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Lexus IS 300 [Lexus IS 300]

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 13年半乗ったBMW 325i Touringの次の愛車はLexus IS 300になりました。Lexus ISは1999年のトヨタ・アルテッツァをルーツに持つコンパクト・スポーツ・セダンです。車名のISはIntelligent Sportの略になります。現行モデルは2020年11月に大幅なマイナーチェンジを受け、ボディ剛性の強化とエクステリアの刷新が行われました。ISシリーズにはV型8気筒5000cc、V型6気筒3500㏄、直列4気筒2500㏄ハイブリッド、直列4気筒2000㏄ターボの4種類のエンジンが用意され、IS 300は2Lターボになります。新型コロナウイルスや半導体不足の影響でSUVタイプのクルマを中心に納期が1年を超えることも珍しくなくなりましたが、比較的人気のないセダンタイプのISでさえ、4月に商談を開始してから先月末に納車されるまでに7ヶ月もかかってしまいました。

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 新しい愛車を選ぶに当たっては、第1に運転して楽しいこと、第2に信頼性が高いこと、第3に乗り心地が良いことを条件にしました。この時点で信頼性に劣る外国車は選択肢から外れました。最後まで候補に残ったのはスバル・レヴォーグSTI Sportと、このLexus ISでした。レヴォーグは優秀なZF製の電子制御ダンパーとトルクフルなボクサーエンジンが好印象で、乗り心地が良く、スポーティにも走れるとても良いクルマでした。しかし、アイサイトXの高度運転支援システムを使用した時に、操舵の主張が強すぎて肩が凝ることと、大きなタブレット端末のようなタッチスクリーンによる操作に馴染めないことがマイナスポイントになりました。また、比較検討中に部品の欠陥が発覚して生産が一時停止になったことや、なぜか運転していてワクワクしないこともあり、候補から外れました。一方のLexus ISを試乗すると、レヴォーグに勝るとも劣らぬ乗り心地の良さと、運転支援システムを使用した時に操舵の主張が強すぎず肩が凝らないことがわかりました。また、12年連続でLexusブランドはワールドワイドでの信頼性評価がNo. 1であること、そして何よりも内外装のデザインが好みで運転していて気分が上がることが決め手となりISを選ぶことにしました。ハイブリッドのIS 300hとガソリンターボのIS 300のどちらにするかを迷いましたが、スロットル開度とエンジンの回転数が比例しないIS 300hに違和感を感じることと、たとえ15年間今のペースでIS 300hを乗り続けたとしてもガソリン代の節約分がIS 300との価格差を上回らない計算になったため、ガソリン車の方が経済的と判断して2LターボのIS 300にしました。

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 1000kmほど走っての感想は、まず乗り心地が良いことが挙げられます。オプションで装着した電子制御ダンパーの効果と、柔らかく包み込むようなレザーシートの感触が相まって、高級ソファーに座ったまま移動しているかのような気分になります。このクルマは2世代前のトヨタ・クラウンのフレームを使用していながら、スポット溶接の打点を増やしたり、スポット溶接できない場所にはレーザ光による溶接を施したり、構造用接着剤による接合部分を増やしたりしてボディ剛性を飛躍的に高めています。そのため、運転していると明らかにしっかりした物に囲まれていることを感じます。路面の大きな段差を乗り越えてもボディの捩じれや軋みを全く感じません。また、サスペンションが良く機能して、強い入力や余分な振動がバネ下で全部吸収されているかのように感じます。鋭い突き上げは柔らかく角が丸められて伝わり、不快感がありません。更に、内装の建付けや防振対策が素晴らしく、乱暴に走っても悪路を走ってもミシミシと言った内装の軋み音が全く発生しません。ボディ剛性や内装の作りは前車BMW 325i Touringと比べても格段に進歩していると思います。乗り心地に関しては以前Porsche Boxterを運転させてもらったときに感じた印象に近く、当たりが柔らかく、バネ下がバタバタすることなく、全てが優しくスムーズに動く感じがします。

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 走行性能に関しては、ワインディングでステアリングを切ると俊敏にノーズが向きを変え、次に後輪に押されるようにして曲がって行くFR特有の楽しさが味わえます。コンパクトなエンジンの恩恵か、前車のBMWと比べるとコーナーでノーズがイン側に向く反応がとても早い印象です。高速道路では1650 rpmから最高トルク350 N・mを発生するターボの効果と、非常に静かなエンジン音のため、気づくといつの間にか法定速度を越えています。低速では軽すぎて頼りなかったステアリングも速度が上がるに従って手ごたえが出てきて欧州車と比べても悪くはありません。日本車のレベルもここまで来たかと感心させられます。
 その他に特に気に入ったところは、オートホールド機能付電動パーキングブレーキと、全車速対応レーダークルーズコントロールです。オートホールド機能付電動パーキングブレーキは、信号待ちなどで車速が0 km/hになると自動でパーキングブレーキが作動し、ブレーキペダルから足を離しても静止状態を維持します。信号が青に変わったらスロットルペダルを通常通りに踏むだけでパーキングブレーキが自動に解除されて非常にスムーズな発進ができます。全車速対応レーダークルーズコントロールはミリ波レーダと単眼カメラを使って先行車との車間距離を一定に保ちながら追従する機能です。先行車がいなくなったら設定した速度で定速運転します。車線内に留まるように自動操舵するレーントレーシングアシストと併用することで、ステアリングに手を添えているだけで自動運転が行えます(販売店からは自動運転ではなく安全運転支援だと何度も念を押されましたが)。高速道路を長距離運転する時や、渋滞している道路では運転がとても楽になりました。今どきのクルマにはほとんど装備されている機能かも知れませんが、十数年前のクルマから乗り換えると隔世の感がありました。
 エクステリアは2020年のマイナーチェンジでワイド&ローが強調され精悍な印象に変わりました。特に低い位置に取り付けられた薄型のヘッドライトと大型化されたスピンドルグリルがワイルドな表情を与えています。個人的に好きなところはブリスターフェンダーのように張り出した前後のフェンダーと、ロングノーズ&ショートキャビン&ダックテールのスポーツカー3要素を取り入れたクーペライクなスタイルです。リアフェンダーの張り出しは見るたびに撫でたくなるセクシーさがあります。走っていても運転席からドアミラーを見るとリアフェンダーの膨らみが映るので思わずほくそ笑んでしまいます。ボディ色はこの豊かな起伏と陰影を最も美しく見せると思われるシルバー系(ソニックチタニウム)を選びました。

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傾斜したCピラーからテールエンドへと続くクーペのようなシルエット

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リアフェンダーの膨らみがセクシー。これを実現するために新しいプレス技術が開発された。

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複雑な起伏を表現するための高度なプレス技術。キャラクターラインのチリがピッタリと合っている。

 インテリアは巷では古臭いと評判が悪く「昭和のインパネ」などと揶揄されています。しかし、ブラインド操作できないタッチパネルよりは、旧来からの物理スイッチを多用したこのインパネの方が、運転中に操作しやすく理にかなっていると思います。また、たくさんのスイッチが並んで傾斜したセンターコンソールは航空機のコックピットのようで、メカ好きな身にはむしろ好感が持てます。そしてオーソドックスな円形のスピードメータとタコメータは見やすくて落ち着きます。昭和の人間が乗るには昭和のインパネの方が良いのです。

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奇をてらわないオーソドックスなインパネが良いのだ

 想像していた以上に自分好みのクルマで不満な点はあまりないのですが、強いて挙げればエンジン音と低速でのステアリングフィールは改善の余地があるのではないかと思います。トヨタのエンジン全般に言えることなのですが、エンジン音に雑味があり、ガサゴソと回る印象を受けてしまいます。また、スロットルの踏み込みに合わせて高鳴って行く高揚感みたいなものも感じられません。シルキーシックスと称賛されるBMWの直6エンジンと比較するのは酷ですが、ISの2Lターボエンジンには官能的な部分が全くありません。BMWから乗り換えると、クルマにとって音やパワーの出方は極めて重要な要素なのだと改めて思います。更に低速でのステアリングフィールはパワーアシストを利かせすぎて全くダイレクト感を感じられません。ゲーム機のハンドルのように軽すぎてスカスカでタイヤからの反力が全く返って来ないのです。しかし60km/hを越えるあたりからはしっかりとした手ごたえになり、反力も伝えて来るようになるので、そこそこのスピードで走る時には大きな問題にはならないのかも知れません。電子制御ダンパー装着車ではカスタムモードを選択すると出力レスポンスとステアリングを含めたシャシー特性を独立に設定できるので、街乗りでは出力レスポンスは「ノーマル」、シャシー特性は「スポーツ」に設定して若干ステアリングを重くして乗っています。個人的にはそれでもまだ軽すぎる感じです。低速でのステアリングフィールは街乗りで安楽に運転できるようにとのLexusなりのおもてなし精神の表れなのかも知れませんが、もう少しダイレクト感が欲しいところです。

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 以上が1000km走った時点でのインプレションとなります。全体的にマイルドで優しい雰囲気に統一されているように思いました。敢えて官能的な部分を抑えてLexusが目指す「すっきりと奥深い走り」を表現しているのかも知れません。Lexus IS 300は十数年間の技術の進歩と日本車のレベルアップを感じさせる1台でした。これから長い付き合いになると思われますので大切に乗って行きたいと思います。

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新旧愛車のツーショット

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コメント 8

たくや

おめでとうございます~~~
by たくや (2022-12-12 10:13) 

ZZA700

たくやさん
どうもありがとうございます。
納車までが長かったです~
by ZZA700 (2022-12-12 23:48) 

imarin

新車購入おめでとうございます。
高級車レクサスに乗ったこと無いですが、きっと乗り心地良いのでしょうね。
ドライブ記事増えるかしら・・・楽しみです。
by imarin (2022-12-14 14:43) 

ZZA700

imarinさん
どうもありがとうございます。
乗り心地は想像以上に良くて、どこまででも運転できそうです。
しばらくはクルマ関連の記事になりそうです^^;
by ZZA700 (2022-12-14 19:16) 

gillman

凄いっ。スタイリッシュでいかにも速そう。内装も見たいです。
by gillman (2022-12-19 19:40) 

ZZA700

gillmanさん
エクステリアは私も相当に気に入っています。
見るたびに気分が上がります^^
次の機会に内装もご紹介しますね。
by ZZA700 (2022-12-20 09:50) 

響

新しい相棒さんの納車おめでとうございます。
我が家から近い工場で生まれたと思うけど
SUVとは違う伸びやかなデザインが美しいですよね。
by (2022-12-24 09:28) 

ZZA700

響さん
どうもありがとうございます。
重心が高いクルマが好みではなく、クーペライクなデザインを選んでしまいます^^;
ウチの子は宮田工場ではなく愛知県の田原工場で生まれたんですよ^^
by ZZA700 (2022-12-24 14:11) 

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