を分ける峠であるためこの名が付いていますが、日本全国にはそのような場所がいくつもあるため、三国峠と呼ばれる峠は各地に点在しています。駿河国、相模国、伊豆国を分ける箱根の三国峠をはじめ、北海道や群馬/新潟の三国峠は走ったことがありますが、その他にも東京/山梨/神奈川や長野/埼玉、西日本や九州にもいくつかあるようです。

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2020年 走り納め [ZZ-R1100]

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 雲一つない晴天に誘われ、オートバイを走らせてきました。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、人と接触しない近距離ツーリングばかりでしたが、年内最後もコンビニにも飲食店にも寄らず、誰とも会話をしない「ぼっちツー」を楽しみました。目的地は「富士山絶景スポット50選」にも選ばれている御殿場市の乙女の鐘展望台にしました。箱根外輪山の北西部に位置する乙女峠にほど近いこの展望台からは、御殿場の市街地越しに何も遮る物なく富士山の裾野から頂上までを一望できます。快晴のこの日は予想通り絶好の富士山日和となりました。乙女の鐘駐車場でトイレと水分補給を済ませて富士山をバックに写真を撮ったら本日の目標達成です。

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 実は本当の目的は別にありました。本格的に雪が降る前にお気に入りのコースを走っておきたかったのです。静岡県道401号から長尾峠を越えて神奈川県道736号を仙石原まで下りる御殿場箱根線は交通量が少なく適度なワインディングで眺望が良いため、好きなルートの1つなのです。日陰の路肩にはいつ降ったかわからない雪が溶けずに残っていたので凍結路面に最大限注意しながらの走行となりましたが、幸い凍っている所はなく無事に走破することができました。1月から3月までは工事のため全面通行止めとなるそうなので、通れるうちに走れて良かったです。

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ヘルメット内装の洗濯 [ZZ-R1100]

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 今年は新型コロナウイルスの影響で移動自粛もあり、例年に比べてオートバイに乗る機会が圧倒的に減ってしまいました。それでも夏の間に何回か乗ってヘルメットの内装も相応に汚れていますので、内装部品を外して洗濯しておくことにしました。オートバイに乗り始めてうん十年、ヘルメットはアライ一筋なので他社の製品がどのような構造になっているのかはわかりませんが、アライのヘルメットは内装のほとんどの部分を外して洗えるようになっています。とは言え、今まではイヤーパッドカバーとシステム内装(頭全体を包むパッド)を年に1~2回洗っている程度で、他の部分を洗ったことはありませんでした。なので今回はさらに外せそうなシステムネック(首回りを包むパッド)とストラップカバー(あご紐のカバー)も洗ってみることにしました。以下、Astro IQというモデルについて内装の着脱方法を記述しますが、他のモデルでもほぼ同じ構造になっていると思われますので、アライのヘルメットを愛用されている方のご参考になれば幸いです。

 最初にシステム内装を取り外します。前頭部の左右と後頭部の左右に黄色のプラスチック製のホックがありますので、その4か所を外すとラグビーのヘッドギアに似たパッドがごっそりと取れます。次にイヤーパッドを外します。オレンジ色のタグを頼りにシステムネックの前端部とイヤーパッドの連結部を外します。その後、イヤーパッド全体を後方にスライドさせるようにすると「カチッ」とロックが外れる音がしてイヤーパッド全体が外れます。カバーを裏返すようにしてパッドから外します。

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左右のイヤーパッドを外したところ。写真下部のコードは後付けしたスピーカのケーブル。

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イヤーパッドからカバーを取り外す

イヤーパッドを外すと帽体の内側にストラップカバーの黄色いホックが見えますので、それを外してストラップカバーも取り出します。

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ストラップカバーは黄色のホックで固定されている

次は今までに外したことがなかったシステムネックです。3か所にロックがあることが確認できるのですが、それをどうやって解除するのかしばらく悩んでしまいました。押しても引いてもダメなので、パッド全体を掴んでヘルメットの縁に沿って回転させるようにスライドさせてみたらあっさりと外すことができました。なるほどこれは良く出来た構造です。

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首周りのパッドを反時計回りにスライドさせて外した。時計回りでもOK。

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今回洗濯するパーツ。左からイヤーパッドカバー、システム内装、ストラップカバー、システムネック。

取り外した内装はまとめて洗濯ネットに入れ、洗濯機で洗いました。洗い終わったら平置きして2~3日陰干しをしました。取り付けは取り外しと逆の手順で行います。一つだけ違うのはシステムネックの取り付けです。取り付けは回転させずに真っすぐに位置合わせをしてプラスチックシート製の芯を帽体と緩衝材の間に押し込んだら、3か所のロックがある部分を一つずつ更に押し込みます。すると「カチッ」とロックがかかる音がしますので正常に取り付けられたことがわかります。ロックの位置は後頭部の緩衝材に付けられたマークを参考にすると良いでしょう。

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後頭部の緩衝材に黒いマークが3つあり、その下にシステムネックのロックがある。

 アライのヘルメットは安全性に定評があるばかりでなく、内装の着脱方法も良く考えられていて感心します。洗濯した内装は洗剤の香りでリフレッシュされて快適度がアップしました。さて次はどこに行こうかな。


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空が青い日 [ZZ-R1100]

 各地で40℃越えが記録された猛暑の日にツーリングに出掛けました。この日は下降気流が強い高さ10,000メートルの高気圧に覆われていたそうです。その影響で気温が高くなり、湿度が比較的低く、PM2.5や光化学スモッグが吹き飛ばされて、とても空が青い一日になりました。この時期にしては珍しく富士山もクッキリと見えていたので、富士山方面へ向かうことにしました。普段ならば国道246号線の小山町から山中湖小山線を通って三国峠を越えるのですが、今回は須走から国道138号線を通って籠坂峠を越えるルートを通ってみました。138号線は道幅が広くて明るい、いかにも山岳観光道路といった趣で、三国峠を越えるルートと比べると、交通量が多い、カーブが緩い、距離が短いという点で少々物足りなく感じるルートでした。
 9時前に山中湖に着くと既に気温は30℃に届きそうな勢いで、いつも感じるような涼しさの微塵もありませんでした。しかしこの日の空は抜けるように青く、夏の荒々しい富士山の姿を終始見続けることができました。富士山をバックに写真を撮れる場所を探しながら周辺を走り、帰りは道志みちを通って帰って来ました。宮ケ瀬湖で気温は32℃、平地まで下ると34℃を越えていました。おかげで軽い熱中症になってしまいました。

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国道138号線を通って籠坂峠を越えるルートはオートバイで走るには少々物足りない

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祝・梅雨明け 朝練走行 [ZZ-R1100]

 長かった梅雨が漸(ようや)く明けたので、梅雨明けを祝して朝練走行をして来ました。空が明るくなって来た頃に出発して、あまり暑くならない午前中に帰って来る算段です。梅雨明けと同時に真夏の暑さになりましたが、さすがに朝の空気は涼しくて気持ちが良いです。湿度が高くて信号待ちではヘルメットのシールドが曇るものの、走り出すとジメジメした空気が心地良い高原の風に変わります(※個人の見解です)。雲が多いながらも青空がのぞく夏の空の下を箱根方面へ向かいました。海抜ほぼ0メートルの湯河原から椿ラインを箱根方面へ登ると、標高が上がるに連れて気温はさらに下がって行きました。標高約1000メートルの箱根大観山では気温は18℃でした。大観山付近は濃い霧が立ち込めていて残念ながら富士山や芦ノ湖を見ることはできませんでした。そんな天気でしたが、まだ8時前だというのにスカイラウンジ駐車場にはオートバイが100台くらい集まっていました。みんな梅雨が明けるのが待ち遠しかったのでしょう。箱根周辺を登ったり下りたりして朝練が終了したら箱根新道で小田原まで一気に下りました。海沿いに出ると真夏の空気です。既に下界は10℃ほど気温が高くなっていました。

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大観山スカイラウンジ駐車場は濃い霧の中。まだ8時前なのに既にオートバイが100台ほど集まっていた。

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隣には80年代初頭の名車(Honda CB750FとKawasaki Z1000Rエディー・ローソン・レプリカ)が

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富士山が見える丘へ [ZZ-R1100]

久しぶりに冬らしい快晴に恵まれた日曜日。行く先も決めずZZ-R1100で繰り出します。走り始めると富士山がきれいに見えたので富士山をバックに写真が撮れそうな高台に行くことにしました。農道の脇に駐輪させてもらってiPhoneとRX0でパシャリ。しかし何だか思うように撮れず、いつものα99を持って来なかったことが悔やまれました。

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iPhone 6s

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DSC-RX0

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雨が降らない日曜日 [ZZ-R1100]

 東京では11週間続いていた日曜日の降雨が12週目にして遂に途絶え、快晴の一日となりました。秋はツーリングのベストシーズンですが、今年は週末ごとに天気が悪くなる傾向が強く、オートバイに全然乗れていませんでした。久しぶりに快晴となった日曜日ですから、半日ほどZZ-R1100を走らせることにしました。
 問題は行先です。台風15号、19号と直撃が続いたため、箱根の長尾峠や仙石原、足柄峠、道志みち、裏ヤビツ、戸田峠など、お気に入りの峠道はことごとく通行止めや通行規制になっています。幸い椿ラインは通行止めになっていないようなので、湯河原から箱根を回って帰って来るルートにしました。走り出すと朝の空気はひんやりと感じられますが、刺すような冷たさはありません。快晴の日射しの中を走ると丁度良い温度に感じられます。空気はすっかり秋の乾いた匂いになっていました。正面に冠雪した富士山、左側に真っ青な相模湾を見ながら国道134号線および西湘バイパスを駆け抜けます。いつもならたくさんのオートバイで賑わっている西湘PAは先の台風で波に洗われ、レストハウスが損壊してしまったために閉鎖されていました。
 西湘バイパスを石橋まで行き、さらに海沿いに国道135号線を走ります。135号線は特に大きな台風被害は受けなかったようで、問題なく走れました。湯河原から神奈川県道75号湯河原箱根仙石原線(通称・椿ライン)に入り箱根を目指します。こちらも特に崩落なども見られず通常通りに走れました。ただ、超安全運転の乗用車に行く手を阻まれて自分のペースで走ることはできませんでした。ところが、最高地点の箱根大観山まであと6kmくらいの地点でネズミ捕りを実施中でした。前の乗用車のおかげでサイン会場に招待されることもなく無事に通過することができました。そう言えば、その遥か手前で対向車にヘッドライトでパッシングサインを出されていたことを思い出しました。ネズミ捕りの存在を知らせていてくれたのに、全く気付かずに走っていました。
 大観山SAからも富士山が綺麗に見えました。高台から今まで走って来た伊豆半島方面を見下ろすと、キラキラ光る海面に初島が浮かんでいるのがクッキリと見えました。夏の空気から秋の空気にすっかり入れ替わっていることを実感しました。

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峠は秋の気配 [ZZ-R1100]

 梅雨入り前に軽井沢方面を走ったきり休眠状態だったZZ-R1100ですが、若干涼しくなったことから再始動しました。休眠明けは半日程度で気楽に走れる慣れたルートを走ります。静岡県道147号線(山中湖小山線)で三国峠を越えて山中湖まで行き、国道413号線(道志みち)で帰って来るルートです。平野部の気温は25℃。走っていれば耐えられる暑さでした。標高が高くなるにつれ涼しくなって行き、三国峠(標高約1100メートル)では止まっていても暑さを忘れられるくらいの気温でした。峠付近ではススキの穂が出始めていて、一足早い秋の訪れを感じました。
 去年10月の台風24号で起こった土砂崩れにより一部通行止めになっていた道志みちは、仮橋が完成し片側交互通行により暫定開通していました。これで大きく迂回することなく通行することができます。

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碓氷峠 [ZZ-R1100]

 碓氷峠は国道18号線(中山道)の群馬県と長野県の県境にあります。関東地方と中部地方を分ける境界でもあり、日本海と太平洋へ水の流れを分ける分水嶺でもあります。高崎から国道18号線を軽井沢方面へ向かうと横川で二手に分かれ、南側が碓氷バイパス、北側が中山道となります。北側を通ると登り切った所が碓氷峠となります。碓氷バイパスも中山道も、どちらも爽快に走れる楽しいルートです。碓氷バイパスは中山道に比べて道幅が広く、カーブも緩やかで、高速コーナーを楽しめます。中山道は連続する小さなコーナーをリズミカルに走るのが楽しいルートです。特にめがね橋から碓氷峠までの区間は木漏れ日の中を美しい新緑を見ながら楽しく走れました。この日はRALLY KARUIZAWA 2019というクラシックカー・ラリーが開催されていたため、たくさんの懐かしいクルマとすれ違いました。
 中山道の途中にあるめがね橋は正式名を碓氷第三橋梁と言い、旧信越本線の横川ー軽井沢間に架かる鉄道橋でした。4つのアーチを持つレンガ造りの美しい橋で、明治25年に竣工し、昭和38年まで使われていました。横川ー軽井沢間は66/1000の急勾配のため、アプト式(ラック&ピニオンギアを使って登る)鉄道が走っていました。今は遊歩道として整備され歩いて渡ることができますので、その急勾配を体感することができます。
 今回、碓氷バイパスと中山道の両方を楽しむために、南軽井沢から碓氷バイパスを東に向かって横川まで戻り、横川から中山道を西に走り碓氷峠を越えて軽井沢へ行きました。さらに佐久まで行って国道254号線(コスモス街道)を東に下仁田まで折り返し、上信越自動車道で帰って来ました。途中、国道254号線沿いにある西下仁田温泉・荒船の湯で温泉に浸かって小休止しました。荒船の湯は荒船山から降りて来たたくさんの登山客で賑わっていました。

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旧信越本線の鉄道遺構「めがね橋」

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めがね橋は遊歩道となっている。かなりの急勾配が付いている。

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めがね橋から中山道を望む

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旧信越本線の廃トンネルの中はひんやり涼しい

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初代のポルシェ。ポルシェ356スピードスター。

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子供の頃に憧れたBMW 3.0CSi

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国道18号線(中山道)。新緑の木漏れ日が眩しい。

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帰りは国道254号線沿いの荒船の湯で一休み

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ライディング・ブーツ [ZZ-R1100]

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新しいライディング・ブーツ SCOYCO MT018WP

 二十数年間愛用してきたライディング・ブーツに穴が開いてしまいました。シフトペダルを操作する爪先部分の革が擦り切れてシフトペダルが足に直接当たるようになってしまいました。長年使い込んで馴染んでいただけにとても残念ですが、新しい物を購入することにしました。ネットで検索すると各社から色々な製品が出ていることがわかります。しかし身に着けるものだけに試着せずに買うことはできません。オートバイ用品店をいくつか回って在庫がある物の中から品定めを行いました。選択のポイントは第一にフィット感です。緩くもきつくもなく、足を動かしても当たって痛いところがないことが重要です。第二に着脱の容易さです。ジッパーがワイドに開いて履いたり脱いだりがストレスなく行えることが望まれます。第三に歩きやすさです。ツーリング先ではバイクを降りて歩くこともありますので、歩く動作を妨げないことが必要です。第四に安全性です。万が一の場合に爪先、踝(くるぶし)、脛(すね)などをしっかりと守ってくれなければなりません。これらを全て満たすものを見つけるのは容易ではありませんでした。
 悩んだ挙句に購入したのはSCOYCO(スコイコ)というブランドのMT018WPというライディング・ブーツです。SCOYCOは中国のブランドで、香港やマカオに近い広東州の仏山市(Foshan City)にあるライディング・ギアのメーカーです。1998年から海外のブランド向けにOEM生産を開始し、2003年から自社ブランドSCOYCOによる販売を行っています。この会社の設立のエピソードが興味深いので簡単に紹介します。この会社の前身はオートバイ部品のトレーダーでした。ある日この会社の経営者は中国国内で開催されていたモトクロスの国際競技を見学に行きました。そこで彼が目にしたのは、Tシャツとジーンズで競技に参加している中国の選手たちでした。それ以来、彼は中国の選手たちにも海外選手並みにプロフェッショナルなプロテクタや道具を使わせてあげたいと思うようになりました。そして1998年にモトクロス用プロテクタなどを生産する会社を設立し、上述のようにOEM生産から始めて自社ブランドで販売するようになり、今ではロードレースやツーリング用品にまでビジネスを拡大して来ました。主なマーケットはヨーロッパで、徐々に世界中に進出しているということです。デザインから製造までを一貫して自社内で行っているそうです。
 以下にMT018WPの感想を述べます。上述の第一から第四までのポイントは一応クリアしており及第点だと思います。フィット感、着脱性は良好で、ヒールが低いので歩きやすく、プロテクションにも充分な配慮がなされているようです。難点を挙げるとすれば、操作性でしょうか。これは試着段階では試すことができなかったため仕方ありませんが、二十年以上愛用してきた以前の物と比べるとかなり見劣りがします。まず、スキー靴か安全靴のような固いシェルが問題です。安全性とトレードオフになるため、ある程度は仕方ないのですが、爪先の触覚が皆無になり、特にシフトアップの時にシフトペダルに触れているか否かが感じ取れません。また、爪先の形状がドーム状に膨れているのでステップとシフトペダルの間に爪先を入れるのに苦労します。次にヒールの形状に難があります。靴底がフラットで歩きやすいのですが、土踏まずの窪みが浅いのでステップに引っかかる感覚が薄くなります。今まで使っていたブーツでは、ステップにヒールを引っ掛けることで足の位置決めができ、ステップを前に蹴り出すことで重心移動を開始することができました。しかし新しいブーツは靴底がステップの上をズルズルと動いてしまいます。
 スリムな爪先形状で、はっきりしたヒール形状を持ち、使い込むほど足に馴染む本革製の古いブーツとの別れが惜しいです。しかし、レーシング・ブーツをはじめとする最近のブーツはみなスキー靴のように固いシェルなので、慣れの問題なのでしょう。後戻りはできませんから時間をかけてでも慣れて行かなければなりません。

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20数年間愛用したライディング・ブーツともお別れ

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8の字ターンの練習 [ZZ-R1100]

 暖かい日が多くなり、一気に春めいて来ました。オートバイに乗るには最適な季節の到来です。本格的なツーリングシーズンを前に、基本に立ち返って傾斜走行の練習をしました。傾斜走行とはスラローム、8の字、クランク、S字など、車体を傾斜させて走ることを言い、運転免許試験や競技会などでアクセルワーク、ブレーキング操作、バランス感覚などを試すために行われます。特に、離れた2点の間を8の字を描くように走る8の字ターンは上記の要素を全部含む最も基本的な走行技術と言われています。従って今回は20メートルほど離れた2点に空き缶を立てて8の字ターンの練習を重点的に行いました。
 オートバイという乗り物は速度を上げるほど安定するので、真っすぐ速く走ることはとても簡単です。しかし極低速で車体を傾けると容易に倒れてしまうので、ゆっくりと小さく曲がることが一番技術を必要とします。左回り、右回りの小ターンに加えて、急加速、急減速の練習が一度にできる8の字ターンは運転技術の基本を学ぶには最適な練習法と言えるでしょう。久しぶりに8の字走行をしてみると、最初のうちは全然イメージ通りには走れませんでした。運転感覚を維持するには定期的な練習が必要だと再認識しました。8の字ターンの仕方は色々あるとは思いますが、絶対に転倒しないことを最優先に考えると次のような方法が一つのやり方でしょう。

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 まず、一つ目のターンを終えたらフル加速して次のターンへ向かい、二つ目のターンの手前で急減速します。ギアは終始1速しか使いません。ブレーキはエンジンブレーキとフロント&リアブレーキをバランスよく利かせます。充分に減速したらフロントブレーキをリリースし、ターンの内側に重心を移して故意にバランスを崩します。リアブレーキは引きずったままにして、後輪を中心に円を描くようなイメージで旋回を開始します。するとステアリングが自然に切れ始めますので更にステアリングを一杯まで切り増してターンをします。

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この時重要なのが視線です。後ろを振り向くようにしてターン後に進むべき方向を見ます。上半身を捻って視線と同じ方向に胸を向けるように意識すると良いでしょう。エンジンの回転数を一定に保ち、速度はリアブレーキで調節します。

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旋回中にエンジンの動力が途絶えると転倒しますので、エンジンはある程度の回転数を保ったまま、上半身を内側に倒す角度とリアブレーキの強さで回転半径をコントロールします。クラッチはつないだままにして絶対に切りません。切った途端に転倒します。この方法では鋭くクルっと曲がることは難しいですが、転倒しそうになったらエンジンの回転数を上げれば自動的に車体が起き上がってきますので、転倒の危険性は少ないでしょう。ターン中にエンジンの駆動力を弱めると同時にリアブレーキを完全にリリースするとバランスが崩れて転倒しそうになります。その車体が倒れる力を積極的に旋回に変換してやればより小さな回転半径で鋭く曲がれるのかも知れません。あるいは減速時にフロントブレーキを積極的に使ってフロントフォークを充分に縮めておくことでフロントの回頭性が向上できるのかも知れません。しかしいっぺんに色々なことをやると転倒の危険性が増して怖いので今回は無理せず安全重視で練習を行いました。

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恐怖心が先に立ってしまうとどうしても視線と上半身を次の進行方向へ向けるタイミングが遅くなって大回りになってしまいます。また、セルフステアでステアリングが切れるのを待っていても大回りになってしまいますので、いかに早く視線と上半身の方向を進行方向へ向け、ステアリングをフルロックまで切り増せるかが小回りをするコツだと思われます。言うは易しですが、実際にやってみると案外難しく、奥深さを感じます。上の写真でも、フルステアまで切るタイミングをもっと早くしてコンパクトに曲がりたいところです。上達の近道はありませんから練習あるのみですね。

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8の字の交点付近から撮影

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足柄峠 [ZZ-R1100]

 足柄峠(759m)は箱根外輪山の北側に伸びた尾根上にある峠で、かつては東海道の要衝として関所や城が置かれました。この尾根が駿河国と相模国の国境であったため、現在も静岡県と神奈川県の県境になっています。この辺りは金太郎の生地とされ、いくつもの金太郎伝説が存在します。金太郎が熊と相撲をとったという足柄山は、この足柄峠から箱根外輪山で最も高い金時山(1212m)辺りまでの山地一帯を指します。足柄峠は古くは足柄坂と呼ばれ、万葉集にも詠われています。「足柄の御坂に立して袖振らば家なる妹は清に見もかも」(足柄坂に立って袖を振ったら家にいる妻からもはっきりと見えるでしょうか)という歌がそれで、現在の埼玉県に住んでいた藤原部等母麻呂(ふじわらべのともまろ)が防人(さきもり)に任じられ、任地に赴く時に埼玉の妻を想って詠んだ歌と言われています。
 足柄峠から富士山までは視界を遮るものが何もないため、富士山が良く見える名所としても知られています。峠の静岡県側に「誓いの丘」という展望ポイントがあり、そこから見る晴れた日の富士山はとてもきれいです。誓いの丘には富士測候所勤務の後に作家となり、富士山を題材にした作品を多く残した新田次郎の文学碑が建てられています。

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晴れた日には富士山がきれいに見える誓いの丘

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残念ながらこの日の富士山は雲の中

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新田次郎の文学碑

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足柄関所跡付近にて。バリアスコート施工後4週間経過も艶は健在。

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バリアスコート [ZZ-R1100]

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 今まではオートバイを洗車した後に、クルマにも使っているカルナバワックスを時々塗っていました。しかし、オートバイの表面は凹凸が多いので、細かい隙間に入ったワックスは拭き取りにくく、白いワックスかすが残ってしまうのが気になっていました。ワックス以外に何か使いやすいコーティング剤はないかと探したところ、プレクサスとバリアスコートという2つの製品が定番であることがわかりました。どちらもスプレーして拭き取るだけで汚れ落としと艶出しが行えるコーティング剤なのですが、2つを比較するとプレクサスはバリアスコートよりも洗浄力で勝るけれども艶の深みでは劣るという意見が多く見受けられました。汚れ落としよりも艶出しに重点を置きたいので、ワコーズのバリアスコート(WAKO'S Various Coat)を使ってみることにしました。

 使い方は簡単です。水洗いした後にスプレーして付属のマイクロファイバークロスで拭き取るだけです。水との馴染みが良いので、車体が完全に乾かなくてもそのまま塗って大丈夫だそうです。ただし、塗った後は2日間くらいは雨に濡れないようにする必要があるそうです。完全にガラス状の被膜ができる前に水に濡れるとムラができてしまうのだそうです。私は車体に直接スプレーするのではなく、スプレーしたクロスで拭くようにして塗布しました。その方が薬剤が無駄にならず経済的だと思ったからです。

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マイクロファイバークロスが2枚付属している


 効果は噂に違わず上々でした。クリアな被膜が1枚できたように深い輝きが出て、車体への映り込みがとても美しくなりました。ワックスとも一味違う、ヌメっとした艶が得られます。25年前のオートバイとは思えないくらいピカピカになりました。この艶がどのくらい長く持続するのか楽しみです。

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映り込みが美しい。25年も乗っているバイクとは思えないくらいピカピカになった。

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新そば・温泉・ワインディングロード [ZZ-R1100]

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 久しぶりに晴天が約束された週末。オートバイに乗るには最適なシーズンですから走らずにはいられません。ワインディングロードを満喫し、途中で新そばと温泉を楽しむというプランで日帰りツーリングに行くことにしました。最初は富士スピードウェイから明神峠、三国峠を越えて山中湖へ至るルートでウォーミングアップ。山中湖畔で新そばを食べ、道志みちから山梨県都留市に抜ける山梨県道24号線でクネクネと紅葉を楽しんだ後に温泉に浸かり、道志みちの北側を走る山梨・神奈川県道35号線と神奈川県道518号線で更にクネクネって宮ヶ瀬湖に至るコースを走ることにしました。

 この時期としては気温が高く、走っていないと汗ばむほどの陽気になりました。前日までの雨の影響もあり、湿度が高く、雲が多めです。山中湖越しに見事な富士山が見えるはずの三国峠では、富士山に雲がかかって少々残念な風景でした。

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山中湖畔まで下りたら、お蕎麦屋さんで昼食です。前に一度食べておいしかった「手打そば やまさと」に行ってみました。案の定、新そばが供されていました。このお店は盛り付けが上品すぎて物足りないので、替え玉を注文してせいろを2枚おいしくいただきました。

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 お腹が一杯になったらワインディングロードを楽しみます。道志みちにある「道の駅 どうし」を少し過ぎた辺りから北西に折り返すと山梨県道24号線(都留道志線)になります。初めて通ったのですが、変化に富んだリズミカルなコーナーが続き、とても楽しい道でした。道坂峠のトンネルを越えた辺りからは山深い雰囲気になり、色付き始めた紅葉も楽しむことができました。

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ここを左に折れると山梨県道24号線(都留道志線)

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段々と山深い雰囲気になって来る山梨県道24号線

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 都留市まで来たら、山梨県道711号線の終点にある「芭蕉月待ちの湯」で温泉に浸かります。ここは源泉の温度が35.4℃しかないので湯船のお湯は加温しているようです。露天風呂からは沢のせせらぎが聞こえ、紅葉が始まった山も見えて良い雰囲気でした。

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 温泉に浸かって小休止した後は道志みちの北側を走る山梨・神奈川県道35号線(四日市場上野原線)と神奈川県道518号線(藤野津久井線)を通って宮ヶ瀬湖へ向かいます。35号線は道志みちよりも一層山深い所を走るルートですが、全線舗装路でクルマも少なく走りやすい道でした。518号線は更に野趣溢れる険道で、道幅が一番細い所は2メートルとなります。道の両側に鉄柱が建っているゲートがあり、誤って大型車が入って来ないようになっていました。しかしこちらも舗装路で走りやすく、嫌と言うほどワインディングロードを楽しむことができました。

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ブレーキフルード交換 [ZZ-R1100]

 我が家にわんこがいなくなってから写真を撮る機会がめっきり減ってしまい、最近バイクネタが多くなっています。今回もネタ不足につきバイクの話題にお付き合い下さい。

 前記事でブレーキパッドを交換したついでにブレーキフルードも交換することにしました。ブレーキフルードの交換方法は人によって様々で、カワサキのサービスマニュアルにはブレーキ操作を繰り返しながらブレーキキャリパから古いフルードを抜く方法が記されています。ところが一人で作業する場合、ブレーキ操作とブリードバルブの開け閉めを同時に行うのは無理があります。特に左フロントキャリパのフルードを抜く時にはハンドル右側のブレーキレバーと前輪左側のブリードバルブが遠すぎてうまく操作できません。そこで、ちょっとした道具を使うことで確実に早くブレーキフルードを交換できる方法がありますので、ご参考までに紹介したいと思います。

【用意するもの】
・ブレーキフルード少々(500mLで充分。ZZ-R1100の場合DOT4を使用。)
・シリンジ(50mL程度の物をできれば2つ)
・透明チューブ(内径Φ4mmのシリコーン製の物などを1メートルくらい)
・廃油受け(ペットボトルや空き缶など)
・めがねレンチまたはスパナ(ZZ-R1100の場合10mmレンチ)

 ブレーキフルードは車両メーカー指定の規格(DOT:Department of Transportation=米国運輸省規格)に合った物ならばどの銘柄でも使用できます。ところが、作業のしやすさを考えると前に使っていた物と同じ銘柄の方が都合が良いことを痛感しました。今回、安さに釣られてヤマハのフルードを購入しましたが、後述するように色が濃すぎて交換完了のポイントがわかりにくくなってしまいました。フルードの必要量は意外に少なく、前後ブレーキとクラッチの3か所を交換しても500mLもあれば充分です。開封後は吸湿してしまって長期保存ができないので、買い過ぎてしまわない方が無難です。

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できれば前と同じ銘柄のブレーキフルードが良い。量は500mLで充分。

 シリンジはプラスチック製の安い物でOKです。先端は内径4mm程度のチューブがしっかり装着できるように5~6mmの外径の物を選ぶと良いでしょう。テーパー状になっていれば更に良いでしょう。シリンジ容量は50mLの物が使いやすいです。透明チューブはブレーキキャリパのブリードニップルの径に合った物を選びます。ZZ-R1100の場合、ニップル径が6mmであったため、それよりも少し細い内径(4mm)のシリコーンチューブを使用しました。下の写真のようなシリンジとチューブがセットになった物も売っていますが、チューブの内径が明示されておらず、結局は細すぎてニップルに入りませんでした。保険で買っておいた4mm径の物を使用しました。

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シリンジとシリコーンチューブ。セットで売っていたがチューブ径が細すぎて使えなかった。

【作業方法】
1.シリンジとキャリパのブリードニップル間を50cm程度の透明チューブで接続する
2.もう1本のシリンジに新しいブレーキフルードを満たしておく

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2本シリンジがあれば、2本目には新しいフルードを入れて供給用として使う。こぼさなくて済むので作業しやすい。

3.フルードが入っているリザーバータンクの周りを養生し、キャップとダイヤフラムを外す

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フルードがこぼれた時のために養生をし、リザーバータンクのキャップを外す(黒いゴムはダイヤフラム)

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ダイヤフラムを外すと茶色に変色したフルードが見える

4.キャリパに接続したシリンジのピストンを少し引いてチューブ内を負圧にしておく
5.ブリードバルブのナットをめがねレンチかスパナを使ってチューブにフルードが出て来るまで緩める

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6.フルードがスムーズに出てきたらシリンジのピストンをゆっくりと引いてフルードを抜く

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シリンジを使って古いフルードを抜き取る

7.リザーバのフルードが底をついてエアを吸い込まないように新しいフルードを別のシリンジからリザーバに注入する
8.抜き取り用のシリンジが一杯になったら負圧を保ったままブリードバルブを閉める
9.一杯になったシリンジをチューブから外し、フルードを廃油受けに捨てる
10.シリンジを再びチューブに取り付け、上記4.~9.を繰り返す
11.上記作業を2~3回繰り返すと変色した古いフルードが出て来なくなり、チューブ内が透明になる
12.透明な新しいフルードしか出て来なくなったら負圧をかけたままブリードバルブを閉める
13.ゆっくりとブレーキ操作をしてエアが噛んでいないことを確認する
14.フルードを規定量に調整する(リザーバーの窓か内壁の線で確認)
15.リザーバータンクのダイヤフラムとキャップを元に戻す

このようにシリンジを使用してキャリパーからフルードを強制的に抜けば、エアを噛むことなく効率的に作業を行えます。何よりもブレーキ操作をする必要がないので、一人で作業する場合に手が届かなくて困ることがありません。注意すべき点はリザーバータンクが空にならないように時々上から新しいフルードを注ぎ足してやることです。空になってしまうとエアを噛んでしまうのでエア抜きが大変になります。供給用にもう1本のシリンジを使えば、リザーバーや車体の周りにフルードをこぼさなくて済むので便利です。ブレーキフルードはこぼしたままにしておくと塗装が腐食しますので、もしもこぼしてしまったらすぐに濡れ雑巾できれいに拭き取っておきましょう。ZZ-R1100のフロントはダブルディスクなので、同じ作業を左右2度行います。リアはシングルディスクですが、内側と外側のキャリパー双方にブリードニップルがありますので、両側とも同じ作業をします。クラッチはクランクケース左側にブリードニップルがありますので、そこにチューブとシリンジを接続します。フルードの交換作業が終わったら、走り出す前にブレーキやクラッチが正しく動作しているか必ずチェックするようにして下さい。

 今回失敗したのは、前に使っていたフルードとは違う銘柄を使ってしまった点です。上記11.でブレーキ系全体が新しいフルードで満たされるとチューブ内のフルードの色が変わって交換作業の終了ポイントがわかるのですが、写真を見てもわかる通り、劣化したフルードと新しいフルードの色の差が小さくて、全部が置換されたかどうかがはっきりとわかりませんでした。仕方がないのでリザーバータンク3杯分くらい新しいフルードを注ぎ足したところで全部が置換されたと判断しました。まさかヤマハのフルードがこんなに濃い色だとは知らなかったのは不覚でした。

 新しいフルードを入れるとタッチがカチッとして気持ちが良いです。ブレーキフルードはブレーキ内部が錆びないようにある程度の吸湿性を持たせていますが、吸湿した状態でブレーキを酷使するとご存知の通りベーパーロックという現象が起きて制動不能になります。ベーパーロックはブレーキング時に発生する熱により、ブレーキフルードよりも沸点が低い水が沸騰して気体となり、エアを噛んだ状態になる現象です。ブレーキが効かなくなると重大な事故につながりかねませんので、フルードの定期的な交換を心掛けたいと思います。

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ブレーキパッド交換 [ZZ-R1100]

 先日ユーザー車検を受けるためにブレーキ周りの点検をしていた時に、フロントパッドの厚さが交換の目安となる1mmに近づいていることに気付きました。そこでブレーキパッドを前後とも新しい物に交換しておくことにしました。今までは前後ともカワサキ純正(TOKICO製)のブレーキパッドを使用していましたが、全部をいっぺんに取り換えると結構なお値段になってしまいます。悩んだ挙句、初めて社外品を使ってみることにしました。使用するパッドは定番の赤パッド(株式会社デイトナ)を選びました。価格で選ぶ部品ではないとは思うのですが、赤パッドは世間で一定の評価を得ていますし、お値段は純正品の半額で済みますので、気に入らなければ純正に戻すつもりで試してみることにしました。フロント用(品番79828)は2セット、リア用(品番79825)は1セット必要です。紙面の都合で今回はフロントパッドの交換作業のみを紹介します。

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 フロントのブレーキパッド交換はとても簡単です。点検時と同じようにキャリパのパッドスプリング(板ばね状のカバー)を外せば、キャリパを降ろさなくてもパッドを交換することができます。ただし、パッドスプリングを留めている2本のねじは通常のドライバではタイヤと干渉して回すことができません。軸が短いスタビードライバやラチェットハンドルを使用して外します。

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丸印の2本のねじを外すとパッドを交換できるが、タイヤと干渉して普通のドライバが入らない

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ラチェットハンドルに6.35mm四角→六角変換アダプタを介してドライバビットを取り付けた

パッドスプリングを外すと、2枚のパッドを貫通しているパッドピンが見えてきます。パッドピンには抜け止めのクリップ(βピン)が刺さっていますので、まずはそれを抜きます。ところがβピンはキャリパの外側の壁のすぐ内側にあり、目視では見ることができません。そこで、手探りでβピンの位置を確認し、尖った物の先端をβピンの輪に通して引き抜きます。私はドライバセットに入っている先端の尖った千枚通しのような道具を使って抜いています。βピンが抜ければパッドピンをスライドさせて抜くことができます。

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細い棒状の物を使ってβピンを抜く

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パッドピンをキャリパーから引き抜く


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外したβピンやパッドピンは汚れているのでパーツクリーナーや金属磨きできれいにする

パッドピンが抜けると2枚のブレーキパッドを取り外せるようになります。しかし、古いパッドを外す前にキャリパーピストンを押し戻しておくことが必要です。なぜならば、新しいブレーキパッドは摩耗した古い物よりも厚いので、古いパッドが収まっていたスペースにそのままでは入らないからです。ウォーターポンプ・プライヤなどを使って、古いパッドをゆっくりと押し戻すとピストンが戻って行きますので、数mm押し戻して新しいパッドが入るスペースを確保します。

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ウォーターポンプ・プライヤなどを使ってピストンを押し戻しておくことを忘れずに

あとは古いパッドを引き抜いて、新しいパッドを挿入して、パッドピンとβピン、そしてパッドスプリングを元に戻せば片側が終了です。取り外した古いパッドの厚みを測定したところ1.8mmでした。まだ限界には達していませんでしたが、早めに交換しておけば安心できます。

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新しいフロントパッド(左)の厚みは5mmなのに対して、古いパッド(右)は1.8mmまで摩耗していた

 ZZ-R1100のフロントブレーキはダブルディスクなので、右側が終わったら左側も同じ作業をする必要があります。左側もキャリパを外さずにサッサと終わらせる予定でした。しかしここでアクシデントが。パッドスプリングを固定している2本のねじのうち上側の一本が固着していてプラスねじの頭をナメそうになってしまいました。このままではねじをナメることは必至なので、仕方なくキャリパを外すことにしました。それにしても、なぜこの場所にプラスねじを使うのか不思議でなりません。前述のように、通常の長さのプラスドライバは使えないのですから、六角穴付きボルトにしておいてくれればL型レンチで回すことができますし、少々固着していても強いトルクをかけて回すことができるので、ねじをナメてしまうような事故も起こらないと思うのです。

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丸印のねじが強く固着していて外すことができなかった

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仕方なく2本のキャリパマウントボルトを抜いてブレーキキャリパをブレーキディスクから外した

キャリパはフロントフォークに固定している2本のボルトを抜くことで外すことができます。キャリパが外れればタイヤに邪魔されることなくパッドスプリングを留めているねじを外せるはずです。ところが、ねじの固着が激しく、プラスドライバではどうやっても外すことができません。そんな時に便利なのが「ネジザウルス」(バイスザウルスPZ-64)です。バイスの先端に入っている縦溝がねじの頭を掴んで離さないので、錆びついたねじでも、ナメてしまったねじでも簡単に外すことができます。

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ネジザウルスは大発明だと思う。困った時の強い味方。

パッドスプリングが外れればあとは右のキャリパと同じ手順でパッドを交換します。パッドを交換したらキャリパをフロントフォークに戻して、2本のキャリパマウントボルトをトルクレンチを使用して規定の34 N-mで締め付けます。これでブレーキパッドの交換は終了です。パッドを交換した直後はピストンの遊びが取れていませんので、ブレーキレバーを握ってもスカスカしてブレーキが効きません。遊びがなくなって当たりが出るまでブレーキレバーを何回かゆっくりと深くまで握っておくことを忘れないで下さい。間違ってもすぐに走り出さないようにして下さい(これ重要)。リアのパッド交換も基本的にはフロントと同じです。ただし車体の下側からしかパッドにアクセスできないためキャリパの中が全く見えません。リアは最初からキャリパを外して作業した方が良いでしょう。なお、リアはパッドピンが2本あるのと、パッドを押さえているパッドスプリングが板ばねではなく針金状になっているところがフロントとは異なります。

 デイトナの赤パッドの印象は、正直言ってまだ良くわかりませんが、フロントに関しては握り始めから良く効くようになりました。ただ、これはパッドの違いと言うよりは、同時に交換したブレーキフルードに関係している可能性もあります。とりあえず現時点では純正品に対して遜色はなさそうです。雨天時の効きと、寿命が気になるところですが、答えが出るまでにはまだまだ長い時間が必要となりそうです。リアに関しては慣れの問題だと思いますが、純正品のフィーリングの方が好みのような気がします。

 ねじ固着の苦い経験から、パッドスプリングを固定しているねじを六角穴付きボルトに交換することにしました。注文したねじは日産ネジ株式会社の「フランジボタンキャップ(ステンレス)M4×6mm」です。これならドライバが使えなくてもL型レンチで脱着できますし、固着していても強いトルクをかけて回すことができます。同じ型のキャリパを使用している車種のオーナーさんにはお薦めのアイテムです。

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ねじを交換することでL型レンチで楽々脱着可能になった

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ヘルメットにマイクを取り付け [ZZ-R1100]

 オートバイにカメラ(DSC-RX0)を取り付け、USB端子から電源を採れるようにしたので、走行中の動画を長時間撮影できるようになりました。しかし、録音される音声が風切音とエンジン音だけではどうも面白味に欠けます。そこでヘルメットにマイクを付けてコメントを録音できるようにすることにしました。ヘルメット内部に付けるのに適当なマイクがないかと市販の物を探しましたが、どれも意外にサイズが大きくて、ヘルメットの中に仕込めそうなものがありません。スマホのイヤホンマイクくらいの大きさが丁度良いのになあと安い物を物色したところ、なんと百円均一ショップにあるではないですか。これならば失敗しても惜しくないので、早速買ってきて改造することにしました。ヘルメットからカメラの外部マイク端子までをつなぐために使えそうなステレオ延長コードも売っていましたので一緒に購入しました。

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 上の写真が100円のイヤホンマイクです。必要なのはミニプラグとマイクだけなので、マイクより先に付いているイヤホン部分は取り外します。そのためにマイクケースの殻を割ってみました。コードに傷が付いても構わないイヤホン側から精密ドライバを挿入してこじるとパカっと殻が2つに割れました。

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イヤホンマイクの3.5mm4極ミニプラグにはCTIA(Cellular Telecommunications Industry Association)とOMTP(Open Mobile Terminal Platform)の2種類の規格があり、ピン・アサイメントが異なります。CTIA規格は米国で、OMTP規格はEU圏で制定されました。今回購入したイヤホンマイクはiPhone対応と書いてあったので、CTIA規格になります。CTIA規格の4極ミニプラグのピン・アサイメントは次の写真のようになっています。

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CTIA規格イヤホンマイクのピン・アサイメント


因みに、OMTP規格はMICとGNDが上の写真とは逆になります。しかし、間違えて異なる規格の物を差し込んだとしてもマイクが使えなくなるだけでイヤホンは使えます。また、機器もイヤホンマイクも壊れることはありません。プラグインパワー機能を備える機器はMIC端子に2V程度のバイアスをかけているのですが、イヤホンマイクに使われているエレクトレットコンデンサーマイクはその名の通りコンデンサーなので、MICとGNDが逆の規格の物を差し込んだとしてもマイクが機能しないだけで、壊れてしまうことも無駄な電流が流れ続けてしまうこともないのです。このように、間違えても大きな問題が起こることがなかったため、2つの規格が共存するややこしい事態が放置されたままなのでしょう。

 ところで、カメラに接続するステレオマイクは同じ3.5mmミニプラグでも4極ではなく3極の物を使用しており、ピン・アサイメントも異なります。従ってイヤホンマイクをカメラの外部マイク入力にそのまま差し込んでも使えません。ステレオマイクのピン・アサイメントを下の写真に示します。

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ステレオマイクのピン・アサイメント

今回は1つのマイクをモノラルマイクとして使いたいので、マイクユニットのプラス端子から出る信号を上のプラグのMIC-RとMIC-Lの両方に入れることにしました。そうすることで再生時に音声が中央から聞こえてくるようになります。ピン・アサインの整合性を取るために次のように配線をし直します。

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まずイヤホンにつながっている2本のリッツ線(赤と青)を切断し、使用しないイヤホンを除去します。その後、切断した2本を束ねてはんだ付けします。表面のエナメル被覆ははんだの熱で溶けてしまいますので、普通にはんだ付けするだけでOKです。これで4極プラグの先端2つの端子が一つに束ねられました。

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次にマイクユニットのプラス端子にはんだ付けされているリッツ線(緑)をマイクユニットのGND端子に移します。これで4極プラグの根元側(先端から4つ目)の端子がGNDに接続されました。

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更に最初に束ねておいた2本のリッツ線(赤と青)をマイクユニットのプラス端子に接続します。これで4極プラグの先端から1番目と2番目の端子がMIC(+)に接続されました。4極プラグの先端から3番目の端子は元々GNDに接続されていましたので、4極プラグは先端から順にMIC(+)、MIC(+)、GND、GNDとなりました。これでステレオマイクの3極ミニプラグと互換性のあるモノラルマイク4極プラグが完成したことになります。あとは殻割りをしたマイクケースを元通りに嵌め込んで超小型マイクの製作は完了です。

 次に、作製した超小型マイクをヘルメットに仕込みます。視界の邪魔にならず、風の影響を受けず、口元に近い場所を探すと、チークパッドの前端が良さそうなことがわかりました。チークパッドを外し、カバーをめくってマイクを発泡スチロール製のチークパッド本体に粘着テープで固定しました。マイクはチークパッドの厚みにすっぽり隠れてしまうので、カバーを被せたらマイクがどこにあるのかさえわからなくなりました。ヘルメットの着脱にも支障はなく、視界も全く妨げないで済みました。音声は想像以上に明瞭に録音できます。あとは実際に走って風切り音がどの程度かをテストしたいと思います。

【追記】
走行中の音声を録音してみたところ、風切り音はほとんど録音されず、肉声とエンジン音のバランスも良いバランスでした。ただし、マイクの出力レベルが予想以上に高く、カメラの方で録音レベルを低く設定する必要がありました。録音の音声レベルを低く抑えさえすれば、音が歪むこともなく適切に録音ができました。

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黄色の丸で示した辺りにマイクが仕込まれている。もはやマイクの存在すらわからない。白いプラグがマイク用。黒いプラグがスピーカ用。




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オートバイにUSB電源を取り付け [ZZ-R1100]

 オートバイに取り付けたナビやカメラの電源をUSB端子から採れると便利なので、ZZ-R1100にUSB端子を付けることにしました。取り付ける製品の条件は、
(1)ON/OFFスイッチがあること
(2)2ポートのUSB電源出力があること
(3)防水仕様であること
としました。アクセサリー電源の系統からではなく、バッテリーから直接配線したかったので、使用しない時に確実にUSB電源が切れるようにON/OFFスイッチ付きの物にしました。また、使用するデジモノはナビとカメラなので、出力は2ポートとしました。これら(1)~(3)の条件を満たす物となるとほとんど選択肢はなく、アマゾンで「SONONIAオートバイ用デュアルUSBポート携帯電話充電器ソケット電源スイッチ付き」という製品を購入しました。注文すると4~5日で中国から簡素な梱包袋に入った製品が直接届きました。

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本体には1.5メートルのケーブルとヒューズが付いていました。付属のハンドルバーマウントは、色々な太さに対応できるように帯状のゴムシートが3枚付いていました。更に黒い結束バンドが4本付属していました。USBポートとヒューズケースには一応ゴムのカバーとブーツが付いていますが、防水性能はあまり期待できない感じの緩さでした。動作チェックのために12Vの電源に接続してみました。出力電圧を測定すると、2ポートとも5.13Vが出力されていました。消費電流を測定すると、スイッチOFFの時には0mA、スイッチONで無負荷の時には22mAが流れました。スイッチOFFでは完全にバッテリーから切り離され、スイッチONではほとんどON表示用のLEDしか電力を消費しないことが確認できました。

 次に取付方法を考えます。ZZ-R1100はセパレートハンドルで、しかもハンドルパイプが露出している部分がありません。そのため素直に取り付けられそうな場所が見つかりません。ステーを自作することも考えましたが、付属のハンドルバーマウントがぎりぎりグリップラバーの上からでも入る太さでしたので、とりあえず左グリップの根元に付けてみることにしました。クラッチやウインカーの操作には何とか支障はなさそうです。配線はキーシリンダーの右下にハーネスのクランプリングがありますのでそこを通して、他のハーネスと同じようにフレーム前方の穴を経由して内部へ引き込むことにしました。あとはエアクリーナーボックスの右側を通してフレーム沿いにバッテリーまで導きます。ところが悲しいことに1.5メートルでは配線がわずかに足りませんでした。

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仕方がないので配線の途中を切断して同じような太さの電線で延長します。安物のスピーカーケーブルが丁度良い太さでした。芯線をはんだ付けしたら熱収縮チューブで絶縁します。外側も熱収縮チューブで保護しておきました。

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ケーブルが延長できたら車両に実装します。他のハーネス類と一緒にキーシリンダの右側のクランプリングを通して、さらにフレーム右側の穴から車体の内部へ引き込みます。

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その先も他のハーネスと同じようにフレーム右側に沿ってバッテリーまで導いて行きます。必要に応じて結束バンドを使用してケーブルを固定します。通電チェックをしてOKならばガソリンタンクを元通りに取り付けて作業終了です。

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スイッチをONにしてナビとカメラを同時に作動させてみました。両者とも充電が開始され、一応問題なく動作しているようです。ステアリングを左右に一杯に切って、部品の干渉やケーブルの張りがないかもチェックしましたが、特に問題はなさそうでした。

 この製品はスイッチのストロークとクリック間が充分にあり、手袋をしていても確実に操作できます。また、ONの時には赤いLEDが点灯するので、スイッチの切り忘れもなさそうです。ただ、左手のスペースが狭くなってしまったので、長距離走った時に悪影響が出ないかが少々心配です。運転に支障が出た場合には取り付け場所を変更しようと思っています。欲を言えば、ヒューズケースがUSB端子に近い所ではなく、バッテリーに近い所に付いていて欲しかったです。その方が取り付けの収まりが良く、防水の面でも有利であることと、万が一配線の被覆が溶けてショートしてもヒューズが溶断して火災を防げる確率がより高くなり、安全上も有利です。気が向いたらヒューズケースをバッテリー側に移動させる改造を行うかも知れません。


【追記】

 オートバイ用品を扱う株式会社デイトナから「マルチバーホルダー」というシリーズ名で様々な取り付け方法に対応する金物が発売されているのを見つけました。その中から「マスターシリンダークランプ ショートタイプ」(品番92746)という物を購入して取り付けました。ブレーキやクラッチのマスターシリンダ(フルードが入っているところ)をハンドルに取り付けている2本のボルトを利用して固定できるようになっています。ボルトは付属の長い物に交換します。強度も充分で、ウインドスクリーンにも干渉せず、USB電源をすっきりと取り付けることができました。

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オートバイにカメラを取り付け [ZZ-R1100]

 前回紹介したソニーのコンパクトデジタルカメラDSC-RX0は、ちょうど35mm銀塩フィルムの箱くらいのサイズなので、オートバイに取り付けて動画を撮るのに最適です。ソニーはこのカメラをアクションカムではなくコンデジのCyber-shotという位置付けにしていますが、動画撮影機能は非常に充実しています。実際、ソニーのホームページではこのカメラを映像制作の現場で使用している例を紹介しており、動画撮影用のオプションも数多くラインアップされています。今回、RX0をZZ-R1100のサイドミラーに取り付けてみることにしました。取り付けに当たってはアクションカム用のオプションとして販売されている「ロールバーマウントVCT-RBM2」を使用しました。このマウントには様々な太さの物に取り付けられるように、直径25mm~45mm用の固定バンド(小)と、直径45mm~65mm用の固定バンド(大)が付属していました。サイドミラーには(小)のバンドがぴったりでした。このロールバーマウントとカメラの間に「モーターバイブレーションアブソーバーAKA-MVA」を挿入するとエンジンからの振動の影響が軽減できるとソニーのホームページに書いてありましたのでそちらも購入しましたが、挿入すると余計に大きな振動が増えて逆効果でした。マウントに直接カメラを固定したら、何の問題もなく撮影できました。

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2か所の関節で上下左右方向に角度合わせができる

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防振効果を期待して購入したモーターバイブレーションアブソーバーは逆効果であった。無い方が良い。

 試しにオートバイを走らせて動画を撮影してみました。雨が降ったり止んだりの天気でしたが、防水仕様なので何の心配もなく録画することができました。下にその一部を紹介します。アップロードするまでにかなり画質が低下してしまいましたが、元のファイルをフルハイビジョンのテレビで見ると充分に満足できる画質でした。各社から発売されているアクションカムは画角が広いので、見ていて画面の周辺部で像が歪むことが気になっていました。しかしRX0は35mm換算で24mm相当の画角なので、そのような違和感を感じることはありません。今まで動画撮影には全然興味がなかったのですが、こうして撮った画像を大画面で見てみると、ツーリングが2度楽しめて案外面白いかも、と思えてきました。






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早すぎる梅雨明け [ZZ-R1100]

 6月29日に気象庁から「関東甲信地方が梅雨明けしたと見られる」との発表がありました。比較的梅雨明けが早かった去年と比べても7日も早く、平年よりも22日も早いということです。今後の猛暑や水不足が心配です。
 気象庁のデータを調べてみると、記録が残っている1951年以降では6月中に梅雨明けしてしまうのは今年が初めてでした。過去に一番早かった梅雨明けは7月1日(2001年)でしたので、それを2日更新したことになります。反対に一番遅かった梅雨明けは8月4日(1982年)でした。
 ちなみに、梅雨入りの方は一番早かったのが5月3日(1963年)で、一番遅かったのが6月22日(1967年と2007年の2回)でした。今年は6月6日でした。入梅が早かった1963年はほぼ3ヶ月間梅雨が続いたようです。それと比べれば1ヶ月足らずで明けてくれた今年の方が嬉しいですね。
 梅雨明け記念にという訳ではありませんが、軽くオートバイで走って来ました。涼を求めて標高の高い箱根の大観山を目指しました。下界は蒸し暑かったのですが、1,000メートル登ると気温は10℃ほど低く、心地良い風が吹いていました。早すぎる梅雨明けのためか、いつもなら多くのライダーで賑わう駐車場は閑散としていました。

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神奈川県道70号線秦野清川線 [ZZ-R1100]

 神奈川県道70号線は秦野市内の国道246号線名古木(ながぬき)交差点から清川村の県道64号線宮ヶ瀬北原交差点までを南北に結ぶ約30kmの峠道です。丹沢山地を南北に通り抜けられる唯一の舗装路で、途中のヤビツ峠を境に南側を表ヤビツ、北側を裏ヤビツと呼ぶこともあります。高低差は6百数十メートルに及び、林道の面影を色濃く残しています。
 南側から登ると、しばらくは大山に向かって緩やかな上り坂が続きます。すると突然に道路の真ん中に大きな鳥居が現れます。これは1859年(安政6年)に建てられた「小蓑毛の鳥居」で、ここから先は大山の神域であることを示します。沿道には小さな祠や石仏がいくつも見られ、この道が古くから大山詣のルートの一つであったことを感じさせます。

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大山(中央の高い山)に向かって緩やかに登って行く


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小蓑毛の鳥居。ここからは大山の神域であることを示している。


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沿道には小さな祠が点在する


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沿道のポピー畑


 民家がなくなり森林が深くなってくると1~1.5車線の山岳道路となります。ブラインドコーナーの連続なので走行には注意が必要です。標高550メートル付近には菜の花台展望台があり、相模湾全域から富士山までを見通すことができます。


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晴れた日には富士山が良く見える。中央の屋根は菜の花台展望台。


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菜の花台からの市街地と相模湾の眺め


 標高761メートルのヤビツ峠を抜けて清川村に入るとさらに林道の趣が増します。近くに渓流が流れていて釣り人を見かけることはありますが、表ヤビツに比べると人の気配がめっきり減少します。路面が荒れているところも多く、落石や木の枝などが散乱していますので、走行には一層の注意が必要です。県道64号線とぶつかるとそこが終点となり、宮ヶ瀬湖畔の立派な舗装路につながります。

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