SSブログ

SOFTLY [その他]

DSC03652 (1).JPG

 6月22日に山下達郎さんのニューアルバム「SOFTLY」が発売されました。2011年の「Ray Of Hope」以来、なんと11年ぶりのオリジナルアルバムになります。1976年にシュガー・ベイブを解散してソロ活動を開始してから46年間のキャリアで通算14枚目のアルバムですから、寡作なアーティストと言えるでしょう。作品を丁寧に作り上げ、自分が満足できるものしか世に出さないというこだわりの表れだと考えられます。

DSC03650 (1).JPG
専用のパッケージに梱包されて配送されてきた

 事前予約していた「SOFTLY」は専用のパッケージに梱包されて配送されて来ました。CDのジャケットにはヤマザキマリさんが描き下ろした達郎さんの肖像画が使用されています。ブックレットにもヤマザキマリさんが描かれたスケッチが多数ちりばめられています。達郎さんは20代の頃から肖像画を描いてもらうことに憧れていたそうで、今回親交のあるヤマザキマリさんに依頼することで願いが叶ったとおっしゃっていました。アルバムタイトルの「SOFTLY」には、この動乱の時代を音楽で優しく柔らかく包みたいという願いが込められているそうです。アルバムには全15曲が収録されていますが、ほとんどがドラマや映画やCMのタイアップ曲として過去にリリースされた曲なので、新曲は3曲しかありません。11年も待たされた割には新鮮味に欠けますが、全曲新しいミックスでイマドキの音作りになっており、音質も向上しています。10曲目の「OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)」はロシアのウクライナ侵攻が始まる前に作られたものと思われますが、奇しくも世相を反映した反戦ソングとして注目されて行きそうな気配がします。これは11年前の「Ray Of Hope」に収録されていた「希望という名の光」が震災後の応援歌として捉えられてきたことと重なります。アルバムの発売時期と世の中の出来事は意図して合わせられるものではないですが、時代を感じ取る嗅覚のようなものがこのような偶然を呼び寄せているのではないかと思わざるを得ません。
 個人的にこのアルバムのベストトラックだと思うのが「ANGEL OF THE LIGHT」です。2008年に発売されたCDシングル「ずっと一緒さ」のカップリング曲で、NikonのCM曲としても使用されていましたが、アルバムには初収録となります。作詞は2013年に亡くなられたAlan O'Dayさんで、達郎さんとの最後の作品になってしまいました。哲学的で奥深い歌詞と、切なくも暖かい達郎さんのメロディーが心に響きます。このアルバム「SOFTLY」のテーマに一番マッチしている曲ではないでしょうか。素晴らしい詞と曲が出会ったときに作品の魅力が1+1=2ではなく3にも4にもなり得るということを示している素晴らしい楽曲だと思います。
 御年69歳の山下達郎さん。今後も日本の音楽シーンを牽引して行かれることと思いますが、あと11年後には80歳になってしまいますから(聴き手の方も年寄りになってしまいますから)もう少しペースを上げて次のアルバムを制作していただけると嬉しいです。

DSC03660 (1).JPG
ヤマザキマリさんのスケッチが良い味を出している

DSC03664 (1).JPG

DSC03666 (1).JPG

DSC03658 (1).JPG
楽天ブックスで注文したらアクリルコースターがオマケに付いて来た

nice!(27)  コメント(2) 
共通テーマ:アート

nice! 27

コメント 2

imarin

私も買いました。
いつまでもセンスと声が衰えず素晴らしいですよね。
最近、昔から聴いてきたミュージシャンの引退が続いていて切ないです。
by imarin (2022-06-28 06:57) 

ZZA700

imarinさん
半年で約50本のライブ公演を行うと言うのですから驚きですね。いつまでもお元気で活躍していて欲しいです。
拓郎さんは引退宣言しちゃったし、陽水さんは何年も音楽活動していないし、時代が移り行くのを感じます。そんな中で桑田佳祐さんたちの「時代遅れのR&R band」には元気をもらいました。みんな格好良いですよね^^
by ZZA700 (2022-06-28 09:46) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。