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SAL135F28 [135mm F2.8 [T4.5] STF]

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個人的にはαの純正レンズで35Gと双璧を成すのがこのSTF(Smooth Trans-Focus)ではないかと思っています。このレンズはスムーズなボケを実現するために「アポダイゼーション光学エレメント」という特殊効果フィルターを内蔵しています。つまり美しいボケのために生まれたレンズなのです。

写真を始めてから、いつかはSTFが使いたいと思っていましたが、マニュアルフォーカス(MF)を使いこなせるかどうかが不安でした。そのため、散散オートフォーカス(AF)が使える135mmF1.8ZAとどちらにするか悩みました。STFに決めた理由は、やはりボケのスムーズさでした。購入前に諸先輩方の両レンズでの作例をいくつも比較検討させていただいた結果、ZAも決して悪くはないのですが、STFのボケの美しさは、AFが使えないと言う欠点を考慮しても余りある長所であるという結論に達しました。実際使ってみて、例えば背景の小枝などの細い線が、2重にも切れ切れにもならずに溶けるようにボケてくれることが確認できました。おかげで背景がうるさくならずにきれいに整理されます。これにより主題が浮き上がるように強調されて、まるで写真がうまくなったかのような錯覚に陥ります。α700との組み合わせでは、心配されたMFでの歩留まりもそれほど落ちないで済みました(とは言っても私の腕ではジャスピン率は5割以下ですが)。ペンタックスの拡大アイカップ(O-ME53)というアクセサリーを使用するとファインダ像が1.18倍に拡大されて、随分MFがやりやすくなります。O-ME53はαの標準アイカップと交換するだけで違和感なく使えますので、ファインダの小さなα200やα300に付けて使用している人も多いようです。STFについて気付いた点を以下に列記します。
【長所】
・ピントの合ったところのシャープさは超一級品で、空気感まで写し撮ります
・合焦点から外れるに従ってスムーズにボケる様はこのレンズでしか味わえない独特の味です
・金属の鏡筒はしっかりとした作りで信頼感があります
・ペンタックスのFAレンズを彷彿とさせる絞りリングは、リング操作によりプログラムモードから絞り優先モードに瞬時に切り替えができて非常に便利
・ポートレートや花撮りはもちろん、風景を撮ってもシャープさが生きてきます
・絞り開放でも周辺減光や像の甘さが全く感じられないほど余裕の設計
・質感の高いフードが付属
【短所】
・AFが使えない。ファインダ内の合焦表示さえも機能しない完全MF仕様
・フォーカスリングが若干重い。もう少し軽い方が操作しやすいと思う
・明暗の強いエッジ部ではパープルフリンジが出ることがある
・ずっしりとくる重さ
このように完全無欠のレンズではありませんが、MFで写真を撮ることを楽しくさせてくれる素晴らしいレンズです。フォーカスが合ったところの解像度は恐ろしく高く、どこまで拡大しても解像しているのに驚かされます。下の黄色い花の作例のオリジナル画像では、しべに付着した花粉の一粒一粒まで写っています。それでいて合焦していない部分にかけては水彩画のように実にスムーズにボケて行くからやめられません。おかげでお散歩時の装着率はこの重さ(カメラ本体よりも重い730g)にも関わらず、35mmF1.4Gと首位を分け合うほど使用頻度の高いレンズです。このSTFと35Gがある限り、αからは離れられません。

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