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高音質CDでジャズを聴く [audio]

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 いよいよ10連休の大型ゴールデンウィークが始まりました。海外旅行者数は過去最高、高速道路は連休中毎日渋滞が予想されています。こんな時は敢えて遠出はせず、家で好きな音楽を楽しむのも良いのではないでしょうか。今日は高音質でジャズ・ボーカルが聴けるCDと、それらを歌う女性シンガーを紹介します。


【Take Love Easy / Sophie Milman】
 Sophie Milmanは1983年にロシアで生まれました。7歳の時にイスラエル、15歳の時にカナダへ移住し、現在もカナダで活躍するジャズ・シンガーです。トロント大学の学生でもあり、2児の母でもあるということです。2枚目のアルバム「Make Someone Happy」(2007)ではカナダのグラミー賞と言われるジュノー賞の最優秀ボーカルジャズアルバム賞を受賞しています。Soft and Cool voiceで知られたPeggy Leeと比較されることが多く、Sophieの歌声は「煙ったラウンジやグラスの音、夜風の冷たさを想起させる」などと形容されています。多彩な文化の中で育った彼女が歌うジャズはアメリカ人やカナダ人のそれとは一味違うテイストを持っています。
 「Take Love Easy」(2009)はSophie Milmanの3枚目のアルバムになります。スタンダード・ジャズのみならず、Joni Mitchellの「Be Cool」、Bruce Springsteenの「I'm on Fire」、Antonio Carlos Jobinの「Triste」、Paul Simonの「50 Ways to Leave Your Lover」をカバーし、フォーク、ロック、ボサノバ、POPSなどあらゆるジャンルの音楽をJazzyに歌い上げています。Sophieの声はクールすぎるくらいクールです。幼ささえ感じさせる容姿とは裏腹に非常に姉御的な歌い方をします。しかし、例えばDiana Krallの姉御っぽさが「私について来なさい」的な包容力を感じさせるものとすれば、Sophie Milmanのそれはどこか突き放したような悪く言えば感情を押し殺した冷たさを感じます。録音も彼女の歌声に合わせてクールで端整な音質に仕上げられています。レコーディングはカナダのフリーランスエンジニアJohn 'Beetle' Baileyが担当しています。写真のCDはamazonで購入した輸入盤なのですが、紙ジャケ仕様のため表面が擦れてすぐにボロボロになってしまいます。通常のプラスチックケース仕様が選べるようにしてもらいたかったです。また、これは個人的な感想ですが、ジャケットの写真が安っぽい週刊誌のようでとても残念です。

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【Heart First / Halie Loren】
 Halie Lorenは1984年にアラスカ州のシトカで生まれ育ちました。幼少期にジャズやカントリーを好んで聴き、10歳の頃には地元のイベントなどの人前で歌って喝采を浴びていたそうです。大抵の少年少女がPOPSに傾倒する11歳頃からDiana Krallのジャズに深く影響を受けていたと言いますから、相当におませな少女だったのでしょう。13歳でオレゴン州に移り住み、15歳の頃からはプロとして歌い始めていたそうです。Halieはオレゴン大学でビジュアルアートの学位を取得しています。メジャーデビューアルバム「They Oughta Write a Song(邦題:青い影)」(2008)が日本を皮切りに北米でも大ブレイクし、Billboard、amazon、iTunesなどのトップチャートに名を連ねるようになりました。2011年の東日本大震災の際にはいち早く被災者を憂慮するメッセージを発信すると共に、地元オレゴン州でチャリティーコンサートを開催するなど親日家でもあります。
 「Heart First」(2011)はHalie Lorenの5枚目のアルバムになります。スタンダード曲に交じってシャンソン、レゲエ、ラテンや彼女自身のオリジナル曲も含まれています。12曲目の「In Time」は東日本大震災の被災者に捧げるためにHalie自身によって作られたオリジナル曲で、「時が全ての傷と悲しみを癒してくれますように」とのメッセージが添えられています。日本版にはボーナストラックとして「いとしのエリー」の英語詞曲「Ellie, My Love」とLouis Armstrongの「What a Wonderful World」が収録されています。Halie Lorenは上述のSophie Milmanとは対照的に過剰なほどに感情を込めて歌います。妖艶な色香を放つ高音部のウィスパーボイスは彼女の特徴的な歌唱法と言えるでしょう。また、拍や旋律を原曲からずらして歌うことでオリジナリティを加えようとする試みが随所に見られます。しかし個人的には「Taking a Chance on Love」や「Fly Me to the Moon」はやや崩し過ぎのような気がします。Halieはアートを学んだだけあって、彼女自身がセルフプロデュースしたこのアルバムのビジュアルデザインは秀逸です。Halieの妖艶な歌声のイメージに相応しく、ジャケ買いを誘う出来栄えです。

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【Home / Jane Monheit】
 Jane Monheitは1977年にニューヨーク州のロングアイランドで生まれました。彼女の祖母と叔母がプロのシンガー、母親がミュージカル俳優という環境で育ち、幼少期から音楽センスが磨かれて行きました。10代の頃は学校でクラリネットや音楽理論も学びました。その後、声楽を学ぶためにマンハッタン音楽学校に入学し、1999年には首席で卒業しています。現在彼女のバンドのドラマーであり夫でもあるRick Montalbanoとは同校で出会い、卒業後に結婚しています。1998年、20歳の時にセロニアス・モンク・ジャズ・インスティチュートのボーカル部門で2位を獲得し、メジャーデビューのきっかけをつかみました。デビューした後はレーベルを転々とし(私が把握しているだけでも7つのレーベル)、現在は自主製作CDのオンラインショップ「CD Baby」がディストリビュータとなっているようです。
 「Home」(2010)はJane Monheitの10作目のアルバムで、Emarcyレーベルから発売されました。そのタイトルが示す通り、Janeが拠り所としているスタンダード・ジャズの黄金時代を象徴する12曲を選曲しています。それらを作詞または作曲したArthur Schwartz、Richard Rodgers、Lorenz HartらはJaneが最も敬愛する作家たちなのだそうです。以前にも書きましたが、彼女はジャズシンガーとしては珍しく伸びやかで透明感のある美声の持ち主です。正確な音程と相まって、どんな曲でも安心して心地良く聴いていられます。彼女お得意のスキャットは奔放に跳ね回るように歌われますが、正確な音程とリズム感が故に、即興的な雑味を一切感じません。このアルバムでも彼女の魅力が遺憾なく発揮されています。

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道端に咲く花 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]

花壇に植えられた花も綺麗ですが、道端に人知れず自生する花には一層の美しさを感じます。踏みつけられても、除草されても毎年逞しく咲く花。時に「雑草」と一括りにされてしまいますが、雑草というカテゴリーは人間の勝手な都合で作られたもの。どんな草花にも名前があり、どの植物も区別なくみな尊いと思うのです。

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桜・菜の花・花韮 [135mm F2.8 [T4.5] STF]

 気温が乱高下する今日この頃ですが、様々な花が一斉に咲き始めたのを目の当たりにすると、季節は着実に春本番へ向かっていることを実感します。桜が満開を迎え、菜の花も咲き揃いました。一足先に咲き始めたハナニラは、この後もしばらく人々の目を楽しませてくれるでしょう。

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8の字ターンの練習 [ZZ-R1100]

 暖かい日が多くなり、一気に春めいて来ました。オートバイに乗るには最適な季節の到来です。本格的なツーリングシーズンを前に、基本に立ち返って傾斜走行の練習をしました。傾斜走行とはスラローム、8の字、クランク、S字など、車体を傾斜させて走ることを言い、運転免許試験や競技会などでアクセルワーク、ブレーキング操作、バランス感覚などを試すために行われます。特に、離れた2点の間を8の字を描くように走る8の字ターンは上記の要素を全部含む最も基本的な走行技術と言われています。従って今回は20メートルほど離れた2点に空き缶を立てて8の字ターンの練習を重点的に行いました。
 オートバイという乗り物は速度を上げるほど安定するので、真っすぐ速く走ることはとても簡単です。しかし極低速で車体を傾けると容易に倒れてしまうので、ゆっくりと小さく曲がることが一番技術を必要とします。左回り、右回りの小ターンに加えて、急加速、急減速の練習が一度にできる8の字ターンは運転技術の基本を学ぶには最適な練習法と言えるでしょう。久しぶりに8の字走行をしてみると、最初のうちは全然イメージ通りには走れませんでした。運転感覚を維持するには定期的な練習が必要だと再認識しました。8の字ターンの仕方は色々あるとは思いますが、絶対に転倒しないことを最優先に考えると次のような方法が一つのやり方でしょう。

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 まず、一つ目のターンを終えたらフル加速して次のターンへ向かい、二つ目のターンの手前で急減速します。ギアは終始1速しか使いません。ブレーキはエンジンブレーキとフロント&リアブレーキをバランスよく利かせます。充分に減速したらフロントブレーキをリリースし、ターンの内側に重心を移して故意にバランスを崩します。リアブレーキは引きずったままにして、後輪を中心に円を描くようなイメージで旋回を開始します。するとステアリングが自然に切れ始めますので更にステアリングを一杯まで切り増してターンをします。

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この時重要なのが視線です。後ろを振り向くようにしてターン後に進むべき方向を見ます。上半身を捻って視線と同じ方向に胸を向けるように意識すると良いでしょう。エンジンの回転数を一定に保ち、速度はリアブレーキで調節します。

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旋回中にエンジンの動力が途絶えると転倒しますので、エンジンはある程度の回転数を保ったまま、上半身を内側に倒す角度とリアブレーキの強さで回転半径をコントロールします。クラッチはつないだままにして絶対に切りません。切った途端に転倒します。この方法では鋭くクルっと曲がることは難しいですが、転倒しそうになったらエンジンの回転数を上げれば自動的に車体が起き上がってきますので、転倒の危険性は少ないでしょう。ターン中にエンジンの駆動力を弱めると同時にリアブレーキを完全にリリースするとバランスが崩れて転倒しそうになります。その車体が倒れる力を積極的に旋回に変換してやればより小さな回転半径で鋭く曲がれるのかも知れません。あるいは減速時にフロントブレーキを積極的に使ってフロントフォークを充分に縮めておくことでフロントの回頭性が向上できるのかも知れません。しかしいっぺんに色々なことをやると転倒の危険性が増して怖いので今回は無理せず安全重視で練習を行いました。

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恐怖心が先に立ってしまうとどうしても視線と上半身を次の進行方向へ向けるタイミングが遅くなって大回りになってしまいます。また、セルフステアでステアリングが切れるのを待っていても大回りになってしまいますので、いかに早く視線と上半身の方向を進行方向へ向け、ステアリングをフルロックまで切り増せるかが小回りをするコツだと思われます。言うは易しですが、実際にやってみると案外難しく、奥深さを感じます。上の写真でも、フルステアまで切るタイミングをもっと早くしてコンパクトに曲がりたいところです。上達の近道はありませんから練習あるのみですね。

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8の字の交点付近から撮影

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