SSブログ

SSD置換 [その他]

 ノートPCのSSD(Solid State Drive)を記憶容量の大きい物に交換しました。このPCは128GBのSSDにWindows 10がプリインストールされたモデルですが、Windowsが勝手にアップデートを繰り返す間に容量を食いつぶされてしまいました。最初はCドライブに何十GBも空き容量が残っており、さらにユーザファイルは全てDドライブのMicroSDカードに保存していたことから、すぐにはCドライブが足りなくなることはないだろうと思っていました。しかしその予想に反してあっという間にCドライブが一杯になってしまいました。Microsoftは未完成品のようなOSをリリースしておいて、後出しじゃんけんのようにアップデートという名のパッチを当ててきます。こんなにもOSが肥大化するのであれば、最初から「Windows 10用PCのストレージ要件は256GB以上です」などとしておけば良いのにと思ってしまいます。後からドライブを拡張するのは非常に手間がかかるからです。電気製品(ハードウエア)の場合、長期間使っても不具合が出ないかどうか充分にテストしてから発売します。もしもユーザが使用中に不具合でも出たら大問題となり、リコール・無償修理は当たり前でしょう。しかしソフトウエアは後出しの改良が許され、しかもそのための労力やハードウエア拡張コストはユーザ持ちになるという、なんと恵まれた業界なのでしょう。事実上の独占状態だから許されることなのでしょうか。
 前置きが長くなりましたので本題に戻ります。以上のような理由で記憶容量不足のワーニングが頻繁に出るようになったので、SSDを128GBから500GBに拡張することにしました。少し前のノートPCには2.5インチHDDと同じ形をしたSSDが使用されることが多かったのですが、最近のノートPCは薄型化と低コスト化のためにM.2と言う規格のプリント基板状のSSDを採用することが当たり前になってきました。M.2は旧称NGFF(New Generation Form Fuctor)から改名されたもので、古い資料にはNGFFと表記されていることもありますが、両者は同一の物理形状と端子仕様を意味します。今回のPCにもM.2規格のB/M-keyの2280型(基板サイズが22mm×80mm)の物が使われていましたので、同じ規格で記憶容量が500GBのWestern Digital社製WD BLUE 3D NAND SATA SSD M.2 2280を購入しました。SSD選びで注意すべき点は、M.2規格のSSDには端子形状とインターフェースプロトコルの違いにより、色々なバリエーションがあるということです。備忘録として下に記しておきます。
 まず端子形状ですが、主な物だけでもB-key、M-key、B/M-keyなどがあります。基板の端子部にノッチと呼ばれる切り欠きが設けられていて、ノッチの位置により基板のタイプを識別すると同時に、裏返しでコネクタに挿入されることを防止しています。下の写真は元から付いていたSSDの端子付近の写真です。右端の1番ピンから6ピン分(実際には裏にも端子があるので11ピン分)の端子があり、その隣にノッチがあるのがB-key、反対に左端の最終ピンから5ピン分(実際には裏にも端子があるので9ピン分)の端子があり、その隣にノッチがあるのがM-key、上記の両方のノッチがあるのがB/M-keyとなります。今回購入したのは下の写真のように2つのノッチを持つB/M-keyタイプです。

DSC01282 (1).JPG
PCから取り外したM.2規格のSSD。ノッチが2つあるB/M-keyタイプが使われていた。

 次にインターフェースプロトコルですが、現在のSSDの主流はSATA(Serial Advanced Technology Attachment)とNVMe(Non-Volatile Memory express)に大別されます。SATAはHDDのインターフェースを踏襲したもので最高転送速度は600MB/sです。一方、NVMeはフラッシュメモリの高速アクセス性を生かすために新しく開発された仕様で、最高転送速度は5000MB/sになっています。SATAは比較的安価で大容量、NVMeは高速な読み書きという特長をもっています。今回のPCにはSATAが使用されていました。

DSC01271.JPG
購入したSSD(右)とSSDケース(左)

DSC01275 (1).JPG
中身はこんな感じ

 Cドライブの内容をそっくりそのまま新しいSSDにコピーする必要がありますので、新しいSSDをUSB経由で接続できるように外付け用SSDケースも購入しました。今回の場合、ケースは物理的にはM.2規格の端子形状がB/M-keyで基板サイズが2280型の物が入り、論理的にはSATAプロトコルで通信できる物があれば事足ります。しかし、今後のことを考えて、違う規格のSSDにも使えるタイプのケースを探してみました。その結果、Yottamaster製のDF3-C3という製品を見つけました。この製品は、物理的にはM.2のB-key、M-key、B/M-keyの端子形状および2230、2242、2260、2280の基板サイズに対応し、論理的にはSATAにもNVMeにも対応する優れものです。ここまで幅広い規格に対応するものは他にあまりなく、ほぼこの製品一択でした。しかも、ケースが透明で中の基板が見える非常にメカメカしいデザインが気に入りました。透明でない側の筐体はアルミの削り出しで作られていて放熱性も悪くはなさそうです。SSDとアルミ筐体の間に入れる熱伝導性のシリコーンシートも付属していました。接続ケーブルはUSB Type-A用とType-C用の2本が付属していました。ケースの加工精度も良く、中国製のこの手の製品としては珍しく隙間なくピッタリと組み上げることができました。ただ一つ残念な点は、ネットのユーザーレビューにも書いてあったのですが、せっかくの透明窓が傷だらけで秀逸なデザインが台無しになっていることです。気が向いたら後で表面をコンパウンドで研磨しようと思います。

DSC01277.JPG
中が見えて格好良いが透明窓が傷だらけだった

DSC01281.JPG
熱伝導シートが付属。さらにSSDを固定するプラグの予備や筐体を閉じるネジの予備まで付属する親切さ。

DSC01278.JPG
左から透明窓、アルミ筐体、SSDを取り付けた基板。加工精度が良いので隙間なく組める。

 OSがインストールされたCドライブを交換する場合、エクスプローラー上でファイルを全部コピーしてもPCは正常に動作しません。セクター単位でそっくりにコピーしたクローンドライブを作成する必要があります。そのためのツールは通常SSDメーカから提供されていて、WDの場合もAcronis True Image WD Editionというソフトウエアが無償でダウンロードできます。最初はこれを使用するつもりだったのですが、Cドライブにこのソフトをインストールするための空き容量がありませんでした。しかもこのソフトはインストール先をCドライブ以外に指定できません。そもそも空き容量がなくなったからSSDを置換する訳なので、コピーツールはもっとコンパクトな物にして欲しかったです。そこで以前外付けHDDケースを購入した時に付属していたArk HD革命 CopyDriveというソフトウエアを使用してCドライブのクローンを作成しました。(後から知ったのですが、Windowsの「バックアップと復元」という機能を使ってもクローンドライブを作成できるようです。)作成したクローンドライブをSSDケースから取り出し、PCの裏蓋を開けて古いSSDと交換しました。PCを起動させると無事に前と全く同じ環境で立ち上がりました。Cドライブの容量を確認すると500GBとなっていました。これでもう二度と記憶容量不足と言われることはないでしょう。

nice!(23)  コメント(4) 
共通テーマ:アート

nice! 23

コメント 4

slowhanded

もうノートPC用のSSDは2.5インチHDDサイズではなくなって
いたのですな。
時代について行けぬ…。(((((*´・ω・) トコトコ
by slowhanded (2021-08-15 19:01) 

さる1号

Windowsの勝手にアップデート、大抵忙しい時に限ってやってくれるのでいつもイライラです
OS、そんなにも肥大しているんだ
by さる1号 (2021-08-16 06:35) 

ZZA700

slowさん
そうなんですよ。私もこのPCを購入した時に裏蓋を開けてみてびっくりしました。どこにSSDが入っているの?って(笑)。チューインガムくらいの基板に何百ギガとかテラとか、40MBのHDDですごいと思っていた頃からすると隔世の感があります。
by ZZA700 (2021-08-16 22:55) 

ZZA700

さる1号さん
Windowsの勝手にアップデートは本当に困りますね。急いでいる時に限って35%から先に進まなくなったり(笑)。
肥大化しているのか、ゴミを残して行くのか、勝手に他人のストレージ容量を食いつぶして行くのはやめてほしいですね(>_<)
by ZZA700 (2021-08-16 22:59) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。