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富士山の雪 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]

 この冬は太平洋側の降水量が少なかったためか、例年に比べて富士山の冠雪量が少ない日が続いていました。しかしここ1~2週間で急激に積雪量が増え、やっと平年並みの冬の富士山の姿が見られるようになりました。穏やかな快晴の週末、海岸では冬の富士山をバックに思い思いに過ごす人々の姿が見られました。

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 上の1枚目は焦点距離50mmのレンズで撮影した写真で、ほぼ見た目の印象と同じように撮れています。一方、下の2枚目以降は焦点距離200mm~300mmのレンズで撮影した写真で、手前の人物と背景の富士山との距離が縮まって見えます。この効果を「圧縮効果」と言い、写真の表現手段の一つとして頻繁に使われます。最近ではコロナ禍で人の往来が密な状態である印象を抱かせる映像を撮るために多用されています。品川駅の通路や浅草の仲見世を遠くから望遠レンズで撮影して、前後の人の距離が実際よりも近付いて見えるようにしているのがそれです。圧縮効果を得るには近付けたい複数の被写体がカメラから遠い距離にあることが重要です。望遠レンズでなければ圧縮効果が得られないかのように書かれている解説を良く見かけますが、正確に言うと圧縮効果はレンズの焦点距離や画角には依存しません。その証拠に、広角レンズで撮影した写真から遠くにある複数の被写体部分をトリミングした映像と、同じ被写体を望遠レンズで撮影した映像は全く同じになります。圧縮効果を得るには必ずしも望遠レンズが必要という訳ではありませんが、「被写体から離れる」ことは必須なのです。

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