タイヤ交換 [Lexus IS 300]
桜のシーズンも終わり、もう雪が降る心配はなくなったのでクルマのタイヤをスタッドレスからノーマルタイヤに戻しました。Lexus IS 300は最低地上高が140mmしかない上に、ガレージジャッキをかけられる場所が奥まっているために、ジャッキアップしようにもポンピング・レバーをストロークさせることができません。そのため、スロープに乗って予めフロアを高くしておく必要があります。市販のカー・スロープは案外値段が高いので、SPF材の1×6規格の板を積み重ねてスロープを作製しました。クルマSNSの「みんカラ」界隈では定番となっているもので、少し前にSSブログのJM7XZCさんのところでも紹介されていました。長さ6フィート(1820mm)の1×6材を210、270、330、390、600mmの5種類の長さにカットして長い順に積み重ねて行くだけで作製できます。210+390=270+330=600となっているので、階段状の部分を向かい合わせると2つのカー・スロープが長さ600mmの直方体になって、使わない時にはコンパクトになるのが設計の妙です。タイヤが当たる板の角は軽く鉋(かんな)とサンドペーパーをかけて面取りしました。板の接合には呼び径3.8mm×長さ32mmのコーススレッドを使用しています(下穴径3.0mm)。コーススレッドはネジ山の間隔が広く、ネジ溝が深い、電動工具を使って作業するための木工用ビスで、釘の数倍の強さで2つの木材を接合することができます。タイヤと接する表面にネジの頭が出ないようにフレキ加工がされたコーススレッドを使用しました。通常のコーススレッドはネジの頭がラッパのような滑らかな形状をしているのですが、フレキタイプはネジ頭の裏にフィン状の突起が設けられていて、ネジを締めた時にフィンが木材を削って頭が沈み込むようになっています。
以下、タイヤ交換の作業手順です。スロープに前輪または後輪を載せたら、スロープに乗っていない方のタイヤには必ず輪止めをしておきます。スロープに乗っているホイールのハブボルトを左右とも少しだけ緩めた後にジャッキアップします。IS 300のジャッキアップポイントはフロントがフロントサブフレームの中央(アンダーカバーの直後/メンバーブレース取付部の直前)、リアはディファレンシャルになります。両輪が宙に浮いたら念のためボディーサイドのジャッキアップポイント(板金のエッジに設けられた2つの半円状の切欠きの間)にウマ(リジッドラック)をかけておきます。ここまで準備ができたらホイールを外して行きます。このクルマは一般的な国産車のようにハブからスタッドボルトが生えていてホイールをナットで固定するタイプではなく、欧州車と同じようにハブにボルトを直接ねじ込んでホイールを固定する方式を採用しています。M14の太いボルトを使えるようになったことから、ホイールをよりリジッドに固定できるようになりました。しかしこの構造は、ボルトを全部外してしまうとホイールはセンターハブのわずかな突起に引っかかっているだけの状態となるので、ホイールを取り出す際や、不意にホイールが落下した場合にはブレーキやホイールを傷つけてしまうおそれがあります。それを防ぐために、ハブボルトを外したら代わりにホイールセッティングボルトをねじ込んでおきます。ホイールセッティングボルトがあると、ホイールを嵌める際にも位置決めが楽になります。このようにしてタイヤを入れ替えてハブボルトを仮締めしたら、ジャッキを下ろしてタイヤを接地させ、ハブボルトをトルクレンチでメーカ指定の140 N・mまで増し締めします。前後輪ともタイヤ交換が終わったら空気圧センサの登録と初期値セット(手順はこちら)を行って作業完了です。空気圧センサの登録のためにしばらく走行した後にはもう一度トルクレンチで締め付けを確認しておくと良いでしょう。
ボルト締結タイプのクルマにはホイールセッティングボルトは必需品
6フィートの1×6材を使用して作製したカー・スロープ
板材の接合にはフレキ加工付きのコーススレッドを使用した。ラッパ部分にフィンが付いているので頭が沈み込む。
フロントのジャッキアップポイント(写真下側がフロント側)。奥過ぎてジャッキのポンピングができない。
リアのジャッキアップポイント(写真下側がフロント側)。定番のデフが指定されている。
ボディーサイドのジャッキアップポイント。ここにウマをかける。欧州車のように平面のパッドにしてくれたら良いのに。
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