秋の散歩道 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
空気が澄んで鋭くなって来たのとは引き換えに、お日さまの温もりが柔らかく心地が良い季節になりました。ここで季節が足踏みしてくれるといいなと思うのは自分勝手な願いでしょうか。
彼岸花 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
雨上がりの午後 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
雨に濡れた木々の葉は一層緑が濃くなっていました。
秋の長雨とは言いますが、このところ毎日雨が降っています。台風が次々にやってくるので、もうしばらく雨の日が続きそうです。
Surfin' U.S.A [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
今年のゴールデンウィークはお天気にも恵まれ、行楽地はどこも賑わったのではないでしょうか。うちの近所の海岸にも多くのサーファーさんたちが訪れ、サーフィンを楽しんでいました。私自身はサーフィンはやらないのですが、サーファーさんたちが楽しそうに波乗りをしているのを見るとこちらまで楽しい気分になります。そして、あの軽快なリズムとメロディーが頭の中でグルグル回ります。そう、The Beach Boysの「Surfin' U.S.A」です。
「Surfin' U.S.A」は1963年にCapitol Recordsから発売された同名アルバムの1曲目に収録されていた曲で、The Beach Boysの最初のヒット曲となりました。Chuck Berryらが作り出したロックンロールにThe Four Freshmen的なジャズコーラスの要素を取り入れて、後のサーフィン&ホットロッド・ミュージックと呼ばれる西海岸音楽への流れを作るエポック・メイキングな作品となりました。ところがこの「Surfin' U.S.A」はChuck Berryの「Sweet Little Sixteen」(1958年)と酷似しているとして訴訟問題に発展してしまいます。結局は作者であるThe Beach BoysのBrian Wilsonが「Surfin' U.S.A」は「Sweet Little Sixteen」からインスピレーションを得て作った改作であると認める形で決着しています。この騒動の痕跡がレコード盤のレーベルに見られるそうです。当時Capitol Recordsにはペンシルヴァニア州スクラントン、カリフォルニア州ロサンゼルス、イリノイ州ジャクソンヴィルの3ヶ所にプレス工場があったのですが、最初に発売されたLAプレスの「Surfin' U.S.A」では作者がBrian Wilsonとなっているのに対して、訴訟後に発売されたスクラントン・プレスの「Surfin' U.S.A」以降はChuck Berryとクレジットされるようになりました。最近ではLed Zeppelinの「Stairway to Heaven」の訴訟が話題になりましたが、有限の音階から紡ぎ出される音楽ですから、いつの世も同様の論争が絶えないのは仕方がないことなのでしょう。
コサギ [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
シラサギ属の仲間には大きさの違うコサギ、チュウサギ、ダイサギなどがいます。コサギは体長約60cm、チュウサギは約70cm、ダイサギは約90cmになります。どれも良く似ていて遠目には見分けるのは難しいのですが、足の指が黄色いのはコサギの特徴なので、写真のシラサギはコサギであることがわかります。橋の上、街灯や電柱の下などに大量の白いペンキをこぼしたような跡を見かけることがありますが、それは大抵シラサギの仕業です。2枚目はその証拠写真です。シラサギは羽の色と同様の真っ白な液状の糞を大量に排出します。この糞は匂いの強い強酸性で、しばしば糞害問題となることがあるようです。間違っても自分のクルマにはかけて欲しくないシロモノです。
暖冬 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
寒くなってきたとは言え、日中は例年よりも暖かい日が多いような気がします。日差しがある時間帯は海岸にいてもあまり寒くありません。サーファーさんたちも喜んでいることでしょう。
P-1哨戒機 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
中東、南沙諸島、東シナ海をはじめ、世界の様々な地域できな臭い今日この頃。空を見上げると最近頻繁に見かける航空機があります。太平洋から超低空飛行で基地に帰って行くその機体は、P-3C哨戒機の後継機として導入された最新鋭のP-1哨戒機でした。P-1哨戒機は機体から主要装備品までを総国産化した初めての哨戒機です。設計と組み立てを川崎重工業、エンジンはIHI、主翼と垂直尾翼を富士重工業、胴体を三菱重工業、レーダは東芝、音響システムをNEC、逆探知機を三菱電機が担当しています。1機当たりの価格は205億円とされ、すでに10機以上が配備されており、最終的には70機になる予定だそうです。写真で尻尾のように見える棒状の物は磁気探知機(MAD)で、潜水艦による僅かな地磁気の乱れを検出するための装備です。胴体の一番太い部分(主脚の間のやや後方に四角く縁取りされた部分)に38個の穴があいているのが見えますが、そこからソノブイと呼ばれる水中マイクが付いたブイを海中に投下し、潜水艦からの音波を収集し解析します。このような物が必要なくなれば、もっと他に税金を使えるようになると思うのですが、果たしてそんな日は来るのでしょうか。
打ち上げ成功 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
この日は面白い光芒が見られました。まるでロケットの打ち上げ直後のようでした。光芒は薄明光線とかチンダル現象とも言われます。光の波長と同程度の直径を持つ粒子(水滴)によって起こるミー散乱が原因です。この散乱によって太陽光が四方八方に散らばるので、光の進行方向以外の方向にも光が届いて明るく見えるようになります。通常は雲の切れ間が太陽の周りに多数あって放射状の光跡となることが多いのですが、この日は太陽の下方向にしか雲間がなかったため、柱のような光芒になりました。似たような現象として太陽柱というものがありますが、そちらは空気中に水平に並んだ氷の板状結晶に日光が反射して起こるもので、太陽の上下に明るい柱ができます。
ススキ [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
秋を象徴する植物と言ったら、全国共通で真っ先にススキが挙がるのではないでしょうか。ススキはイネ科の多年草で、「薄」、「芒」、「尾花」などの字が当てられています。「茅」または「萱」(かや)と呼ばれることもあり、茅葺き屋根の材料として使われます。かつては蓑や笠の材料としても使われた有用な素材でした。余談ですが、日本橋茅場町の町名の由来は、徳川家康の命により、大変需要の高い材料であった茅を扱う商人がこの地に集められて暮らしていたことだと言われています。ススキはまた、秋の七草の一つでもあります。因みに、秋の七草は尾花(ススキ)の他、萩(ハギ)、桔梗(キキョウ)、葛(クズ)、藤袴(フジバカマ)、女郎花(オミナエシ)、撫子(ナデシコ)なのだそうです。
浄蓮の滝 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
伊豆半島のほぼ真ん中にある浄蓮の滝は、7メートルほどの幅で25メートルの落差を真っ直ぐに流れ落ちます。いつ行っても水量豊かで力強さを感じます。もちろん1990年に制定された「日本の滝百選」にも選ばれています。起源を辿ると、約17,000年前に噴火した鉢窪山の溶岩が本谷川に流れ込んで段差を作ったためにこの滝が形成されと言われています。その証拠に、滝壺付近の岩肌にマグマが冷えるときに発達する柱状節理が見られます。この滝はまた、石川さゆりさんの「天城越え」の歌詞に出てくることでも有名です。滝への階段を降りて行くときには頭の中でその曲がぐるぐる回ってしまいます。滝壺の近くでは、鬱蒼と茂るわさび田が流れの清らかさを証明していました。
鬱蒼と茂るわさび
中秋の名月とスーパームーン [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
9月27日は中秋の名月、翌28日はスーパームーンと、今週は月が注目を浴びました。雲が多めではありましたが、一段と明るい中秋の名月を写真に収めることができました。
「中秋の名月」と「十五夜」は今ではほとんど同意語として用いられており、旧暦8月15日の満月を意味します。しかし元々、中秋とは旧暦の8月のことで、十五夜とは文字通り旧暦の15日の夜を指しますので、どちらも片方だけでは不十分な感じがします。だいぶ長くなってしまいますが、「中秋の十五夜の名月」だと意味が明快になりますね。ところで、今の暦に慣れていると、なぜ毎年8月15日は満月なのかと不思議に思いますが、旧暦は月が地球の周りを回る公転周期(約29.5日。このため29日の月と30日の月があった。)を元に作られていたので、毎月必ず1日は新月、15日は満月となっていたのです。余談ですが、旧暦の1日は新月なので「月立ち」と呼ばれていました。このため、太陽暦を使うようになった今でも1日を「ついたち」と読んでいます。
スーパームーンとは、楕円軌道を回る月が地球に最接近するタイミングで新月または満月になることを言います。つまり、月が地球に最も近付いた時に地球と月と太陽が一直線に並ぶ現象のことです(最接近とは言っても、完全に満月と一致することはなかなかないので、10%の誤差は許容されるらしい)。どのくらい近付くのかと言うと、月が一番遠い時(楕円軌道の長軸方向にある時)には地球から約40万6千km離れているのに対してスーパームーンの時(楕円軌道の短軸方向にある時)には地球から約35万7千kmまで近付きますので、その差は4万9千kmにもなります。地球の直径(12742km)の約4倍も近付くのですね。月の直径を3474kmとすると、地球から見える月の大きさ(見込み角)は遠い時で
arctan(3474/406000)=0.490°
スーパームーンの時で
arctan(3474/357000)=0.558°
になりますから、
0.558/0.490=1.1387
より、スーパームーンの時に見える月の直径は約14%も大きくなることになります。また、点光源の光束は距離の2乗に反比例しますから、
(406000×406000)/(357000×357000)=1.2933
より、スーパームーンの月明かりは一番遠い満月の時に比べて約30%も明るくなる計算になります。30%も違うのですから明るく感じるわけですね。次のスーパームーンは2016年11月14日だそうです。
長者原 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
別府と阿蘇を結ぶ「やまなみハイウェイ」のハイライトの一つは長者原(ちょうじゃばる)でしょう。ワインディング・ロードを抜けて高原道路らしい視界が開けたところに出てくると長者原の看板が見えてきます。ここは九重連山への登山口になっていて、正面には三俣山(みまたやま)や硫黄山(いおうざん)をはじめ、1,700メートル級の山々が連なっているのが見渡せます。雄大な景色を見ていると暫し時間を忘れてしまいます。
ところで、この辺りを走っていると「九重」と「久住」という2つの表記があるのに気付きます。九重連山の北側では九重、南側では久住となっていました。調べてみると九重(ここのえ)町と久住(くじゅう)町という2つの町があることがわかりました。さらに、九重(くじゅう)連山の主峰は久住(くじゅう)山だったりと、読み方にも表記にも規則性はなく、非常に複雑です。他人事ながら統一してもらう訳には行かないものかと思ってしまいます。
長者原から三俣山と硫黄山を望む
金鱗湖 [70-300mm F4.5-5.6 G SSM]
大分県由布市の由布院温泉に、一周400メートルほどの金鱗湖と言う小さな湖があります。湖底から湧き出る温泉や、流れ込む川に含まれる温泉水により水温が比較的高く、冬の早朝には湖面から霧が立ち昇る霧盆と言う現象が起こります。この湖はかつて「岳下の池」と呼ばれていましたが、1884年に毛利空桑という儒学者がここで夕日に照らされた魚が金色に輝くのを見たことから金鱗湖と命名されたそうです。
ところで、観光ガイドブックなどでは良く「湯布院温泉」という表記を見かけますが、正しくは「由布院温泉」と書きます。「湯布院」という表記が最初に表れたのは1955年です。湯平村と由布院町が合併したときに、両方の名を組み合わせて湯布院町という自治体ができました。従って、それ以前からあった温泉の名前は当然「由布院温泉」なのです。その後、湯布院町は2005年に挾間町・庄内町と合併して由布市となり、「湯布院」という地名は完全に消滅しました。