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ZZ-R1100のオイル交換 [ZZ-R1100]

 バイクに乗る機会が少なくなる冬の間は普段できない整備をしておきましょう。前回オイル交換をしてからまだ2,000kmほどしか走っていませんが、かなりの時間が経過していますので、この機会にオイル交換をしておくことにしました。前回はオイルフィルタを交換していなかったため、今回はオイルフィルタも交換します。早速エンジンオイル、オイルフィルタ(部品番号16099-003)、ドレインガスケット(部品番号92065-097)を注文しました。今はインターネットで何でも手に入るので良い時代になりました。
 オイルには特にこだわりがありませんから、口コミでも評判は悪くないカワサキ純正のR4にしました。この車両が発売された頃のオイルの最高グレードはSG級だったのですが、今やSJ級が普通になっており、最新規格はSN級まであります。隔世の感を覚えずにはいられません。(オイルの規格にはアメリカ石油協会 (American Petroleum Institute)が定めたAPI規格というものがあり、ガソリンエンジン車の場合Sに続くAからZまでのアルファベットで表示されます。新しい規格はそれまでの規格のすべてを上回っていなければなりませんから、Zに近づくほど高性能なオイルということになります。ちなみにディーゼルエンジン車のエンジンオイルはSではなくCで始まります。)

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今やSJ級がスタンダード

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オイルフィルタと
ドレインガスケット2個を購入


 作業はまずエンジンの左側にあるオイルフィラーキャップが外れるかチェックすることから始めます。クルマやオートバイの整備の基本として、各種オイルや冷却水を抜く前に注入口が開くことをまず確認することが重要です。なぜならば、ドレインから抜いた後に注入口が固着して開かないという事態になると、自走できなくなる惧れがあるからです。

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車体の左側に回りオイルフィラーキャップが開くことをまず確認する


オイルフィラーキャップが開くことを確認したら、車体の右側に回りロワーカウルを外します。

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黄色の矢印で示した3か所を緩めるとエンジンオイルを排出できる(通常は真ん中のメインドレインボルトのみでもOK)

オイルパンの下を覗き込むと上の写真のように黄色の矢印で示した3本のボルトが見えます。左から順に、フィルタマウンティングボルト、メインドレインボルト、サブドレインボルトになります。通常は真ん中の一番低い所にあるメインドレインボルトを外すことでオイルパンのほとんどのオイルを排出することができますが、写真右のサブドレインボルトを外すとより多くのオイルを抜くことができます。更に、フィルタを交換する場合には写真左のフィルタマウンティングボルトを外すことになります。フィルタマウンティングボルトの近くにあるオイルホースのバンジョーボルトは間違って緩めないよう注意します。上記3本のボルトを17mmのレンチで外すとエンジンオイルが出てきますので、市販の廃油処理ボックスなどを利用してこぼさないように受けます。

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フィルタマウンティングボルトを緩めるとフィルタカバーの周りからオイルが出て来る

フィルタマウンティングボルトを抜くと、フィルタカバーと共にオイルフィルタを取り外すことができます。エンジンオイルが完全に抜けるのを待つ間に、外した部品をパーツクリーナーできれいにします。ドレインガスケット(ドレインボルトワッシャー)は変形や段差が見られなければ再利用も可能ですが、安い物なのでオイル交換ごとに新品に取り換えた方が良いでしょう。フィルタカバーのOリングに損傷がないことも確認し、傷などがあれば新品に取り換えます。

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外した部品を清掃。左が新しいオイルフィルタ。右が古いオイルフィルタ。

オイルフィルタの組み付けは下の図のようになっています(サービスマニュアルより抜粋)。オイルフィルタを外すときに、オイルフィルタ(G)とワッシャー(F)がオイルでくっ付いていることが多く、ワッシャー(F)を古いフィルタと一緒に捨ててしまわないように注意が必要です。
 オイルが抜けたらオイルフィルタを下図の通りに組み立てて、オイルパンに取り付けます。フィルタマウンティングボルトの締め付けトルクは20 N-mと規定されていますので、トルクレンチを使用して適切に締め付けます。更に2本のドレインボルトに新しいドレインガスケットを通して、それぞれ指定の29 N-mで締め付けます。ドレインボルトも締め過ぎ、ゆる過ぎを防止するためにトルクレンチを使用して適切なトルクで締め付けましょう。

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新しいオイルフィルタをマウンティングボルトに取り付ける。スプリングとフィルタの間にワッシャーを入れることを忘れずに。

3本のボルトを適切なトルクで締め付け終わったら、車体の左側に回り、新しいオイルを注入します。オイルジョッキやじょうごがない場合は、折込広告などの艶のある紙をメガホン状に丸めてじょうご代わりに使用すると良いでしょう。PETボトルの上半分を切って使うのも良いかも知れません。
 新しいオイルを入れる際、オイルの入れ過ぎには注意が必要です。ZZ-R1100の場合、オイル容量は3.5リットルとなっていますが、オイルフィルタを交換した場合でも3.5リットルは入りません。なぜならば、古いエンジンオイルがオイルパン内に必ずいくらかは残ってしまうからです。従って、まずは3リットル弱を入れてみて、エンジンを短時間アイドリングさせた後にエンジンを切り、数分後にオイル点検窓を見て足りないようであれば注ぎ足して調整します。エンジンを切った後には結構な量のオイルが下りて来ますので、少量ずつ注ぎ足して慎重に調整を行いましょう。オイルフィルタを交換しない場合には3リットル程度しか入らないでしょう。

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スペースがないのでオイルジョッキかじょうごが必要

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オイル点検窓の下限と上限の間に液面が来ればOK。3.5Lは入らないので入れ過ぎに注意。

オイル量の調整が終わったら、ロワーカウルを元通りに取り付けて作業は完了です。オイルの染み出しなどがないことを確認してから走行しましょう。


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