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SOFTLY [その他]

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 6月22日に山下達郎さんのニューアルバム「SOFTLY」が発売されました。2011年の「Ray Of Hope」以来、なんと11年ぶりのオリジナルアルバムになります。1976年にシュガー・ベイブを解散してソロ活動を開始してから46年間のキャリアで通算14枚目のアルバムですから、寡作なアーティストと言えるでしょう。作品を丁寧に作り上げ、自分が満足できるものしか世に出さないというこだわりの表れだと考えられます。

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専用のパッケージに梱包されて配送されてきた

 事前予約していた「SOFTLY」は専用のパッケージに梱包されて配送されて来ました。CDのジャケットにはヤマザキマリさんが描き下ろした達郎さんの肖像画が使用されています。ブックレットにもヤマザキマリさんが描かれたスケッチが多数ちりばめられています。達郎さんは20代の頃から肖像画を描いてもらうことに憧れていたそうで、今回親交のあるヤマザキマリさんに依頼することで願いが叶ったとおっしゃっていました。アルバムタイトルの「SOFTLY」には、この動乱の時代を音楽で優しく柔らかく包みたいという願いが込められているそうです。アルバムには全15曲が収録されていますが、ほとんどがドラマや映画やCMのタイアップ曲として過去にリリースされた曲なので、新曲は3曲しかありません。11年も待たされた割には新鮮味に欠けますが、全曲新しいミックスでイマドキの音作りになっており、音質も向上しています。10曲目の「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」はロシアのウクライナ侵攻が始まる前に作られたものと思われますが、奇しくも世相を反映した反戦ソングとして注目されて行きそうな気配がします。これは11年前の「Ray Of Hope」に収録されていた「希望という名の光」が震災後の応援歌として捉えられてきたことと重なります。アルバムの発売時期と世の中の出来事は意図して合わせられるものではないですが、時代を感じ取る嗅覚のようなものがこのような偶然を呼び寄せているのではないかと思わざるを得ません。
 個人的にこのアルバムのベストトラックだと思うのが「ANGEL OF THE LIGHT」です。2008年に発売されたCDシングル「ずっと一緒さ」のカップリング曲で、NikonのCM曲としても使用されていましたが、アルバムには初収録となります。作詞は2013年に亡くなられたAlan O'Dayさんで、達郎さんとの最後の作品になってしまいました。哲学的で奥深い歌詞と、切なくも暖かい達郎さんのメロディーが心に響きます。このアルバム「SOFTLY」のテーマに一番マッチしている曲ではないでしょうか。素晴らしい詞と曲が出会ったときに作品の魅力が1+1=2ではなく3にも4にもなり得るということを示している素晴らしい楽曲だと思います。
 御年69歳の山下達郎さん。今後も日本の音楽シーンを牽引して行かれることと思いますが、あと11年後には80歳になってしまいますから(聴き手の方も年寄りになってしまいますから)もう少しペースを上げて次のアルバムを制作していただけると嬉しいです。

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ヤマザキマリさんのスケッチが良い味を出している

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楽天ブックスで注文したらアクリルコースターがオマケに付いて来た

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腰越珈琲 [FE 24mm F2.8 G]

 鎌倉市の最南西部にある腰越地区は古くから鎌倉への入り口としての宿場や漁業で栄えていた地域です。街の中心を江ノ電が走り、腰越駅やSLAM DUNKで有名になった鎌倉高校前駅が置かれています。江ノ電の道路併用区間はこの地域にあります。この辺りを散策する際に必ず立ち寄るのが「腰越珈琲」です。腰越珈琲は知る人ぞ知る隠れ家的なカフェで、腰越漁港と江ノ電・腰越駅の間の狭い路地裏にあります。ランチメニューやデザートは美味な上にお値段はリーズナブル。丁寧に淹れてくれるコーヒーはおかわり自由なのです。そして何よりペット同伴可なのが犬連れにはありがたいです。古い民家をそのままカフェにしているので、友達の家に遊びに来たような感覚でついつい長居したくなります。この日オーダーしたのはハンバーグプレートでした。地元産の牛肉と豚肉の合い挽きを使ったハンバーグは弾力のある食感とハーブの風味がとても美味しかったです。他にもワッフルのアイスクリーム添えや、好きなだけ具材が選べるホットサンドなど満足度が高いメニューがたくさんあります。

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古い民家がそのままカフェになっている

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こんな路地裏にある

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アタシもくつろげるワン

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江ノ電の道路併用区間

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鉄道では日本一きつい半径28メートルのカーブ

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ブレーキフルード交換 [ZZ-R1100]

 ツーリングのベストシーズンがやって来ましたので、本格的に走り出す前にリアブレーキのフルードを交換しておくことにしました。フルード交換はいつもエア抜きの必要がないシリンジを使った方法で行っています。ブレーキキャリパーのブリーダーにチューブを接続し、チューブの他端をシリンジで吸い上げてフルードを抜く方法です。

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まずはシートの下にあるリザーバータンクの周りをウエスで養生します。ブレーキフルードは塗装面を腐食させる性質があるため、万が一溢れても周りの部品に付着して塗装を傷めることがないようにしておきます。養生が済んだらセンタースタンドなどで車体を垂直にしてキャップを開けます。

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劣化のためか若干色が濃くなっていました。次にブレーキキャリパーのブリーダーに内径4mmのシリコーンチューブを接続します。そしてチューブの他端にはシリンジを接続し、プランジャを少し引いてチューブ内を負圧にしておきます。これはブリーダースクリューを緩めた時にブリーダーからキャリパー内に空気が流入しないようにするためです。

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2つあるうちの1つのブリーダーはここ

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ブリーダーに内径4mmのチューブを接続し10mmのレンチをかけておく

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チューブの他端にはシリンジを接続し、若干プランジャを引いてチューブ内を減圧しておく

準備ができたらゆっくりとブリーダースクリューを緩めてフルードが出て来るのを確認します。フルードが出始めたらシリンジからプランジャを引いてブレーキ内部のフルードを吸い出します。この時、リザーバータンクが空になると空気が入り込んで、後でエア抜きが必要になってしまいますので、空にならないように新しいフルードをリザーバータンクから注ぎ足して行きます。シリンジが一杯になったら一旦ブリーダースクリューを閉めて、シリンジをチューブから外してフルードを捨てます。空になったシリンジを再びチューブに接続し、プランジャを引いてチューブ内を減圧したらブリーダースクリューを緩めてシリンジによるフルードの抜き取りを続けます。この作業を2~3回繰り返してブレーキ内が充分に新しいフルードと交換できたらブリーダースクリューを締めておきます。


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ブリーダースクリューを緩めたらプランジャを引いてフルードを抜き取る

ただしZZ-R1100のブレーキは対向ピストンなので、ブレーキディスクの反対側にもう一つブリーダーがあります。こちら側にも古いフルードが残っていますので、同じ要領で反対側のブリーダーからもフルードを抜いておきます。キャリパーの両側から古いフルードが抜けたら確実にブリーダースクリューが締まっていることを確認します。そしてリザーバータンクのフルード量を適正範囲に調整します。更にブレーキ周辺をパーツクリーナーで洗浄してフルードが残っていないようにしたら作業完了です。ブレーキ操作をしてタッチがスポンジーでないことを確認して、最後にブリーダーにゴムキャップをして水や塵が入り込まないようにしておきましょう。

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対向ピストンブレーキの場合ディスクの反対側にもう一つブリーダーがある場合がある。こちらも忘れずに。

 エア抜き作業を不要にするためにわざわざシリンジを使ってフルードを抜いたのですが、実は今回シリンジのプランジャを大きく引いた際に、勢い余ってリザーバータンクを空にさせてしまいました。ブレーキラインにエアを噛んでしまった場合は、何回もブレーキ操作をしてブリーダーからフルードを排出させて、泡が出なくなったらブレーキをかけたままブリーダースクリューを締める、というエア抜き作業をしなければなりません。これがフロントの左側キャリパーの場合だとブレーキ操作とブリーダースクリューの開け閉めを一人ではできないため、誰か他の人にブレーキを操作してもらうか、ブレーキをかけた状態でバンドなどを使ってブレーキレバーを固定しなければならず、とても面倒なのです。しかし幸いリアブレーキだったので、ブレーキペダルとブリーダースクリューが近い距離にあり、右手でブレーキ操作、左手でブリーダースクリューの開け閉めを行うことができ、事なきを得ました。

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ブリーダースクリューの拡大写真

 ところでブリーダースクリューの構造は上の写真のようになっています。左の先端がテーパー状になっており、その近くに横穴が開いています。この横穴はスクリュー軸の中心にあるフルードの排出穴につながっています。一方でブレーキキャリパーのネジ穴の一番奥はすり鉢状になっています。ブリーダースクリューを一杯に締め込むとこのテーパーとすり鉢がぴったりと摺り合わされてブリーダーを閉じることができます。スクリューを緩めるとテーパーとすり鉢の間に隙間ができてフルードが漏れ出し、横穴を通って排出穴からフルードが排出されます。このような構造ですから、あまり強くブリーダースクリューを締め過ぎるとキャリパーのすり鉢状の所を変形させてしまいます。そうなったら大変です。フルードの漏れが止まらなくなり、キャリパーをオーバーホールしなければなりません。なのでブリーダースクリューの締め付けはほどほどにしておく必要があります。

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