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湘南平 [その他]

 神奈川県の大磯町と平塚市の境界付近を流れる花水川の西岸に小高い丘陵地帯があります。高さ200メートル程の泡垂山、浅間山、高麗山の小さな山々が連なってできた丘陵です。その一帯は高麗山公園と呼ばれており、特に頂上付近の平らな部分は湘南平として有名です。湘南平は戦時中の高射砲陣地の跡地で、現在では公園やハイキングコースとして整備されている他、平塚テレビ中継局として電波塔が建てられて神奈川県の南西部にテレビ各局の電波を送信しています。

 湘南平はこの辺りの海岸沿いの平野部では数少ない丘陵の一つであるため360度見通しが良く、夜景が美しい場所として30年ほど前のドライブマップには必ず紹介されていました。そしてその頃から、ここを訪れた恋人たちは電波塔展望台の金網に自分たちの名前や願いを書いた南京錠を取り付けて行くようになりました。今では江ノ島や他の場所でも見られるようになりましたが、ここが日本における「愛の南京錠」の発祥の地と言われています。電波塔がある泡垂山から浅間山、高麗山に至る尾根筋はアップダウンのあるハイキングコースとなっており、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の方々が山歩きを楽しんでいます。


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湘南平にある平塚テレビ中継局の電波塔


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「愛の南京錠」の発祥の地。以前よりもだいぶ数が少なくなったようだ。


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小田原方面を望む


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江ノ島方面を望む


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伊勢原、大山方面を望む


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東京まで平野が続く


IMG_0572(1).JPGiPhone SEによるパノラマ撮影(2016年12月撮影)

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森の中で [35mmF1.4G]

 梅雨の晴れ間に森の中を散策しました。木漏れ日のスポットライトに照らされた足元の小さな植物たちが、まるで森のスターのように見えました。

 この日の機材はα700と35mmF1.4Gのみ。デジタルで写真を撮り始めた頃に一番良く使っていた組み合わせです。当時、光と影の美しさに魅せられて、このような写真をたくさん撮っていました。久しぶりにこの組み合わせで撮ってみると、試行錯誤しながら夢中で写真を撮っていた当時の感覚が蘇って来てとても新鮮でした。思わず「初心忘るべからず」の心境になりました。

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OPPO Sonica DAC [audio]

 音楽の再生には主に1992年製のCDプレーヤ(ソニー製CDP-777ESJ)を使用していますが、25年も使っているといつ壊れても不思議ではありません。壊れて困る前に何らかの対策が必要なのですが、これと同等の性能を持つ新しい製品を買おうとすると、物凄い金額を払う必要がありそうです。しかもCDというパッケージメディアがこの先何年使われ続けるかの保証もありません。従って、そろそろファイル再生に移行する時期と考え、ここ何年かはコツコツと手持ちのCDをNAS(Network Attached Storage)にリッピングする作業を進めていました。その作業がほぼ終了した現在ではリッピングしたファイルから音楽を聴くことも多くなりました。ファイル再生はディスクをCDプレーヤにセットする必要もありませんし、プレイリストを作ることでアルバムの枠を超えて好きな曲を好きな順番で再生することができるので、その便利さを知ったらやめられなくなります。ところがCDプレーヤで再生した時の音質に比べて、ファイル再生(ネットワークオーディオプレーヤとしてソニー製AVアンプSTR-DN1050を使用)した時の音質が明らかに劣ることが大きな問題でした。その原因はDAC(Digital-to-Analog Converter)にあります。バブル経済期に物量を投入して作られたCDプレーヤのDACと、その3分の1以下の価格で7チャンネルものアンプを内蔵しているAVアンプのDACを比較するのは酷ですが、音の深みが全然違うのです。そこで、巷では「価格破壊」とまで言われて大人気のOPPO Sonica DACの導入を検討してみようと考えました。

 Sonica DACは米シリコンバレーにあるOPPO Digital社の製品です。同社はスマートフォンでシェアを伸ばす中国OPPO社のAV部門から派生した会社のようです。Sonica DACにはESS Technology社の最新世代フラッグシップDACチップ「ES9038PRO」が搭載されているとして話題になりました。このチップは今まで数十万円から百万円を超える高級DACに使われて来た物であったため、約10万円のこのDACに搭載されるのは画期的なことでした。もちろんDACの音質はDACチップだけで決まるものではありませんが、雑誌やネットの評判からある程度の水準以上であろうとの期待は充分に持てました。このDACにはネットワークオーディオプレーヤ機能も搭載されており、パワーアンプとスピーカを接続すればそれだけでNASのファイル再生が楽しめます。私が求めている用途にピッタリだと思いました。そこで、3月の終わりにオーディオショップに行って試聴のお願いをしました。ところがこの商品は異常なほどの人気で、ショップには全く在庫がなく、それどころか次の入荷がいつになるかもわからないとのことでした。結局、試聴に漕ぎ着けたのは2ヶ月後でした。試聴させてもらった結果、一定の水準には達しているようでしたのでその場で注文し、その2週間後に手に入れることができました。

 いよいよ2ヶ月半待ち焦がれた商品の開封の儀です。日本の製品には見られないような端正なデザインの段ボール箱を開けてみます。

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すると、中にはPOP(Point Of Purchase advertising)に使うためなのか、製品の特長を印刷した立派なシートが入っていました。

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その下には日本語のユーザーマニュアルと、3極の電源ケーブル(アースあり)と、それを2極(アースなし)へ変換するプラグアダプタが入っていました。

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緩衝材を取り除くと、本体が入っている黒い袋が出てきました。気休め程度の乾燥剤も入っています。

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袋から本体を取り出し、LAN(Local Area Network)やアンプへの接続をしました。LANへの接続は有線でもWi-Fiでも可能ですが、安定性を考慮して有線で接続することにしました。

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筐体の作りは良くできていると思います。フロントパネルやつまみはプラスチック製ですが、天板はアルミの押し出し材を使用しているようで、価格相応の質感と剛性は確保しています。リモコンは付属しておらず、ネットワークオーディオプレーヤとして使用するにはスマートフォンかタブレットが必要になります。使わなくなったiPhone4sに「OPPO Sonica」というアプリをダウンロードしてリモコン代わりにすることにしました。同じLAN上にSonica DACとスマホを接続して簡単な設定を行えば相互に認識し合えるようになります。最初に本体のファームウエアを最新のバージョンに更新するようメッセージが出ましたので、スマホから操作を行ってファームウエアのアップデートを行いました。アップデート後のバージョンはSonica-33-0511となりました。


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比較するのはSonica DAC(上)とSTR-DN1050(下)


 逸る気持ちを抑えて音質を確かめます。音を出してみて最初の印象は、「透明で明瞭な現代的な音」でした。混沌としていた音の塊を解きほぐして、一つ一つの音をクッキリはっきり描き出している感じです。音の消え際は雪の中の静けさを彷彿とさせ、TA2020のD級アンプの音を聞いた時の印象に似ています。肝心のAVアンプ(STR-DN1050)との比較ですが、STR-DN1050が横方向にこぢんまりと焦点の合った音像を作るのに対して、Sonica DACは横方向に音場を拡げて聞かせます。一方で奥行き方向の広がりはSTR-DN1050の方が深い感じがしました。Sonica DACの高音は金属の質感を良く表現していました。音像の定位もしっかり安定しており好感が持てました。しかし、低音の音質がモヤモヤしていてあまり好みではありませんでした。ベースの重低音がボン付き傾向にあり、音程感がありません。実はショップで試聴した時にも同じように感じましたが、それは無造作に棚に置かれたB&Wのスピーカ(CM6 S2)が実力を発揮していないことが原因だろうと思っていました。しかし自宅のスピーカ(日本ビクター製SX-V1)でも同じなので、これはSonica DAC自体の特徴なのでしょう。DAC回路に独WIMA社のフィルムコンデンサを多用していることが一つの原因ではないかと思いました。自作アンプを作る時に、WIMAのコンデンサを使うと定位が良くなるのですが、ドンシャリ傾向が出ることを経験しています。高音が少しだけ歪みっぽく強調され、低音は箱鳴りしているようにダブ付くのです。ネットワークからの再生だけではなく、USB端子も同軸デジタル入力でも同じ傾向の低音でした。これには相当がっかりしてしまい、早々にドナドナに出すことも頭によぎりました。しかし、とりあえずもう少し聴いてみようと思い、数日使い込んだところ、幸運にもだいぶ改善してきて許容範囲に入って来ました。この製品はエージングが必要なのかも知れません。更に、間に合わせでアンプとの接続に使っていた素性不明のケーブルを太いOFC(無酸素銅)ケーブルに変えたところ、薄い霧がすっきり晴れたような印象に変わりました。低音のボン付きがまだ少々気になりますが、もう少しエージングが進めば総合力でSTR-DN1050より良くなる可能性も出て来ました。また、小音量で聞いた時には非常に綺麗な音で鳴ります。これは情報量が多いことを示しているように思えます。


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25歳のCDプレーヤCDP-777ESJ


 ではCDP-777ESJと比べたらどうなるでしょうか。これは残念ながらCDP-777ESJの圧勝でした。奥行き感を感じる音像の定位、金属を叩いた音の質感、締まったベースの音程感、ボーカルや弦楽器の艶感、どれを取ってもCDP-777ESJの方が一枚上手でした。好みの問題もあるでしょうから一概に優劣は付けられませんが、Sonica DACが白いプラスチックフィルムでピッタリと綺麗にラッピングされた物のイメージだとすると、CDP-777ESJは臙脂(えんじ)色のベルベットをふんわりと被せられた物のイメージが浮かびます。CDP-777ESJの音を触覚に例えると、細部の凹凸を必要以上に強調せず、しかし少しザラっとした感触を付け加えながらも心地の良い手触りを感じさせてくれるベルベットなのです。そのような絶妙な味付けのおかげで、そこはかとなく上質感が漂って来るのです。一般に高級オーディオのことをHi-Fi(High Fidelity=高忠実度)オーディオと言いますが、今回の聴き比べを通じて、録音された時の音を忠実に再現するものよりも、多くの人が心地良い、あるいはリアルと感じられる音に味付けできる装置や環境を真の高級オーディオと呼ぶのではないかと思いました。そしてそのような物に対して相応の(時には不相応と思えるくらい高い)対価を払うのがオーディオの世界なのではないかと思いました。そもそも録音時の原音なんて、そこに立ち会った一握りの人しか知り得ず、答え合わせさえできません。忠実度は計測器で測定はできても、ユーザの耳に対しては一般的な指標にはなり得ないのです。

 Sonica DACはハイレゾ時代に相応しい高音のキレ、音の塊を解きほぐす分解能、しっかりした音像の定位、明るく元気な音色、多様な入力やフォーマットに対応する柔軟性、を備えたコストパフォーマンスに優れたDACでした。所期の目的は完全には達成できませんでしたが、これからエージングが進むとどのように化けるか楽しみでもあります。しかし、雑誌やネットで目にする評論家の方々の絶賛の声は少々大袈裟だと言わざるを得ません。「価格破壊」とか「クラスを超えた」とか言う派手な枕詞よりは、「ユーザーの購買意欲を掻き立てるように上手に企画された製品」の方がしっくり来ると思います。

 最後に残念な点を一つ。「OPPO Sonica」アプリでDLNAサーバの同一フォルダにある複数のファイルを連続して再生すると、各曲の先頭で一瞬音が途切れてブツッとノイズが乗ります。USB接続したHDDのファイルを再生する時も同じです。これでは気になって音楽を楽しめません。同じファイルを他社のネットワークプレーヤ(ソニー、TEAC、オンキョー)で再生してもノイズは発生しないので、おそらくSonica DACのファイルの読み出し方、特にバッファの使い方か何かに問題があるものと思われます。OPPO Japanにはメールでフィードバックを送りましたが何の回答もありませんでした。是非とも次のファームウエア・アップデートで直していただきたい点です。これが直らない限り、ネットワークプレーヤとしては使い物になりません。苦肉の策としてオンキョーのネットワークCDプレーヤ(C-N7050)でファイルを読み出し、同軸デジタル出力でSonica DACに送ってD/Aコンバートさせて使うことにしました。この方法だとDSDはデジタル出力されませんが、WAVやFLAC(サンプリング周波数192kHz以下)なら問題なく再生できます。また、オンキョーのiOS用コントロールアプリが使いやすいことと、スマホやタブレットがなくても付属のリモコンからファイルの選択ができるというメリットもあります。

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花盛り [35mmF1.4G]

春から初夏にかけて色々な花が一斉に咲き始めます。今が一番花の種類が多い季節かも知れません。

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タグ:植物 35G
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