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愛宕山 [その他]

東京23区内で最も高い天然の山である港区の愛宕山(25.7m)に登ってきました。先日、山手線の内側で最も高い山として新宿区の箱根山(44.6m)を紹介しましたが、それは江戸時代に作られた人工の山であったため、天然の山にも登頂しておこうと思い、訪れることにしました。

愛宕山の頂上には愛宕神社とNHK放送博物館があります。特筆すべきは愛宕神社の石段です。「出世の石段」と呼ばれるこの階段の勾配は、今までに経験したことがない急峻さでした。石段を登る時には自分の身体と石段がほぼ平行になり、まるで垂直の壁を登っているような感じがします。そして、後に倒れたら大変なことになるという恐怖が脳裏をかすめます。頂上から下を見下ろすと、一瞬腰が引けてしまいます。高い所は決して苦手ではない私でさえ、下りるときにはついつい手摺りを探りたくなるほどです。

この急な石段が「出世の石段」と呼ばれるようになった理由が実に興味深いです。1634年に徳川家光が増上寺からの帰り道に愛宕神社に梅が咲いているのを見て、「誰か馬にてあの梅を取って参る者はいないか」と無理難題を言い出しました。誰もが躊躇していたところ、讃岐丸亀藩の家臣・曲垣平九郎(まがきへいくろう)が馬で石段を登り始め、見事頂上の梅の枝を折って帰り、家光公に献上したのだそうです。この出来事から平九郎は日本一の馬術の名人と称えられ、大出世を遂げたということです。歩いて登るにも勇気が必要なこの階段を馬で登るとは信じがたいことですが、平九郎以降、この石段を馬で登ることに3人の人たちが各々1882年、1925年、1982年に成功させているそうです。1982年に成功させたのはスタントマンの渡辺隆馬さんで、日本テレビの「史実に挑戦」という番組内で行われました。You Tubeでその映像を見たことがありますが、人も馬も必死に登る様子がとても印象に残っています。

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出世の石段。身体と階段がほぼ平行になっているのがわかる。

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愛宕山全景。左に見えるエレベータでも昇降できる。

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青松寺と愛宕グリーンヒルズのフォレストタワー。新旧調和が面白い。

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頂上から見下ろすと腰が引ける

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下りでは鎖を手繰りたくなる。

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不況を感じさせない森さん家。マレーシアのペトロナスツインタワーと同じシーザー・ペリの設計。


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コメント 6

slowhanded

確かにこれは上から見下ろすと足がすくみそうな
勾配ですなぁ。。。(;・∀・)ウヒョー

こうしてみてもSIGMAの8-16mmの描写の良さを
感じますねぇ。( ̄▽ ̄)b グッ!
by slowhanded (2013-02-16 20:31) 

さる1号

見下ろした画像でさえお尻がムズムズ
下るのは結構怖そうですね^^;
by さる1号 (2013-02-17 08:39) 

ZZA700

slowさん
噂には聞いていましたが、想像以上の勾配でしたよ^^;
SIG8-16はslowさんもおっしゃっていた通り、周辺部でも解像度が落ちないところが良いですね。
by ZZA700 (2013-02-17 09:12) 

ZZA700

さる1号さん
結構お尻ムズムズしましたよ^^; 下るの怖かったです~。意外だったのは上りは上りで下が見えないので色々と余計な想像をしてしまって恐怖心が湧いてくることでした。
by ZZA700 (2013-02-17 09:24) 

kyon

どひゃ〜!高所恐怖症の私、這いつくばって後ろ向きにしか降りられない気がする石段です^^;
by kyon (2013-02-17 11:40) 

ZZA700

kyonさん
なるほど、ハシゴ降りですね^^
この階段、高所恐怖症でなくても充分にスリルを味わえましたよ ^^;
by ZZA700 (2013-02-17 12:49)