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Local Foods [Singapore]

 今回はシンガポールの食べ物を紹介しましょう。シンガポールのソウルフードと言えば肉骨茶(Bak Kut Teh:バクテー)でしょう。肉骨茶は豚のスペアリブを胡椒やニンニクの他、桂皮、丁子、八角などの薬膳スパイスで煮込んだスープ料理です。お店によって微妙な味の差があるのですが、私が一番好きなのは以前紹介した黄亜細肉骨茶餐室(Ng Ah Sio Pork Ribs Soup Eating House, 208 Rangoon Road)です。お店の場所が車でないと行きにくい所にあり、今回は食べられないかもしれないと諦めていたのですが、偶然にも高島屋ショッピングセンターの地下のフードコートに出店しているのを発見しました。胡椒とニンニクの味が強いシンガポールスタイルで、ご飯と揚げパンと漬物が付いてきます。値段は物価が上がったのか、街中価格なのか、以前よりだいぶ高くなったように感じました。

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亜細肉骨茶餐室の肉骨茶


 どこのフードコートでもホーカーセンターでも容易に見つけることができるのがフィッシュボールヌードル(魚圓面)です。フィッシュボールとは、魚のすり身をボール状にした物で、蒲鉾のような食材です。注文するとスープかドライかと訊かれますので、好みのスタイルを答えます。スープと答えると日本のラーメンのようにどんぶりにスープと麺とフィッシュボールが一緒に入った形で供されます。ドライと答えるとお皿にタレがかかった麺が盛られ、どんぶりにスープとフィッシュボールが入れられて別々に出てきます。

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スープスタイルのフィッシュボールヌードル


 雲吞麺(ワンタンミー)は日本で言うところのワンタン麺です。これもスープスタイルとドライスタイルがあり、何も言わないとドライスタイルの物が出てくる確率が高いです。ドライスタイルは麺と野菜と叉焼がお皿に盛られ、スープと雲吞が別の器に盛られます。以前に良く行っていた雲吞麺のお店に行ってみたところ、お店のおばさんも覚えていてくれて、感動の再会となりました。

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シンガポールの雲吞麺(ワンタンミー)。左がスープ、右がドライ。


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十数年前と全然変わらない雲吞麺屋さんのおばさん


 日本人駐在員御用達の餃子屋さんにも行ってみました。中華街のはずれにある京華小吃(Jing Hua Restaurant, 23 Neil Road)は小籠包が有名なお店ですが、茹餃子や焼餃子も美味しいです。繁盛しているようで、店舗面積が2倍に拡張されていました。

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京華小吃(チンホア)の茹餃子


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京華小吃の焼餃子は筒状になっている


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京華小吃の酸辣湯スープ


 咖椰吐司(Kaya Toast)もシンガポール発祥の食べ物でしょう。以前紹介したように、1944年にLoi Ah Koon(ロイ・ヤークン)と言う人が、屋台村の一角に小さなコーヒーショップを開いたことからカヤトーストの歴史が始まります。元祖Ya Kunのカヤトーストは炭火で焼いた薄切りのパンで上品に仕上げてあります。このカヤトーストも高島屋ショッピングセンターの地下で食べられるようになっていました。

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Ya Kunのカヤトーストも高島屋の地下で食べられるようになっていた


 フードコートやホーカーセンターには必ずドリンクスタンドがあります。そこで良く見かけるのはSugarcane Juiceです。サトウキビを絞っただけの自然な甘みのジュースで、「Sugarcane Juice with lemon」と言って注文するとレモンスライスを入れてくれます。その他にも色々とトロピカルフルーツがあって、2~3種類のフルーツを指定して好みのブレンドを作ってくれるお店も多いです。

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ホーカーセンターにあるドリンクスタンド。好みのブレンドをオーダーするのも楽しい。

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Sugarcane Juice with lemon


 シンガポールはまさにB級グルメ天国。安くて美味しいものがたくさんあります。まだまだ紹介したい物がたくさんありますが、今日はこの辺で。

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リトルインディアのホーカーで食べたマトンとライスとカレーと玉子の料理。名前は失念した。

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Singapore Botanic Garden [Singapore]

 シンガポールで今も昔も変わらない場所と言ったらSingapore Botanic Garden(シンガポール植物園)でしょう。街の中心部からほど近い場所に東京ドーム13個分とも言われる広大な敷地を確保し続けているこの施設は1859年に開園した歴史ある植物園です。園内にあるラン園(ナショナル・オーキッド・ガーデン)以外は入場無料で、朝早くから太極拳、ジョギング、犬の散歩などを楽しむ人々で賑わっています。以前と変わった点を一つ挙げるとすると、2015年にシンガポールで初めて世界遺産リストに登録されたことでしょう。その影響か、かつては見逃してしまうほど質素だったいくつかの出入り口にタクシー乗り場が整備され、観光客にも訪問しやすくなっていました。

 1800年代に園長を務めたヘンリー・ニコラス・リドリーはこの植物園でゴムの木の栽培法や樹液の採取方法を研究し、当時コーヒー栽培が主流だったマレー半島のプランテーション経営者にゴムの木の栽培を勧めました。この試みは折りしも自動車産業の興隆に後押しされ、後の東南アジアにおけるゴム産業の発展につながりました。1900年代に入ると当時の園長エリック・ホルタムによりランの品種改良事業が推進され、多くの品種が開発されました。この取り組みの結果、今でもランの輸出はシンガポールの大きな産業となっています。園内のナショナル・オーキッド・ガーデンはエアコンが効いた「冷室」になっており、入場料S$5.00を払うと様々な品種のランを見ることができます。

 シンガポール植物園の楽しみ方の一つは日本では見ることができない珍しい熱帯植物の鑑賞でしょう。色鮮やかなものや、プリミティブでグロテスクなもの、巨大なものなど、見るもの見るものがとても新鮮です。当地に住んでいた頃は毎週のように愛犬と散歩をして見慣れていた植物も、久しぶりに訪れると再び新鮮な驚きを与えてくれます。人工的なGardens by the Bayも良いですが、植物園と言えばやはり今も昔もSingapore Botanic Gardenでしょう。

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ボタニックガーデンは街中に残されたジャングルそのもの


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パーム・バレー越しにシンフォニー湖を望む


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高さ40メートルを超える巨木があちこちに


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早朝から太極拳をする人などで賑わう


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オウムバナとも呼ばれるヘリコニアは当地を代表する植物


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色々なヘリコニアが見られる


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オウムの横顔に見えるところからオウムバナと呼ばれる


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キャノンボールツリーは日本では見られない珍しい植物だ


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とてもプリミティブな植物に見える


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砲弾のような大きな実をつけることからキャノンボールツリーと名付けられた


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このようなショウガ目の植物が多く植えられているジンジャーガーデン


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シンフォニー湖では色々なスイレンが見られる


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こんな生き物も自由に闊歩している


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シンガポールでは民家の近くでも普通に見られるオオトカゲ。2メートルを超えるものもいる。

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Gardens by the Bay [Singapore]

 シンガポールにおいて、ここ数年で一番変わったのはマリーナ地区でしょう。マーライオン像から見てマリーナ・ベイを挟んだ対岸に位置するマリーナ・サウス地区は、かつて何もない広大な埋め立て地でした。しかし今やシンガポールを象徴する建物となったMarina Bay Sandsや、今回紹介する植物園Gardens by the Bayが建設されて風景が一変しました。
 Gardens by the Bayはいくつもの庭園や、2つの巨大なガラスドーム、高さ25~50メートルの12本の人工樹木「スーパーツリー」などからなる2012年にオープンした植物園です。地下鉄(MRT:Mass Rapid Transit System)のCircle LineまたはDowntown LineのBayfront駅から地上に出るとそこがGardens by the Bayのゲートになっています。一番の見どころは何といっても2つのガラスドーム「フラワー・ドーム」と「クラウド・フォレスト」でしょう。

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クラウド・フォレストのガラスドーム


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巨大な人工樹木「スーパーツリー」


 フラワー・ドームは涼しく乾燥した砂漠地帯の春を再現した温室(と言うよりも冷室)で、ガラスドームの中をエアコンで強烈に冷やして乾燥させ、地中海、南アフリカ、カリフォルニアなど乾燥地帯の植物を集めて栽培しています。オリーブ、サボテン、グレープフルーツなど、それぞれの地方の特徴的な植物が植えられていました。

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フラワー・ドームの内部


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 クラウド・フォレストは標高1000~2000メートルの熱帯の高山を再現した「冷室」で、こちらも気温は低く下げられていますが、雲や霧を模したミストが漂っていて湿度は高く保たれています。中央に高さ35メートルの人工の山が作られ、頂上からは滝が流れ落ちています。エレベータで山の頂上に上がるとそこは標高2000メートルという設定で、そこから空中散策路「クラウド・ウォーク」を通って標高1000メートルの設定である1階まで下りて来るようになっています。クラウド・ウォークは空中に突き出た螺旋状のボードウォークで、中央部は鉄板が敷いてありますが、両脇は金網敷きなので、高い所が苦手な方は少々怖いかも知れません。

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クラウド・フォレスト内にある高さ35メートルの人工の山と滝


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クラウド・ウォークから下を見る


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 どちらのドームも寒いくらいにエアコンが効いており、フラワー・ドームは乾燥、クラウド・フォレストはミストで濡れるので、風邪をひかないように注意しなければなりません。長袖の羽織るものを持って行くことは必須でしょう。それにしてもガラス張りで、本来エアコンなしでは大変な温度に上がってしまうであろう巨大な空間を、寒いくらいに冷やすためにどれだけの電力を使っているのだろうかと老婆心ながら心配になってしまいました。ドームの外にも広大な庭園が広がっていますが、そちらは逆に日中は暑くて見て回ろうという気にはなれませんでした。夜はライトアップされるようですので、屋外は日が沈んでから見た方が良いかも知れません。

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久々のシンガポール [Singapore]

 かつて6年間ほど住んでいたシンガポールへ久しぶりに訪れました。この国の面白さは文化の多様性と、変化し続けるバイタリティにあると思います。古い物を大切にしながら新しい物を取り入れて行く貪欲さを兼ね備えていて、今回の訪問でも変わらない部分と変わった部分の両方を見ることができました。

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この国は新旧の融合が面白い


 シンガポールには中華系、マレー系、インド系の人々が住んでいて、それぞれが固有の文化を大切にしながら生活しています。また、中国から渡って来た華僑の人々と、元々マレー半島に住んでいた人々の文化が融合して出来上がったPeranakan(ペラナカンまたはプラナカン)文化はこの地域を特徴付ける独特の文化となっています。ペラナカン様式の建物は、道路に面した部分は回廊になっていて、1階は店舗として利用されることが多く、2階以上の部分は住居として使用されることから、「ショップハウス」と呼ばれることもあります。


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ペラナカン様式の建物

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カラフルな窓枠が特徴

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この国1番の繁華街に出店するアイスクリームの屋台


この後、数回に分けてシンガポールの変わらぬ部分や新しい部分などを紹介して行こうと思います。

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ボーイング777-300ER [その他]

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 ボーイング777-300ERは、「ジャンボ」の愛称で親しまれたボーイング747-400の後継機として開発された旅客機です。747が4発のエンジンを搭載していたのに対して、777では巨大な2発のGE製高出力エンジンを搭載しています。777-300ERは、姉妹機である777-200の全長63.7メートルを73.9メートルに延長して輸送力を増強したほか、燃料タンクを拡大して最大航続距離を14,594kmまで延ばしています。因みに末尾のERはExtended Range(航続距離の延長)を意味しています。500人以上を運べる巨大な機体を支えるため、主脚には6輪の巨大なランディングギアを採用しているのも特徴です。

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 写真の機体はANAの「BB-8 ANA JET」仕様の777-300ERです。映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」に登場するキャラクター「BB-8」をモチーフにデザインされ、機内では紙コップ、紙ナプキン、ヘッドレストカバー、客室乗務員のエプロンなども同様のデザインになっているそうです。

 同じ空港内に政府専用機(ボーイング747-400)も駐機していました。現行の政府専用機に代わって2019年度からは前述の777-300ERにバトンタッチされるそうです。それに合わせて整備業務はANAに委託されることになるとか。航空業界も競争が激しいようです。

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