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長崎ちゃんぽん [35mmF1.4G]

 先日長崎を訪れた際に長崎ちゃんぽんを食べたくなり、長崎空港から市内へ向かうバスの中でお店をネット検索していました。しかし星の数ほどお店がある上に、それぞれの違いも良くわからなくて、調べれば調べるほど迷ってしまいました。以前に長崎ちゃんぽん発祥の店と言われる「四海樓」で食べたことがありますが、立派な高層ビルディングのお店になっていて、観光スポット化した高級中華料理店の趣でした。なので今回はもっと庶民的なお店にしたいのですが、どこにしたら良いかわかりません。困り果ててバスの座席の物入れネットに入っていた観光用のフリーペーパーをパラパラとめくってみると「中華料理 よこはま」の小さな広告が目に入って来ました。長崎なのになぜ横浜か?そこに強い興味を抱きました。口コミやブログの情報を調べてみましたが、名前の由来はわかりませんでした。しかし味の評判は悪くなさそうです。更に福山雅治さん御用達のお店だと言うことがわかりました。長崎出身の人がリピートするなら間違いはないでしょう。お店選びは「よこはま」で決着です。

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長崎市内は路面電車で移動するのが便利


 長崎駅前から「正覚寺下」行の路面電車(長崎電気軌道)に乗って「思案橋」で降ります。停留所から、今走って来た方向に少し戻った左手にある、線路と平行に走る小さな路地に入ると、そこは昭和の匂いがする思案橋横丁という商店街でした。商店街の真ん中あたりに「よこはま」がありました。いかにも地域の人に愛されている中華料理屋さんという雰囲気でなかなか良い感じです。

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昭和の匂いがプンプンする思案橋横丁

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思案橋横丁の中ほどに「よこはま」はある


中に入ると正面にたくさんのサイン色紙が飾られています。その中心付近には確かに福山雅治さんのサインがありました。お店はあまり大きくなく、10数名入れば満席になりそうです。店内の照明は暗めで落ち着いた感じです。食べたいものは決まっていますので、席に着くと同時に特製ちゃんぽん(税込¥1,080)を注文しました。注文を受けてから作り始めるのでしょう。着丼までには相応の時間がかかりました。しかも空腹と期待感で余計に長く感じました。

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「よこはま」の長崎ちゃんぽん


 しばらく待つと「特製ちゃんぽん」の着丼です。見た目はかなりこってり濃厚そうなスープです。山盛りの野菜と海鮮が食欲をそそります。まずはスープを一口。程よい塩加減にコクのある鶏と豚骨の味わいは、素直に美味しいと感じる味でした。しかも見た目に反してこってりし過ぎず、後味がすっきりとしています。強いインパクトこそありませんが、誰もが安心できるバランスのとれた美味しいスープでした。固茹でが好きな私には麺がやや柔らかく感じましたが、ちゃんぽんなのでこれはこれで良いのでしょう。たっぷりの野菜と海鮮の具にも満足でき、味に飽きることなく一気にスープまで完食しました。

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長崎における中華文化の中心地「長崎新地中華街」


 食後は付近を散策しました。思案橋横丁からオランダ坂方面へ向かう途中に長崎新地中華街があります。鎖国をしていた江戸時代には長崎のみが中国との貿易が許されていて、長崎に住む人の8人に1人が福建省あたりから来た華僑の人々だったそうです。当時中国の人々は丘の中腹にある唐人屋敷に住んでいたのですが、開国後に港に近い倉庫街だった長崎新地に移り住んで来て中華街を作ったそうです。ここに根付いた中華文化から長崎ちゃんぽんも生まれました。明治32年に四海樓を開業した福建省出身の陳平順さんが、故郷の麺料理を日本風にアレンジして考案したのが始まりと言われています。その後ちゃんぽんは長崎を代表する郷土料理となり、今では1,000件を超える店のメニューに載っているということです。ところが長崎ちゃんぽんと呼んで良いのは、長崎県内で製造された、唐灰汁(とうあく)と呼ばれる炭酸ナトリウム90%のかんすいで製麺されたものに限られるそうです。中華麺の多くは炭酸カリウムのかんすいで製麺しますが、長崎ちゃんぽんの麺は炭酸ナトリウムを使用するために独特の風味が出るのだそうです。

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