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DSC-RX0 [DSC-RX0]

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 近年、物欲がすっかり衰えて心の底から欲しいと思える商品がありませんでした。趣味の一つである写真では使い慣れたカメラやお気に入りのレンズには満足しているし、バイクやクルマの性能も持て余す程に充分だし、オーディオは自分史上最高の音質で鳴っているし、これ以上に敢えて買い足そうと思う物が見当たりませんでした。ところが、そんな気分を一掃する商品を見つけてしまいました。それがソニーのコンパクトデジタルカメラDSC-RX0でした。同社のコンデジCyber-shotの最も小型機という位置付けながら、高級機であるDSC-RX100M6と同等の2100万画素の1.0型Exmor RS CMOSセンサーを搭載しています。レンズはZEISSのTessar T*レンズを搭載しており、メーカーの作例を見ると隅々まで像の歪が抑えられていて、解像度も必要充分でした。
有効画素数はRX100の2010万画素に対してRX0は1530万画素となっており、レンズの制約からイメージサークルはやや小さいようです

 焦点距離は35mm換算で24mm固定、F値は4.0に固定ですから、一般的にはズームなしで暗いレンズの中途半端なカメラという印象かも知れません。しかし、私にはとても魅力的で大きな可能性を秘めたカメラに思えたのです。その理由は色々ありますが、まずは「作り」です。アルミ削り出しの堅牢な筐体は、水深10mの防水性、2mからの落下耐性、200kgの耐荷重を備えています。カバンやポケットに無造作に入れても壊れる心配はなく、水中でも雨の中でも気にせず写真が撮れます。次に「起動時間」です。電源スイッチを押してから起動するまでの時間が1.7秒と非常に短いので、ポケットから取り出すと同時に写真が撮れてしまいます。レンズキャップを外すことさえ不要なので、撮りたいと思ったらすぐに写真が撮れます。更に「動画の撮影機能」も豊富であることです。様々な解像度、フレームレート、記録フォーマットに対応していて、なんとハイフレームレートは960fpsまで対応しています。24pフォーマットで記録すれば40倍のスローモーションが撮影できるのです。また、「高速連写」は16枚/秒です。起動時間の短さと相まって、シャッターチャンスを逃す確率はかなり低減されると思われます。これらの特徴から、普段使用している一眼レフカメラを補完して撮影の幅を拡げてくれるのではないかと予感しました。

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ソニーのαやCyber-shotと同じデザインの操作画面。ソニーユーザーには使いやすい。

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三脚用のねじ穴がボディーの真ん中かつレンズ中心と一致した位置にあるのは使いやすい

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メモリースティックマイクロもmicroSDメモリーカードも使えるカードスロット、HDMI、USB、そして外部マイク端子まで装備している


 試しに撮影した写真を下に示します。画角は風景を撮るには丁度良い感じです。等倍に拡大して見ると、予想以上に解像していることがわかります。

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この写真の自動車が写っている付近を等倍で切り出したのが下の写真


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上の写真を等倍で切り出したもの。フェンスの格子や看板の文字まで解像している。


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この写真のテトラポッドの部分を拡大したのが下の写真


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上の写真を等倍で切り出したもの。コンクリートや砂利の質感を映し出している。


こんなに小さいのに案外ちゃんと写りますから、使い方次第では面白い写真が撮れるのではないかと期待しています。防水性と小さなサイズであることを生かして、アクションカムのようにオートバイに搭載して動画撮影もしてみようと思います。

 もちろん長所ばかりではなく、短所もたくさんあります。小さいので仕方がないのですが、動画撮影時のバッテリー持続時間は1時間程度です。それから液晶画面が小さすぎるが故に、メニューの文字は読めるか読めないかのギリギリのサイズになってしまっています。また、写っている物を細部まで確認したり、きちんと構図を決めたりするにもこの画面は小さすぎます。しかし、Wi-Fiを使ってスマートフォンとダイレクトに接続することができ、スマートフォンの画面で画像を確認したり、カメラの設定を変えたり、シャッターを操作したりできますので、これを利用することで画面の小ささをある程度カバーできると思います。

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スマホから構図のチェックやカメラの操作ができるのは便利

 撮り手の創意工夫が試される楽しいカメラDSC-RX0。この割り切りとこだわりに、久しぶりにソニーらしい商品が出たなと感じました。

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