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Singapore Botanic Garden [Singapore]

 シンガポールで今も昔も変わらない場所と言ったらSingapore Botanic Garden(シンガポール植物園)でしょう。街の中心部からほど近い場所に東京ドーム13個分とも言われる広大な敷地を確保し続けているこの施設は1859年に開園した歴史ある植物園です。園内にあるラン園(ナショナル・オーキッド・ガーデン)以外は入場無料で、朝早くから太極拳、ジョギング、犬の散歩などを楽しむ人々で賑わっています。以前と変わった点を一つ挙げるとすると、2015年にシンガポールで初めて世界遺産リストに登録されたことでしょう。その影響か、かつては見逃してしまうほど質素だったいくつかの出入り口にタクシー乗り場が整備され、観光客にも訪問しやすくなっていました。

 1800年代に園長を務めたヘンリー・ニコラス・リドリーはこの植物園でゴムの木の栽培法や樹液の採取方法を研究し、当時コーヒー栽培が主流だったマレー半島のプランテーション経営者にゴムの木の栽培を勧めました。この試みは折りしも自動車産業の興隆に後押しされ、後の東南アジアにおけるゴム産業の発展につながりました。1900年代に入ると当時の園長エリック・ホルタムによりランの品種改良事業が推進され、多くの品種が開発されました。この取り組みの結果、今でもランの輸出はシンガポールの大きな産業となっています。園内のナショナル・オーキッド・ガーデンはエアコンが効いた「冷室」になっており、入場料S$5.00を払うと様々な品種のランを見ることができます。

 シンガポール植物園の楽しみ方の一つは日本では見ることができない珍しい熱帯植物の鑑賞でしょう。色鮮やかなものや、プリミティブでグロテスクなもの、巨大なものなど、見るもの見るものがとても新鮮です。当地に住んでいた頃は毎週のように愛犬と散歩をして見慣れていた植物も、久しぶりに訪れると再び新鮮な驚きを与えてくれます。人工的なGardens by the Bayも良いですが、植物園と言えばやはり今も昔もSingapore Botanic Gardenでしょう。

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ボタニックガーデンは街中に残されたジャングルそのもの


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パーム・バレー越しにシンフォニー湖を望む


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高さ40メートルを超える巨木があちこちに


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早朝から太極拳をする人などで賑わう


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オウムバナとも呼ばれるヘリコニアは当地を代表する植物


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色々なヘリコニアが見られる


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オウムの横顔に見えるところからオウムバナと呼ばれる


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キャノンボールツリーは日本では見られない珍しい植物だ


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とてもプリミティブな植物に見える


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砲弾のような大きな実をつけることからキャノンボールツリーと名付けられた


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このようなショウガ目の植物が多く植えられているジンジャーガーデン


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シンフォニー湖では色々なスイレンが見られる


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こんな生き物も自由に闊歩している


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シンガポールでは民家の近くでも普通に見られるオオトカゲ。2メートルを超えるものもいる。

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