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二輪車のユーザー車検 [ZZ-R1100]

 早いもので愛車ZZ-R1100との付き合いは満20年になり、10回目の車検を受けることになりました。車検は基本的に、自分の手に負えない箇所がなければユーザー車検制度を利用することにしています。バイク屋さんに車検を依頼すると、大抵は交換する必要のない部品まで交換することになり、5~8万円は請求されてしまいます。バイク屋さんも商売ですから、労力に見合った工賃を請求するのは当然ですし、責任上メーカーが推奨するタイミングでの部品交換は仕方のないことだと思います。しかし、私は必要以上の過剰整備は要らないと考えていますので、これまで主にユーザー車検制度を選択してきました。まだ使える部品を交換してしまわないのは地球にやさしい上、多少の労力を惜しまず自分で車検を受ければ2万円ほどで済んでしまいますから、お財布にもやさしいというわけです。その上、注意深く検査をしたり、整備をしたりするのは愛車と対話するようなもので、それ自体が楽しみの一つとも言えます。今回も愛車と対話の結果、特に難しい整備や交換部品はありませんでしたので、運輸支局の自動車検査登録事務所に車両を持ち込んで検査を受けることにしました。

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 今までに4つの都県の検査場で車検を受けたことがありますが、検査場はどこも下の写真のようなレイアウトになっていて、手続き方法も似たり寄ったりです。敷地の片側にたくさんの事務棟が一直線に並び、受検者はあっちの建物、こっちの建物と窓口を渡り歩いて手続きをしなければなりません。民間企業の感覚では、車検受付の事務処理くらいならば、一箇所の窓口で一人の職員が対応すれば済むことなのですが、お役所仕事となるとそうは行かないようです。雇用を守るためなのでしょうか、天下り組織を存続させるためなのでしょうか、一人で出来る仕事をわざわざいくつもの組織の何人もの人で手分けして行います。売り上げの中から給料を捻出する民間企業とは異なり、効率が悪くても、受検者に不便を強いても、自動的に入ってくる税金から給料が支払われるお役所ならではのシステムです。それはどこの検査場でも同じなのでいまさら始まった話ではありません。しかし今回はもう一つ気になったことがありました。車検の受付時には、自動車税の滞納がないかどうかチェックされるのですが、通常は直近の自動車税を振り込んだときの振込用紙の半券が「納税証明書」になっているので、それを提示すれば納税の証明を行うことができます。しかし、今回の受付窓口では「納税証明書」を添付したにも関わらず、「納税証明不能」とされ、隣の建物に入っている自動車税管理事務所で納税証明印をもらって来るように指示されたのです。その時は意味が良くわからなかったので、窓口を一旦離れ、自分で書類を再チェックしました。しかし「納税証明書」はきちんと添付されていましたので、なぜ「納税証明不能」なのかがわかりませんでした。疑問に思ったので、すでに長い列ができてしまっている同じ窓口にもう一度並びなおして、異様に長く感じる10分ほどの時間を過ごしました。そして定年間近と思しき年齢の細身の男性係官に質問をしました。私:「ここに納税証明書と書いてありますが、なぜこれで納税の証明ができないのですか?」 係官:「ん?向こうで判子押してもらえなかった?」 私:「いいえ、まだ向こうの窓口には行っていませんが、なぜ納税証明書で納税が証明できないのか教えていただけませんか?」 するとその係官は質問に答えようともせずに逆切れし、「だからー、向こうで判子もらってきてって言ってるでしょ!」と語気を強めて自分の要求を繰り返しました。全く会話が噛み合わないので埒があきません。仕方がないので不毛な争いを避けて隣の建物の自動車税管理事務所に行くことにしました。そこで申請書類を提出すると、女性係官が書類に添付してある「納税証明書」をチラッと見るや否や、ためらいもなく納税証明印を押してくれました。この女性には「納税証明書」が理解できて、先ほどの初老の男性係官には理解できないというのでしょうか?最初から彼が納税証明印を押してくれれば済む話なのに、なぜわざわざ隣の建物でその印をもらわなければならないのでしょうか?やっぱり意味不明です。お役所には独特の論理があるようです。

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 疑問だらけの自動車検査登録事務所ですが、これからユーザー車検を受けてみようという方のために、以下に車検の受け方を書いておきます。少しでも参考になれば幸いです。

【1.車検の予約】
車検を受ける日にちが決まったら、「自動車検査インターネット予約システム」で検査の予約をします。車検を受ける場所は最寄の自動車検査登録事務所の他、各都道府県にある運輸局の検査場のどこでも受けることができます。

【2.必要書類を揃える】
(1)自動車検査証(現在有効な車検証)
(2)定期点検整備記録簿(事前に点検が終わっている場合に添付。車検後に点検を行っても良いことになっているが、車検に落ちては本末転倒なので、事前に点検整備をしておくことをお薦めする。)
(3)自動車税の納税証明書(直近の納税時のもの)
(4)自動車損害賠償責任保険証(13640円 2年後の車検まで有効な自賠責保険に加入しておく)
(5)継続検査申請書
(6)自動車検査票(ラインで検査結果を記入する用紙)
(7)自動車重量税納付書
(8)検査登録印紙(1700円 自動車検査票に貼り付ける)
(9)重量税印紙(5000円 自動車重量税納付書に貼り付ける)
(10)認印(三文判で可。継続検査申請書に捺印箇所がある)

(5)~(9)は検査場で入手可能です。(4)と(10)も検査場内または検査場周辺に必ずある代書屋さんなどで加入、購入できます。

【3.受付窓口へ行く】
書類が揃ったら必要事項を記入して検査の受付をしてもらう。

【4.検査ラインへ行く】
(1)外観検査(係員が来て検査をしてくれる)
・書類と車両の同一性の確認
・方向指示器の検査
・ブレーキランプの検査
・ホーンの検査
(2)排気ガスの検査
排気管にプローブを挿入し、結果が出るのを待つ。結果が出たら「自動車検査票」を記録機に挿入して合否結果を印字する(以下、各検査後に記録を繰り返す)。
(3)スピードメータの検査
前輪をローラーの上に載せ、左足でフロアにあるフットスイッチを踏むとローラーが回りだす。スピードメータを見て40km/hを指した瞬間にフットスイッチから足を離す。
(4)フロントブレーキの検査
表示に従ってフロントブレーキを操作する。
(5)リアブレーキの検査
ローラーの上にリアタイヤを載せ、表示に従ってリアブレーキを操作する。
(6)ヘッドライトの検査
前輪を所定の位置に合わせ、車体を真っ直ぐに保ってヘッドライトをハイビームで点灯させる。測定器が前を横切って照度分布を測定する。バッテリーが弱っていると照度が足りない場合があるので、スロットルを少し開けてエンジンの回転数を高めに保っておくと良い。
(7)総合判定
検査ラインの出口に係員がいるので、そこで検査の総合判定をしてもらう。合格だったら車検証を受け取りに行く。不合格だったら理由を聞いて、自分で再整備するか、近くに必ずある民間の検査屋さんに車両を持ち込んで整備してもらう。一番不合格になりやすいのはヘッドライトの光軸で、転倒したり、カウリングを外したりした場合に光軸がずれている可能性がある。ずれていても民間の検査屋さんで調整、予備検査してもらえる。その日のうちならば何回でも車検ラインで再検査を受けることができるので、落ちてもあきらめないように。ラインでは電光掲示の指示に従って操作すれば特に難しいことはない。初めてでも、前の人の検査を見ていればやり方はわかると思う。事前に見学もできる。

【5.車検証を受け取る】
総合判定に合格したら事務所棟の所定の窓口で新しい車検証とステッカを受け取って終了。

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ナビパ

ダブルジーRとはもう20年来の付き合いなんですね。大切に乗られているのがよくわかります。愛車の車検をユーザー車検で愛情を感じますね。^ ^
by ナビパ (2014-07-18 06:48) 

さる1号

自分も10月に車検
しかも車とバイクのW攻撃で^^;
ユーザー車検も考えるのですが、なかなか敷居が高くて・・・・
by さる1号 (2014-07-18 09:19) 

たくや

まだまだ役所仕事のところが多いですね!
国交省の指定天下り先だからな~

by たくや (2014-07-18 11:35) 

ZZA700

ナビパさん
20年。長いような、短いような、、、です。このマシンと一緒に日本中ほとんどの地方を走りましたので、愛着は強いですね。
by ZZA700 (2014-07-19 01:24) 

ZZA700

さる1号さん
うちは交互なのでまだマシですが、ダブルは辛いですね~。ここらでユーザー車検に切り替えてみてはいかがですか?難しいことは何もないですよ~^^
by ZZA700 (2014-07-19 01:27) 

ZZA700

たくやさん
サービスと呼ぶには程遠い仕事のやり方ですね。ご都合主義の押し付けです。また、間違いなく人員は3分の1に削減できますので現状は税金の無駄使いと言わざるを得ません。さらに、○○会議所とか△△振興会とかを潤わせるために仕事を分けているようなので、それを止めれば検査費用はもっと安くなるはずで、受検者もあちこちの建物を渡り歩かなくても済むようになります(怒)!
by ZZA700 (2014-07-19 11:48) 

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