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ハルジオンとヒメジョオン [135mm F2.8 [T4.5] STF]

 ハルジオン(春紫苑)とヒメジョオン(姫女苑)は共に北アメリカ原産のキク科の植物で、明治時代前後に日本に入って来ました。今では日本全国どこでも広く見られる帰化植物になっています。いずれも在来植物の生育を脅かすおそれのある要注意外来生物に指定されています。松任谷由実さんの楽曲「ハルジョオン・ヒメジョオン」(1978)でこれらの植物の名を知った方も多いのではないでしょうか。私もその一人で、それまでは「貧乏草」という可哀想な俗称しか知りませんでした。因みにユーミンは韻を踏むためにあえて「ハルジョオン」と表記したのかも知れませんが、植物名としては「ハルジオン」が正しい表記のようです。
 この2つの植物はとても良く似ていて、一見しただけではどちらなのかを判別することが難しいと思います。しかし次の2点を覚えておくと簡単に見分けることができます。一つは花弁の形です。ハルジオンは糸のような花弁であるのに対して、ヒメジョオンは多くの菊に見られるような平らな舌状の花弁を持っています。もう一つは葉の付き方です。ハルジオンは葉の生え際が茎の周囲を取り囲むようになっているのに対して、ヒメジョオンは茎からスッと枝分かれするように葉が生えています。

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これはハルジオン

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上の写真を拡大すると、花弁が糸状になっており、葉が茎を取り囲むように生えていることがわかる

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こちらはヒメジョオン

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これもヒメジョオン

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上の写真を拡大すると、舌状の花弁と、スッと枝分かれした葉の付き方が良くわかる

 上記2点を知っていれば大抵の場合は見分けることができますが、その他にもいくつかの違いが見られます。例えば、ハルジオンの花期が4月から6月の春であるのに対して、ヒメジョオンは5月から8月のどちらかと言うと夏の花になります(今の時期は両方が咲いているので決定的な判断材料にはなりませんが)。また、ハルジオンの蕾は下を向いて首を垂れたような形であることが多いのに対して、ヒメジョオンは上を向く傾向があります。ハルジオンは花の色が少しピンクがかっているものがありますが、ヒメジョオンは白い物が多いという傾向もあります。さらに、茎の内部が空洞なのがハルジオン、白いスポンジ状の組織で満たされているものがヒメジョオンという判別法もあります。

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